イシスには三大秘宝と呼ばれている宝が存在しているらしい。
それはすなわち『魔法の鍵』『星降る腕輪』『黄金の爪』と呼ばれる宝物だ。
伝説の武道家が眠るカザーブの村を出たフォーンは勇者達と別れ南下しロマリアへ。
そしてアッサラームを経てイシスに辿り着いた。
この辺りになってくると魔物の強さもカザーブ周辺とは桁違いに強く、鉄の爪を装備したフォーンでも苦戦の連続である。
しかし何とか戦いレベルが上がったとしても地獄のハサミの防御力には到底敵わず逃げるしか手はない。
カザーブに眠る伝説の武道家ならば素手で地獄のハサミを倒せるだろうが自分は無理だ。
それらの手強すぎる魔物達に自分が勝てるとするなら武道家最強の武器と言われる黄金の爪を装備するしかないのではないかという思いが出てきた。
そもそもこのイシスまで来たのは黄金の爪が実在するかどうかを確かめるためだ。
黄金の爪はイシスの秘宝と呼ばれ代々の王が眠るピラミッドの地下に保管されているという。
武道家なら誰もが知っている伝説の武器であり誰もが装備する事を夢見る。
フォーン「ふむふむ」
イシスの街の地下にある格闘場にてモンスターの戦い方を勉強する。
とにかくイシスの敵は強い。
別に賭ける為に来ている訳ではない。
あくまで魔物達がどういう戦い方をするのか、弱点は何かを調べるためだ。
イシスの三大秘宝という呼び方は一般的であるようだが、人によっては四大秘宝という呼び方をする人もいる。
これはご高齢の方々がそう呼ぶ事が多い。
そう、本来は三大秘宝ではなく四大秘宝と呼ばれていたらしい。
もう一つは『派手な服』と呼ばれる衣服だそうだ。
派手な服とは遊び人が装備出来る服らしいが、なぜそれが秘宝の一つとして語り継がれてきていたのかは不明。
一説では初代の王が来ていた服とも言われていたらしいが詳しくは分からないとの事である。
その伝承が本当ならイシスの初代の王は遊び人だったのか?…という疑問が出てくる。
それとも本来なら遊び人が装備できる派手な服だが、それを特別に装備できた王だったのか?。
今となっては分からない事だろう。
フォーン「ピラミッドか…」
ピラミッドは王の墓だ。
ピラミッドにある宝には呪いがかかっていて持ち出す者は呪われ破滅する運命だという。
例え黄金の爪を手に入れたとしても呪われ破滅するのは御免被る。
しかし武道家としては装備は勿論してみたいし、何なら是非とも一度は見るだけでも見てみたい気持ちはある。
「よぉ、武道家さん、勝ってるか?」
背後から男に声をかけられビックリした。
決して油断していた訳ではない。
しかし背後を取られた。
全く気配を感じさせない人間にフォーンは内心焦りながら振り返る。
そこにいたのは戦士だ。
明らかに強いのは雰囲気でも分かった。
フォーン「いや、賭けてはいない」
戦士「そうか、なら何をしているんだ?」
フォーン「魔物の戦い方を勉強している」
戦士「なるほど」
戦士ににっと笑う。
戦士「俺の名前はダロムだ、あんたもしかしてピラミッドに行くつもりか?」
フォーン「なぜそう思うんだ?」
戦士「武道家なら誰でも黄金の爪は欲しいだろうからな」