バコタ「聞いたか?」
囚人「何をですか?、旦那」
バコタ「アリアハンがロマリアと和平を結ぶって話をだ」
囚人「そうなんですか?」
バコタ「ああ、そのスジから聞いたから間違いない」
囚人「そのスジって盗賊方面ですかい?」
バコタ「その通りだ」
囚人「と言う事はいざないの泉にある壁はどうなるんですかね?」
バコタ「いや、流石に撤去だろ、和平の条約を結んどいて通る道を封鎖はしないだろうからな」
囚人「でも何十年も鎖国を続けていたアリアハンがなんでそんな事になったんです?」
バコタ「勇者だな」
囚人「え?、勇者ちゃん?」
バコタ「いざないの洞窟から向こうに行って帰ってきた盗賊仲間からの情報じゃ勇者がロマリア王になったらしい」
囚人「は?、何を言っているか分からないんですが…」
バコタ「俺も信じられなかったんだが事実らしい」
囚人「どうやったらそんな事になるんです??」
バコタ「カンダタって盗賊が向こうにいてな、まぁ、俺に比べりゃ大した事ないコソ泥らしいがソイツがロマリア王家の宝である金の冠を盗んだらしいんだな」
囚人「はぁ…」
バコタ「その金の冠を取り返したのが勇者って訳だ」
囚人「はぁ…」
バコタ「それでその功績を認められて勇者が王位を譲られたって訳だ」
囚人「いやいや待って下さい、そこ!、意味不明すぎますよ、そもそも王位なんて簡単に赤の他人に譲ったりできるんですか??」
バコタ「譲る事は出来るみたいだな、少なくともロマリアではな、俺も信じられなかったが事実らしい」
囚人「ちょっと待って下さい、てことは勇者ちゃん達は魔王退治を辞めちゃったって事ですか??」
バコタ「いや、数日して…いや、一週間ぐらいか?、詳しくは知らないが王位は元の国王に返したらしい」
囚人「そうなんですね、勇者ちゃん達が魔王退治を辞めたのかとビックリしました」
バコタ「まぁ、その勇者が国王の間にやったのがアリアハンとの友好の話を纏めたって事だ」
囚人「たった数日でですか?」
バコタ「あくまでロマリア国内での方針を纏めただけで実際には復帰したロマリア王がそれを了承してアリアハン王に親書を送って話を進ませたみたいだな」
囚人「な…なるほど」
バコタ「アリアハン王も一時的にとはいえ勇者がロマリアの王になった事にビックリしたらしいな」
囚人「そりゃそうでしょ、誰だってビックリしますよ」
バコタ「一番ビックリしたのが勇者のお袋さんらしいけどな」
囚人「そりゃ自分の娘が王になったらビックリしますよ」
バコタ「息子だっつってんだろ、とにかく勇者がアリアハンとロマリアの平和の架け橋になったって訳だな」
囚人「なるほど、やっぱり勇者ちゃんは凄いんですね」
バコタ「ああ、本当にとんでもねー事をやりやがる、くそ、俺も外に出て色々やってみてーぜ、絶対にこの牢から出てやっからな」
牢番「変な気は起こすなよ、バコタ」
バコタ「へ、真っ当に刑期を終えて出てやるって事だぜ、番守」
牢番「ならいいがな」