世界の地図において南西に位置するバラモス城。
その魔王城の広い魔王の間にて禍々しい玉座に座るのは魔王バラモス。
四つある巨大な水晶玉が宙に浮き遠方の映像を映し出す。
四つある水晶玉の内の一つだけは何も映っていないが三つの水晶には魔物の姿がそれぞれ映し出されていた。
一つは八つの頭を持つヤマタノオロチ。
一つは巨魔人ボストロール
一つは魔翼レヴナント。
緊急会議に呼び出された四天王達である。
レヴナント「お呼びでしょうかバラモス様、四天王筆頭であるこのレヴナント参上致しました」
ボストロール「誰が四天王筆頭だコラ」
ヤマタノオロチ「まあまあ」
バラモス「来たか」
レヴナント「おや?、もう一者来ていないようですが?」
バラモス「その事で話がある、まずはこれを見よ」
バラモスが手をかざすと目の前に魔法の映像が映し出される。
そこには息も絶え絶えの怪しい影が平伏していた。
バラモス「一体何があった?」
怪しい影「は…カザ…ブにて集め…たモン…スターの軍は…ぜ…全滅…」
バラモス「誰がやったのだ?、ロマリアが軍隊でも出してきたか?」
怪しい影「て…敵は…たった一人…」
バラモス「何?、貴様はたった一人の人間に数百の魔物の軍ごと敗れたのか!?」
怪しい影「て…敵は魔法使い…しか…し、つ…強すぎ…て…わ…私の策も攻撃…も…通用…せず命…からがら…」
バラモス「信じられん、お前を一方的に倒せる人間がこの地上に存在すると言うのか?」
怪しい「恐るべ…き魔法…の使い手…な…七つの杖…ぐふっ」
怪しい影は息絶えた。
バラモスの指から放たれた細い光が怪しい影に当たり本来の姿を現す。
その姿はみるみる魔道士のような姿に変わった。
怪しい影の正体は四天王の一者であるウォーロックであった。
そしてその死体は消え去った。
映像は消えバラモスは水晶玉に映る四天王の三者を見渡す。
バラモス「そういう事だ」
ヤマタノオロチ「…カザーブ周辺に展開した魔王軍の目的はアリアハンから出た勇者を殺す事が目的だった筈であじゃりまするな?」
バラモス「その通りだ、あのオルテガの子が勇者となり愚かにもこのワシの討伐の為に旅に出たようなので殺してやろうと思ってな」
ヤマタノオロチ「それが失敗に終わったという事でごじゃりまするな?」
バラモス「そうなるな」
レヴナント「ククク…オルテガか、懐かしい」
ボストロール「そういやテメェはオルテガを火山に叩き落として手柄をあげたんだっけな」
レヴナント「その通り、地上最強と噂の高い勇者オルテガを葬ったのはこの俺この俺この俺レヴナントだ」
ボストロール「けっ、俺だってそのオルテガと互角と言われた勇者サイモンを葬ってんだ、テメェだけデケエ面してんじゃねーぞ」
レヴナント「ハハハ、お前の場合は策を弄してサイモンを罠に嵌め牢獄に閉じ込めただけだろう?、戦って倒した訳じゃない」
ボストロール「喧嘩売ってんのかテメェ、新参が調子こいてんじゃねーぞボケが、俺の場合は知謀っつーんだ覚えとけカス」
ヤマタノオロチ「まぁまぁお二方、今は喧嘩をしている時じゃありませぬぞな」
レヴナント「む、確かに」
ボストロール「ちっ」
バラモス「さぁ本題に入るぞ、見た通りウォーロックは死んだ、だが数百のモンスターを率いたウォーロックが負けたとは未だに信じられん」
ボストロール「敵はオルテガのガキでしょう、ならそのガキをプチっと棍棒で叩き潰しゃ終わりですよバラモス様」
レヴナント「ウォーロックは魔法使いにやられたと言っていた筈だが?」
ボストロール「あぁ?、くそ弱ぇー魔法使いが一人でウォーロックやモンスター数百匹を相手に戦えると本気で思ってんのか?」
ヤマタノオロチ「地上でそんな魔法使いが存在しているなんて事が有り得る訳がないのぅ、しかしウォーロックが負けたのは事実じゃ」
バラモス「ウォーロックは杖がどうとか言っていたが、何の事だ?」
ヤマタノオロチ「七本のひのきの棒を持っているとか?」
ボストロール「ひのきの棒より棍棒の方が強ぇーけどな」
ヤマタノオロチ「魔法使いは棍棒を装備できなかった筈じゃがのぅ」
レヴナント「ハハハ、ひのきの棒は棒であって杖ではないぞ、オロチ殿」
バラモス「何にしろ得体の知れん魔法使いが存在しているのは確かだ、それが勇者と関連するモノかどうかは分からぬが全員用心せよ」
レヴナント「ククク、ご心配には及びません、ウォーロックなど所詮我ら四天王の中では最弱、そんな魔法使いが現れても我々なら返り討ちにしてみせます」
ボストロール「ソイツは勇者の仲間なんじゃねーのか?」
ヤマタノオロチ「情報では勇者の仲間は商人、盗賊、遊び人だった筈じゃが」
ボストロール「何だそのカスみてーなパーティーは、特に最後の遊び人って何だ?舐めてんのか」
ヤマタノオロチ「それでバラモス様、次は誰が勇者のトコロに行って殺してくる役をやるのでごじゃりますか?」
ボストロール「いい加減変な喋り方すんな、オロチ」
ヤマタノオロチ「変な島国にいると変な喋り方になってしまうのじゃ」
バラモス「とりあえずお前達はそれぞれの役目を続行するのだ、勇者一行と魔法使いの件はワシが色々と手を打つ」
四天王「は、魔王様!」
そうして水晶玉からは映っていた四天王の姿が消えて元の水晶に戻った。