ロマリアとイシスを繋ぐ街がアッサラーム。
ロマリアからは東南に位置しイシスからは東に位置する。
逆にアッサラームからロマリアは北西にあたり、アッサラームからイシスは西に存在する。
このアッサラームは交易の中心地であり様々な物品が取引される。
人の行き来も激しく日中は絶えず混雑する。
この街の特徴として物が高額で売られている事と値切り交渉が飛び交う事。
アッサラーム商人と言えば悪商とまで言われるほど評判が悪い。
特に武器や防具は他国で売られている通常の値段の数倍から数十倍までの高値が付けられ、知らない旅人がぼったくられるのは日常茶飯事だ。
俺は街の武器屋。
当然武器を売っている。
とはいえここの武器屋は少し変わっている。
武器屋が変わっているというか俺が変わっている。
何が変わっているのかと言うと俺の店は夜間営業だ。
普通の武器屋は昼間営業していて夕方で閉める。
しかし俺の店は昼間は閉まっていて夜になると開く。
なぜそうなったのか?。
それは俺が夜型人間だからだ。
昼間寝て夜に起きる変人だ。
もちろん他にも理由はある。
暴利を貪るアッサラーム商会に上納金を納めていないので嫌がらせにあって日中は開けられない。
アッサラーム商会はとにかく金だ。
しかもぼったくり価格。
その財力によってアッサラームの街を影で支配している。
昔はこのアッサラームは一つの国だった。
しかしイシスとの戦争に敗れ国は消滅。
以後は一応はイシス領ではあるが自治が認められており、商業都市として発展。
街の名物はベリーダンスである。
商売は真っ当にやるべきとの信念を持っている。
真っ当に適正価格で売っている防具屋や道具屋もあるが、それはアッサラーム商会に高い上納金を納めている店だ。
俺は上納金なんぞ払う気はない。
だからアッサラーム商会と揉めたし反感も持たれている。
とはいえ夜間の営業については特には嫌がらせは無い。
流石にそこまでして嫌がらせをしてくる訳でもない。
だから俺は夜に武器を売る。
適正価格で。
それが俺の信念であり商人道だ。
武器屋「て訳だ、お嬢さん」
夜中に店を見に来た若い商人の女の子に俺は語った。
ピプル「偉い、本当に日中やってる武器屋や道具屋には頭にきたから」
武器屋「ああ、だろうな」
ピプル「あんな酷いぼったくりなんて見た事ないわ」
武器屋「通常の何倍もの値段を吹っかけてくるからな」
ピプル「ギリギリまで粘って交渉してもまだ二倍近く高いし」
武器屋「そう、アッサラーム商会はどうしようもないからな、というかよく適正価格を知っているな」
ピプル「そりゃね、色々と聞いて回って情報を集めたわ」
武器屋「なるほど」
ピプル「聞いて回って夜に開くここのお店を知ったのよ」
武器屋「そうかい、ま、アッサラーム商会に反感を抱く奴は他にも沢山いるからな、ここを勧めてくる奴もいるだろう」
ピプル「それにしても助かったわ、ここら一帯の敵は尋常じゃなく強いからチェーンクロスじゃキツかったし」
武器屋「ロマリアから来たんだったな、確かに向こうのモンスターよりもこっちの方が厄介だ」
ピプル「暴れザルとか強すぎるし、でもこれならマトモに戦えるわ」
そう言うと商人は買ったばかりの鉄の斧を目の前に出す。
商人が買ったのは鉄の斧三本。
チェーンクロスよりも強い武器だ。
武器屋「イシスに行くんだったな」
ピプル「そうよ」
武器屋「鉄の斧を三本買ってくれたお礼にいい事を教えよう、イシスには三大秘宝と呼ばれる国の宝があってな」
ピプル「何それ?」
興味深げに聞いてきた商人に俺はイシスの秘宝について話をし始めた。