はじまりの錬金術士のアトリエ ~ 神様の贈り物 ~ 作:遊佐
夜の領域――
「まだまだ! もう一本!」
「ふええええ……」
「ぬ、ぬう……」
マリーの言葉に、ロロナとステルクが引き気味に二の足を踏んだ。
どうしてこうなっているかと言えば――
~ 回想 ~
「竜のつのとウロコを山ほど取りに行くよ!」
「いきなりなにー!?」
マリーはアトリエで宣言する。
「装備を刷新するにも、装飾品を作るのにも竜のつのとウロコが山ほどいります! なので取りに行きます!」
「ええー!?」
「大じょーぶ! 準瓶は万端! ほら」
と、見せたそこには、大量のメテオールとエリキシル剤の山だった。
「なんなのこれー!?」
「ありったけの素材で山ほど作りました。メテオールは今ある最大ダメージが出るようにしているよ! これ使ってれば全属性耐性の黒ドラゴンも十分倒せる!」
「えええー!?」
~ 回想終了 ~
「さあ、あと十本、いくよ!」
「待って待って待ってー! さすがにもう十本はきついよー!」
「まだまだ! 何のために探索装備をいいものにしたの!? 全員が付けてるウサギのシッポは飾りじゃないんだよ!?」
「確かに高品質なの山ほど出てるけどー!」
「さあ、どんどんいくよー!」
「ふえええええええええええええええええ」
そうしニ十日後――
「うう……ほ、本当に十回も……」
「さ、さすがにもう付き合えんぞ……」
「……ステルクさん、下手するとクビになりませんか?」
「わかっているなら、途中で止めんか!」
「無理ですよぉ! マリーちゃんを止められるなら、ステルクさんが止めてください!」
「な、なまじ善意100%の顔で言うから断りづらい……」
二人が、ふらふらになってアーランドの城門をくぐる。
「いやー! これで装備も経験値も万全だね! さっそく作るよー!」
一人元気なマリーであった。
「あ、ロロナは王国依頼やっててね。そっち終わったら、もういっかい夜の領域行くよ」
「し、暫くは休もうよ……」
「時間ないんでしょ? ほら、早く作って! 装備作るインゴットはこっちでやっとくから!」
「ふえええ……」
―――― ★ 神さまの贈り物 ★ ――――
「お、終わった……」
ロロナがソファーに突っ伏す。
メイン依頼は夜の領域探索ですでに終わっていたとはいえ、任意の依頼をこなしていたのだ。
「お疲れー! はい、プラティーンとスケイルクロスね。これでまず二人分の装備作ってきて」
「あうう……あ、明日にしない?」
「ダメー」
「うわあああああん!」
「あたしのはいいから、ロロナとスーくんのだよー!」
泣きながら出ていくロロナに声をかける。
「さてと……んじゃ、とっておきを作りますか!」
そう言ったマリーの顔はとても邪悪な……もとい、凄い顔をしていた。
―――― ★ 神さまの贈り物 ★ ――――
夜の領域――最奥部
その一番奥にぽつんと置かれた宝箱の前で、三人がそろっていた。
「さて、おそらく敵が出てくるからこれ付けてね」
「これは……盾?」
マリーが出してきたのは盾だった。
「スーくんは、この大きいの。ロロナはこの中ぐらいのね」
「スーくん言うなと……というか、私は盾を使わんぞ」
「大丈夫。これ、浮くから」
「は?」
「いいからまず持って。はい」
ステルクが盾を受け取ると、マリーが認証、と言う。
すると、ステルクの持つ盾がふわっと浮いた。
「な!?」
「名付けて遠近自在盾! 持たなくても自動で守ってくれる盾だよ」
「な、なんと……」
「すごーい!」
ロロナとステルクが目を丸くする。
「スーくんのヒーターシールドは、物理防御重視。ロロナのは平均的なラウンドシールド。あたしのは属性防御重視のバックラーだよ。これ、裏にある円盤が本体だから」
「あっ、ひかる円盤!」
「そう。いろいろ詰め込んだんだけど、形的にはそれが一番かな、って。盾につけかえれば他の盾にも使えるしね」
「なんと……」
「主効果は浮遊と盾強化と自動防御。ちなみに、盾周辺にバリアが出るようになってるから、装備者ごと守るようになってる。これがあればブレス以外は怖くないよ。ただ、改良の余地がまだまだあるんだよねえ」
「ど、ドラゴンが雑魚になるな……」
「んで、こっちが竜のお守り」
そう言って出してきたのは、竜をかたどったお守りだった。
「これは、エンゼルチャームを竜の力で強力にしたものだよ。時間がないので普通品質だけどね」
「ええええええ!?」
「ちなみに竜の力と戦闘不能回避がついてるよ。もっと高品質ならさらに何かつけれたね」
「………………」
もはや二人とも声が出ない。
「さて。あたしの武器も強化したし……」
「え!? まだあるの!?」
「竜のつのを使った、爆弾投げるくん13号です! じゃん!」
そう言ってマリーは、強化されたパチンコを出す。
「防具はいまいちだったので今回はパス。でも、攻撃力がほぼ二倍になったよ!」
「なんか……ボスがかわいそうになってきた」
「さあ、何が出ても勝てるよ! どっからでもかかってきんさい!」
マリーが叫ぶ。
ちなみにボスはデーモンだったが、何もできずに終わった。
うん、君は泣いていい。
データです。
遠近自在盾(未完成品) 浮遊(自動防御) 防護フィールド(防御力追加付与) 普通品質(最高品質だと被ダメージHP還元・大)
盾の性能によって効果が変わる ただし弱点あり(その詳細は次回)
防御+70 物理ダメージ軽減・超 (ヒーターシールド)
防御+50 物理ダメージ軽減・中 属性ダメージ軽減・中(ラウンドシールド)
防御+30 物理ダメージ軽減・小 属性ダメージ軽減・大(バックラー)
竜のお守り 普通品質 (最高品質だとMP回復・超)
竜の力 状態異常耐性(無効化) 神の奇跡たる行い 一撃必殺耐性 戦闘不能回避・極
爆弾投げるくん13号(強化パチンコ) 攻撃力20+弾(通常攻撃は10 アシストは20 必殺技は全範囲攻撃50)速度+5 良品質で攻撃力+5
マリー無双と副題付けたいです。
遠近自在盾のイメージは、ユニコーンガンダムの3枚のサイコシールドを思い浮かべてください。
一見強力ですが、実は弱点ありありです。
というかお守りだけでも、マキナ領域でもいけるんじゃ……
ちなみに現在のマリーは特性まで手が回ってません。なので、マリーが作る装備は全部『素の能力』です。
というか特性をつけたらさらに……となりますが、マリーはがさつでずぼらなのでそこまでやりません。(爆弾は別です、というか魔改造しまくります)
ただ、ロロナが改造すると……
~ お知らせ ~
暫く仕事で書くことができません。
多分次は一週間以上遅れるかと思います。