五回目の人生、流石に上手く行く説 作:正直タイトルめっちゃ悩んだ
温かい目で見守ってください
只、皆を救いたかっただけだった。
最初は砂漠にそびえ立つ学校の生徒だった。
3人で先代の借金に追われながらも幸せに過ごせて居たはずだった。
だが先輩が砂漠で死んで、もう一人の同級生と喧嘩別れしてしまった。
もう一度やり直したい。
そんな叶わない願いを持ち続けた俺の前に一人の怪しい黒スーツの男が現れた。
男はある条件で何回でもやり直せる「ボタン」を渡してきた。
条件なんてもう忘れてしまったがそんな美味い話に食いつかない理由が無い。
俺はボタンを押してこの世界をやり直した。
2回目は最先端の技術を持つ学校の生徒だった。
ゲームを開発する部活に入っていた。
クソゲーだと馬鹿にされても、4人で力を合わせて開発し、最高傑作を完成させた。
発明品は学校の大会のような物で優勝を勝ち取り、人々から称賛された。
だが、突如として現れた謎の少女により世界は滅んでしまった。
また駄目だった。
俺はボタンを押してやり直した。
3回目は伝統ある学校の生徒だった。
残念ながらその時の自分は頭が悪く、補習を目的とした部活に入れられてしまった。
だが状況を同じにした4人と一緒にこの状況の脱出を図っていた。
この学校の生徒会長の一人の思惑を阻止し、さらにクーデターを図る人物の陰謀を止めることが出来た。
この学校に恨みを持つ者達とも和解し、今度こそ成功したと思った。
だが、分校のクソババアに殺された。
皆に少しでも俺に感情を持ってもらえて良かったが、これでは失敗である。
保険として死んだ場合に怪しい男にボタンを押してもらうように言っておいた。
俺は世界をやり直した。
今回は最初と同じ砂漠だった。
俺は最初の様な間違いはしない、先輩を死なせずに喧嘩別れもしなかった。
そうして過ごしていると、先輩も卒業し、後輩が入ってきた。
5人となった俺達は対策委員会を編成し、借金や復興の問題に取り組んだ。
だが一向に解決しない、高すぎる利子、定期的にくる砂嵐。
金なら解決出来たが、皆が許してくれなかった。
もうどうしようもない、俺は転生しようとボタンを押そうとした。
しかし、そんな状況を打破しようと1年の後輩が今話題になっている大人に手紙を送ったというのだ。
無論俺は反対し、もう一人の1年である後輩も俺に賛成し反対した。
そして大人...シャーレの先生が来てしまった。
認めたくはなかったが、先生を呼んだのは正解だっただろう。
俺が解決出来なかった問題がどんどん解決されていく。
借金元との問題、この地に眠る怪物、あの怪しい男が巡らせていた策略。
先生が居るならもう俺は要らないだろう。
そう思って俺はこの地を去ろうとした。
だが...
【クックックッ...先生、そしてアビドスの皆さん...いえ、カナトさんは違いますね】
【彼女を救えたから、それで終わったと思いましたか?】
黒服の男は不敵な笑みを浮かべる。
「カナトさんは貴方達の仲間ではありません、私達の仲間ですよ...クックックッ」
地雷を踏みやがった。
仲間なんかではない、強いて言うなら取引相手とかそういうくらいだ。
【では、私はお暇しましょうか...】
そう言って地雷をぶち抜いたアイツは去っていった。
俺は勿論と言うべきか、皆に詰められた。
どうしてあいつの仲間になったんだ。私達を裏切っていたのか。あんなにアビドスの為に尽くしていたじゃないか。とね。
俺は真実を言わなかった、それが皆の為だから。
でも、先生の言葉に俺は...耐えきれなかった。
"カナト...話してくれないかな、一緒に協力して、アビドスの為に頑張ってやった君がなぜ..."
一緒に協力?
「なぁ先生、あんたは転生したことがあるか?」
"転生?カナト、急にどうしたんだ"
「あんたは死んだことがあるか?仲間の死を見たことがあるか?大事な人が壊れていく姿を見たことがあるか!?」
俺は狂っていた、無論その姿に先生も委員会の皆も少し...
「俺は皆の為に何回もこの人生をやり直してるッ!なぁホシノ!?ユメ先輩はどうして生きていると思う!?」
俺は標的を先生から同級生に変えた、急に聞かれた彼女は戸惑っているようだ。
「元々死んでしまう運命だったんだ!俺は一回見たんだよッ!」
今さら言うのもなんだが...人の死を回避するのには本当に苦労したんだ。
「...はぁ、すまない先生、話が脱線した」
少し感情が高ぶってしまった、元々クールキャラで売っていたんだがな。
「で、世界の崩壊を見たことがあるか?」
"...世界の崩壊、だって?"
「そこの連邦生徒会長にでも聞くといい。いや、今の彼女はそんなこと知らないか」
先生の持っている端末が少し動いた気がする、何回貴方を見たと思っているんだ。
「俺は崩壊を回避するために少なくとも3回はやり直した、最初以外は酷い末路だったよ」
「だが先生、あんたならコンテニューなんかせず解決しちまうだろうな」
なぜだろうな?先生が動かす一手は全て俺が出来ない最善の一手になっちまう。
「だが、そんな事は残念ながら認められない」
「俺はもう世界の崩壊を止めない、この世界を終わらせる」
なぜだかわからないが、俺のヘイローが変わっていくのを感じる、観測など出来やしないのに。
「じゃあな、先生...俺はあんたを確実に潰す」
"ッ!?カナト、辞めるんだ!"
あぁ、会長から聞いたのか?このボタンのこと。
「すまんね」
ポチッ
俺はやり直した。
「はぁ...」
これで5回目だ。
「居るんだろ?黒服」
【おや、また押してしまったのですか?カナトさん】
「お前のせいだボケ」
何故だか分からないが黒服も転生前の記憶を維持している、多分...制作者だからだろう。
【それで、また世界を救うつもりで?】
「いや、もう飽きた」
飽きたというよりは呆れたと言うべきか
「俺なんかじゃなくてもいい、先生が全てやるだろ」
本当...腹が立つ。
「なら、俺は救世主にはならない」
【では、何をするのですか?】
「俺は先生を潰して、この世界を終わらせる」
【...クックックッ、貴方も変わりましたね!ですが今の方がとても興味を惹かれますよ!】
「なぁ黒服、お前は前の世界で俺の事を仲間って言っただろ」
【ええ、言いましたね...】
「お前の組織に入る、その方がこの世界の悪役になれる」
【ほう?貴方なら全員歓迎するでしょうね...では】
ようこそ、ゲマトリアへ
「黒服、本当に良いのか」
【はい?】
「先生の事だ、お前は先生を途轍も無く気にかけているだろ」
一応あのボタンの件で黒服とは少し話していた。
【ええ、私は先生を気に入っていますよ。無論死んでほしくなどはありませんね...ですが】
【今は貴方の方が興味を惹かれますよ】
「...そうか、まぁ俺は先生を殺しはしないから安心しろ」
【それは良かったです】
この作品はピノキオピーさんの転生林檎を聞きながらやっているので影響バリバリ受けてます