魔王バラモス2
ネクロゴンドにあるバラモス城。
そのバラモス城の玉座の間にてバラモスの前に平伏す五体の魔物達。
真ん中にいる一体はナイルの悪魔。
すぐ横の左右にはマミーズアイ。
そして更に左右の横にはベビーサタンがいる。
勇者討伐のためにバラモスが呼んだのだ。
バラモス「お前達にはイシスで勇者達を葬ってもらう」
ナイルの悪魔「ははぁ、バラモス様の命しかと承りました」
バラモス「うむ、ならば行け」
一同「は」
バラモスの命令。
イシスで勇者一行を倒す。
バラモス的にはナイルの悪魔は忘れっぽくて頼りない。
マミーズアイ達もまた頼りない。
ベビーサタンに至っては頼りない所の騒ぎではない。
しかし優秀な魔材不足の魔王軍においては暑さ寒さに耐性があり戦闘能力も一般のモンスターに比べて抜きん出ているナイルの悪魔に頼るしかない。
何せイシスは砂漠の国。
日中は燃えるように暑く夜間は冷水に入ったかのように冷たい。
ネクロゴンド周囲は熱に弱い魔物が多い。
それ故にネクロゴンドに住まうモンスター達の大群を砂漠に派遣させ行かせる訳にもいかない。
無理に行かせると熱と乾燥と昼夜の寒暖差でたちまちダウンしてしまうだろう。
勇者を倒すにはイシスにいるモンスターを動員し待ち構えて倒すしかない。
四天王であった知将ウォーロックならば勇者を倒すための策を練らせ動いてもらっただろうが、謎の魔法使いに倒されたのだから仕方がない。
ウォーロックが抜けた穴はかなり大きいといえる。
「ワシが行ければ…」
しかし魔王自らが行くのは躊躇われる。
そもそも自分が部下を率いて出れば魔王城を守る者が居なくなる。
そして何よりイシスの国に行きたくない理由がある。
それは何かと言うとイシスの封印術である。
イシスには魔や物を封じる魔法があった。
その封印の魔術は強力であり魔王である自分ですら警戒しなければならないモノだ。
それは代々王家の血を引く者が王位と共に継承していっていると聞く。
ならばイシス国の現女王もまたそれを継いでいる筈。
それ故にイシスには近づきたくないのだ。
絶大な力を持つ魔王である自分が封印されるなどという事は有り得ない事だが万が一という事もある。
そしてもう一つ、イシス地方には闇の勢力が存在している。
その呪いの力は凄まじく魔王と言えど触れたくはない面倒な勢力だ。
だから今はナイルの悪魔に任せるしかない。
魔法使いの方はどうするのか?。
そもそも四天王を倒せる程の者だ。
どうにもならない。
ウォーロックがいれば何か知恵を出しただろうが…。
どちらにしてもその魔法使いを倒せるのは魔王である自分しかいないだろう。
「えーと…何だっけか?」
魔王の間から出たナイルの悪魔達は休憩所で椅子に腰を下ろし一服したあとナイルの悪魔はマミーズアイに聞く。
マミーズアイA「イシスで勇者一行を倒す事」
マミーズアイB「イシスで女王を倒す事」
マミーズアイA・B「さぁ、どっちだ?」
ナイルの悪魔「えーと…女王を倒すなんてバラモス様は言ってなかったからイシスで勇者を倒す事だ」
マミーズアイA・B「正解!」
ベビーサタンA「クイズなんてやってるんじゃねぇ」
ベビーサタンB「俺ならイシスと言わずアッサラームで勇者を倒してやる」
ベビーサタンA「お前はアッサラームに行くのか?」
ベビーサタンB「俺はアッサラームに行く」
ベビーサタンA「なら俺はイシスで女王を倒す」
ナイルの悪魔「イシスの女王って倒すんだったっけ?」
ベビーサタンA「倒さない、倒すようには言われていない」
ナイルの悪魔「だよなぁ」