はじまりの錬金術士のアトリエ ~ 神様の贈り物 ~   作:遊佐

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とある会社の人事課の前
「絶対に嫌です!」
上司の魂からの叫びを聞いた記念投稿


12

―― 今でない時 ここでない場所 ――

 

 

 

――おかしい

――彼女がいない

――迎えに行ったはずなのに

――戻ってきたらいなかった

――どこにも彼女がいない

――なら……

 

いいだろう

 

 

 

   ―――― ★ 神さまの贈り物 ★ ――――

 

 

 

「できたー!」

「おお。おめでとう!」

 

ロロナがアトリエで声を上げ、マリーがぱちぱちと拍手する。

 

「どう? どう?」

「ちょっとまってね……どれどれ」

 

ロロナが渡してきた賢者の石を、マリーが受け取る。

いろいろとこねくり回し、状態を確認した後にうん、とマリーが頷いた。

 

「間違いなく本物だよ。ロロナ」

「やったー!」

「なんだ、なんだ。騒がしいな」

 

そこにアストリッドが部屋から出てきた。

 

「あ、師匠師匠! できました!」

「なにがだ?」

「賢者の石です!」

「……は?」

 

アストリッドが目を丸くする。

 

「お、お前が作っただと? マリーでなくか!?」

「そうです! 私が作りました!」

 

驚くアストリッドの前で、笑顔のロロナがえへんと胸を反らす。

と、アストリッドがマリーを見て――

 

「……言っとくけど、レシピはあたしが教えたわけじゃないよ。参考書を基にロロナが一から作ったの」

「大変でした! マリーちゃんには属性についてのヒントはもらいましたけど」

「本当にロロナが……」

 

アストリッドが、ロロナが見せてきた賢者の石を見て目を細める。

 

「そうか……ロロナ」

「はい!」

「よくやった」

「はい!!」

 

アストリッドの言葉に元気よく答えるロロナ。

その笑顔は、ここ数年で最高の笑顔だった。

 

 

 

   ―――― ★ 神さまの贈り物 ★ ――――

 

 

 

「「「 かんぱーい!! 」」」

 

イクセル食堂――

ロロナは友人を全員集めて、パーティをしていた。

 

「急にみんなでお祝いというから何かと思えば。この石を作ったのがそんなに凄いことなの?」

「すごいことなんだよ、くーちゃん! 錬金術士としては!」

「お、おめでとうございます!」

「ありがとう、りおちゃん!」

 

ロロナ、クーデリア、リオネラが三人で喜び合う。

 

「やれやれ……これはもう無理だね。まあ、わかってたことだけど」

「ん? 何か言ったか?」

「何でもないよイクセル君。おかわりを頼めるかい」

「あいよ」

 

タントリスが、カウンターでその様子を見て苦笑する。

イクセルは、おかわりを注ぎながら料理を用意してと大忙しだ。

 

「ふむ。なにかよくわからんが、ロロナ君が偉業を達成した様だな」

「ジオ様……あなたが知らないはまずいでしょうに」

「元々賢者の石の発注は大臣からですしねぇ……あの大臣もできるとは思ってなかったんでしょうけど」

「本来は数か月後の依頼のはずだったんです。それを焦った本人が繰り上げまして」

「あやつめ……」

「まあ、もう終わったことですよ」

 

ジオとステルクとエスティが、ぼそぼそと話す。

 

「マリーしゃあああああ! わたしは、わたしはうれしいぞおおおおおお!」

「うきゃあああああああ! 頬ずりすんなー!」

「「 グランドマスターが仮マスターを襲っています 」」

 

アストリッドがこれ幸いとマリーに抱き着き、マリーが身の毛もよだつと叫ぶ。

ホム達は、給仕をしながらその様子を端的に言葉にした。

 

「というか、マリー君。ロロナには……」

「ほ、本当にロロナの力だけで作った、よ!」

 

そう言ってアストリッドを強引に離すマリー。

 

「ふう……ロロナはあたしの錬金術を見て、いつもよりも必死になっていたからね。多分アンタの放任教育との相乗効果で、普段よりも熱心に勉強した成果だよ」

「そうか……」

「高みを近くで見せるなんて、アンタがやればいいだろうに」

「それではロロナの為にならん。私ではアイツが甘えてしまう」

「アンタは、考えなしなのか考えすぎているのかいまいちわかんないねェ……」

「そういう意味では、マリー君が来てくれたのは本当に感謝している。だからお礼のチュー!」

「だあああああ! やめーーーーーーーーーー!」

 

イクセル亭はお祭り騒ぎだった。

貸し切りにしたその店の中で、誰もが浮かれ、騒ぎ、笑っていた。

 

だからこそ気づかなかったのである。

ロロナの作った賢者の石が――淡い光が浮かんで、徐々に溢れ出していることに。

 

 

 

   ―――― ★ 神さまの贈り物 ★ ――――

 

 

 

「……? ロロナ」

「なーにー? くーちゃん!」

「アンタの作った賢者の石って、光って浮くの?」

「え?」

 

初めに気づいたのはクーデリアだった。

その言葉にロロナが賢者の石を見る。

賢者の石は、淡い光を出しながら浮かんでいた。

 

「な、なにー!?」

 

ロロナの驚きの声に、参加者は皆振り向く。

と、賢者の石がまばゆく光りだした。

 

「「「「「「 うわっ! 」」」」」」

 

しばらく目を焼くような閃光の後。

どさっ、という音とともに何か重いものが落ちる音がした。

 

「なんなのー!?」

「目が……目が……」

「あううう……」

 

皆が光に目がくらんで目をこする。

そして――

 

「……え? だ、誰?」

 

リオネラが最初に気づいた。

その場にいる者に。

 

賢者の石があった場所――

そこには小さな男の子が倒れていた。

 

「え……え?」

「男……の子?」

「おいおい! なんだよ、これ!」

「ロロナ! あんた、あの石がこうなるの知ってたの!?」

「し、しらないよお! というか、こんな効果なんて賢者の石にはないよぉ!」

 

皆が騒ぎ出す中、アストリッドが呟く。

 

「今のは……まるでホムを作った時の創成の光?」

 

そして隣にいたマリーは絶句していた。

なぜなら――その男の子の顔に面識があったのである。

 

「な、なんで……」

「仮マスター、どうしましたか」

 

目を見開くマリーにホムちゃんが声をかける。

マリーはただ一言、口に出した。

 

「クライス・キュール……」




すっかり忘れてました。こちらが本当のデータです。

遠近自在盾 浮遊(自動防御) 防護フィールド(防御力追加付与) 普通品質(最高品質だと被ダメージHP還元・大)
盾の性能によって効果が変わる 弱点あり(範囲多段攻撃(属性ダメージ含む)には無効 攻撃でなく阻害系『アイテム』を食らうと機能停止)
防御+70 物理ダメージ軽減・超 (ヒーターシールド)
防御+50 物理ダメージ軽減・中 属性ダメージ軽減・中(ラウンドシールド) 
防御+30 物理ダメージ軽減・小 属性ダメージ軽減・大(バックラー)

さて……とりあえずうちには来ないけど、いつまで持つかな?(意味深)
あ、ちなみに更新はもうちょっとかかります。GW前に余裕ができるかな……でもGWは出勤が確定なんだよなぁ
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