ドラクエ3 転生ループ勇者   作:まガロン

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ロマリアの兵士

大陸の北西に位置するロマリア。

かつては全ての道はロマリアに通ずるとまで言われた先進国だったが今では造船技術の発達したポルトガに遅れを取っている。

そのロマリアの城下町の入り口に立つ兵士の一人。

日々ロマリアの平和を守っている。

ただついこの間まではロマリア城の北西に位置するロマリアとポルトガとを繋ぐ国境の警備に赴任していた。

それがなぜ急にロマリア城下に配備されたのか?。

それは最近起きた事件に関係する。

事件とはこのロマリア地方で金品を奪う大盗賊カンダタが宝物庫から国宝である金の冠を盗んだ事にある。

これには普段は温厚なロマリア王も大激怒。

何せ金の冠は代々王の即位には絶対必須の物だからだ。

即位式に金の冠が無いと王位を継いだとは見なされない。

それほど重要な歴史あるアイテムだ。

調べさせるとカンダタ一味はこの城下町に少しの間滞在していて宝物庫に侵入する機会を窺っていたたらしい。

しかも隠れていたのならまだしも日中堂々と出歩いていた事も調査で分かった。

カンダタの手配書は出回っていて街の警備や巡回をしている兵達が分からない訳がない。

つまり職務怠慢で見落としていたか捕まえるのが面倒なので見逃していたかだろう。

当然事件後の調査で明るみに出て兵士達を束ねる兵士長の責任問題になり責任者はクビ。

怠慢と見なされた該当する警備兵や巡回兵達はクビかカンダタ捕縛の部隊に組み込まれ各地に派遣されていった。

当然城下を守る兵が人手不足になり国境警備に着いていた自分が城下の警備兵として配置されたという事だ。

 

「カンダタ、カンダタ、カンダタ」

 

街行く人々をチェックする。

再びカンダタがこのロマリア城下に来るとは思えないが油断は大敵。

もし仮に見落とした場合は王の怒りに触れるだろう。

せっかくロマリアの正規兵になったのだ。

クビになったら目も当てられない。

 

「そう言えば…」

 

アリアハンから魔王退治の為に勇者が旅立ったとか何とかをポルトガの兵から聞いた。

アリアハンは鎖国状態にあり情報は余り入ってこないが全く無い訳ではない。

ポルトガでは公然の秘密ではあるがポルトガの対岸の岬に灯台があり、そこにある旅の扉を使ってアリアハンまで行けるようでアリアハン大陸の情報は結構出回っている。

その情報はロマリアまで来ていてロマリアでも伝説の勇者オルテガ以来の勇者の来訪を歓迎する向きがある。

ロマリア城下の民の中にはその噂を聞いて町の入り口辺りで勇者が来ないがどうか見張っている暇人達もいる。

まぁ、魔王も噂程度にしか過ぎず本当に存在しているのかは怪しいモノだが魔物が存在している以上その親玉がいても何ら不思議ではない。

 

昔はロマリア城の南にあるいざないの祠から旅の扉でアリアハンとは行き来出来たらしいのだがそこは封鎖されて交流は無くなった。

まぁ、昔あった戦争が原因なのだが。

封鎖されたそれ以後も度々壁が壊されまた封鎖される事が繰り返されている。

正式なロマリアの記録で最後に壁が壊されたのは十年以上前、伝説の勇者オルテガが魔法の玉を用いて壁を破壊しロマリアにやってきた時だ。

残念ながらその時はロマリア城の北に位置するカザーブの村に住んでいたためオルテガを見る事はできなかったが見た人から聞いた話では堂々とした立派な勇者だったらしい。

そのオルテガの子供が勇者になり今回アリアハンを旅立ったという。

そして父親であるオルテガと同様に魔法の玉を使ってこのロマリアに来るようだ。

 

「勇者、勇者、勇者か…」

 

伝説の勇者オルテガの子供。

子供の頃にオルテガを見れなかったので今回こそそのオルテガの血を継いだ勇者を見てみたいという思いはある。

 

「いかんいかん…」

 

他に気を取られているとカンダタが目の前に現れても見逃してしまうかもしれない。

今はカンダタだけに集中する時だ。

 

「カンダタ、カンダタ、カンダタ…」

 

手配書にあるカンダタとその一味の顔を思い浮かべならが道行く人々を見る。

異国の格好をした四人の若い旅人が目の前を通り過ぎていった。

しかしカンダタではない。

 

「違うカンダタ、カンダタ、カンダタ…」

 

カンダタを頭の中で唱える。

それにしてもアリアハンからやってくる勇者はいつ来るのだろうか?と思いながら。

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