美しさ…というのは一時的なもの。
若さはしかし止まる事はなくやがては老いそして死んでいく。
死ねば永遠を手にする事ができるだろうか?。
しかし死後の世界はそんな甘い想像を打ち壊してしまう。
王家の霊達は生前の姿を保ってはいるが、それは稀有な例だ。
私の名前はパトラ、イシスの女王として国を治めています。
パトラ「ピラミッドが静まってイシスにもまた平和が訪れましたね」
側近「はい、難は去りました」
ピラミッドの地下に眠るイシスの至宝である黄金の爪。
それを持ち出そうとして呪いにかかった二人組がいた。
一人は武道家、もう一人は戦士。
王家の亡霊の呪いは凄まじくピラミッド内にいる全ての魔物達を呼び集め襲い掛からせる。
本来ならピラミッドを出るまでに力尽きてしまうが、この二人組は違った。
何と生きてピラミッドを脱出してしまったのだ。
ピラミッドから出れば呪いは薄まる。
それで黄金の爪を国外へ持ち逃げする事も可能だったかも知れないが、そうは上手くはいかなかったようだ。
体力は徐々に奪われ毎夜枕元に現れる亡霊達にうなされているとかで黄金の爪を城に返しにきたのだ。
とりあえず二人は盗掘の罪で牢屋に入れた。
後は黄金の爪を元あるピラミッドの地下の納められていた棺に戻すだけだ。
戦士「女王さん、俺達の手で黄金の爪を返したい」
玉座まで引っ立てられてきた戦士がそう提案する。
なるほど、確かにそれが一番良い結果になるだろう。
信用できるか出来ないかはともかく。
そういった訳で私とイシスの側近や側女、近衛兵や兵士、その他諸々の必要がある人員とこの戦士、武道家を連れてピラミッドへ向かった。
道中に魔物が襲ってきたけれどもこの戦士はとても強い。
地獄のハサミや火炎ムカデなどモノともしなかった。
呪いを受けたにも関わらずピラミッドの地下から無事脱出できた理由が分かった。
近衛兵「あの戦士、何という強さだ!」
パトラ「貴方達も精進しなさい」
戦士が魔物達をあっさり倒してしまうので兵達の出番は無かった。
しかし魔物との戦いで兵を無駄に失ったり怪我を負わせるよりは良い。
兵達は出番を奪われて不満そうだが兵士長達に伝えて一般兵達をなだめさせながらピラミッドにたどり着いた。
ピラミッドは王家のモノ以外の侵入を拒む。
あるいは王家の血を引く者の許可がなければ入る事は難しい。
私達はピラミッド内に入り地下へ。
閉じられていた入り口を開けて更に地下へ。
地下の最深部に到着した。
そこには王家の紋章が刻まれた煌びやからな装飾と文字が掘られた棺が安置してあった。
パトラ「これですか?」
戦士「そうです」
私自身も初めて来る場所であり初めて行う王家の亡霊の怒りを鎮め呪いを解く儀式だ。
緊張するけれどやるしかない。
黄金の爪を棺に納め直し、王家の亡霊の怒りを鎮める祈りを行う。
そして呪いを解く儀式。
長時間の祈りに場は鎮まり王家の亡霊、呪いのファラオが耳元で囁いた。
「汝の祈りは通じた、怒りは無くなり呪いは解かれた」
ピラミッドを後にした私達は無事にイシス城下に帰ってきた。
武道家は罪は黄金の爪を欲しがった自分に全てあるといってイシスの牢屋で罪を償う事になった。
それを見届けて戦士はどこかに去っていった。
不思議な戦士だ。
しかし何か…かつて会った気もする。
それは気のせいかも知れないけれど。