はじまりの錬金術士のアトリエ ~ 神様の贈り物 ~ 作:遊佐
「絶対に嫌です!」
上司の魂からの叫びを聞いた記念投稿
―― 今でない時 ここでない場所 ――
――おかしい
――彼女がいない
――迎えに行ったはずなのに
――戻ってきたらいなかった
――どこにも彼女がいない
――なら……
いいだろう
―――― ★ 神さまの贈り物 ★ ――――
「できたー!」
「おお。おめでとう!」
ロロナがアトリエで声を上げ、マリーがぱちぱちと拍手する。
「どう? どう?」
「ちょっとまってね……どれどれ」
ロロナが渡してきた賢者の石を、マリーが受け取る。
いろいろとこねくり回し、状態を確認した後にうん、とマリーが頷いた。
「間違いなく本物だよ。ロロナ」
「やったー!」
「なんだ、なんだ。騒がしいな」
そこにアストリッドが部屋から出てきた。
「あ、師匠師匠! できました!」
「なにがだ?」
「賢者の石です!」
「……は?」
アストリッドが目を丸くする。
「お、お前が作っただと? マリーでなくか!?」
「そうです! 私が作りました!」
驚くアストリッドの前で、笑顔のロロナがえへんと胸を反らす。
と、アストリッドがマリーを見て――
「……言っとくけど、レシピはあたしが教えたわけじゃないよ。参考書を基にロロナが一から作ったの」
「大変でした! マリーちゃんには属性についてのヒントはもらいましたけど」
「本当にロロナが……」
アストリッドが、ロロナが見せてきた賢者の石を見て目を細める。
「そうか……ロロナ」
「はい!」
「よくやった」
「はい!!」
アストリッドの言葉に元気よく答えるロロナ。
その笑顔は、ここ数年で最高の笑顔だった。
―――― ★ 神さまの贈り物 ★ ――――
「「「 かんぱーい!! 」」」
イクセル食堂――
ロロナは友人を全員集めて、パーティをしていた。
「急にみんなでお祝いというから何かと思えば。この石を作ったのがそんなに凄いことなの?」
「すごいことなんだよ、くーちゃん! 錬金術士としては!」
「お、おめでとうございます!」
「ありがとう、りおちゃん!」
ロロナ、クーデリア、リオネラが三人で喜び合う。
「やれやれ……これはもう無理だね。まあ、わかってたことだけど」
「ん? 何か言ったか?」
「何でもないよイクセル君。おかわりを頼めるかい」
「あいよ」
タントリスが、カウンターでその様子を見て苦笑する。
イクセルは、おかわりを注ぎながら料理を用意してと大忙しだ。
「ふむ。なにかよくわからんが、ロロナ君が偉業を達成した様だな」
「ジオ様……あなたが知らないはまずいでしょうに」
「元々賢者の石の発注は大臣からですしねぇ……あの大臣もできるとは思ってなかったんでしょうけど」
「本来は数か月後の依頼のはずだったんです。それを焦った本人が繰り上げまして」
「あやつめ……」
「まあ、もう終わったことですよ」
ジオとステルクとエスティが、ぼそぼそと話す。
「マリーしゃあああああ! わたしは、わたしはうれしいぞおおおおおお!」
「うきゃあああああああ! 頬ずりすんなー!」
「「 グランドマスターが仮マスターを襲っています 」」
アストリッドがこれ幸いとマリーに抱き着き、マリーが身の毛もよだつと叫ぶ。
ホム達は、給仕をしながらその様子を端的に言葉にした。
「というか、マリー君。ロロナには……」
「ほ、本当にロロナの力だけで作った、よ!」
そう言ってアストリッドを強引に離すマリー。
「ふう……ロロナはあたしの錬金術を見て、いつもよりも必死になっていたからね。多分アンタの放任教育との相乗効果で、普段よりも熱心に勉強した成果だよ」
「そうか……」
「高みを近くで見せるなんて、アンタがやればいいだろうに」
「それではロロナの為にならん。私ではアイツが甘えてしまう」
「アンタは、考えなしなのか考えすぎているのかいまいちわかんないねェ……」
「そういう意味では、マリー君が来てくれたのは本当に感謝している。だからお礼のチュー!」
「だあああああ! やめーーーーーーーーーー!」
イクセル亭はお祭り騒ぎだった。
貸し切りにしたその店の中で、誰もが浮かれ、騒ぎ、笑っていた。
だからこそ気づかなかったのである。
ロロナの作った賢者の石が――淡い光が浮かんで、徐々に溢れ出していることに。
―――― ★ 神さまの贈り物 ★ ――――
「……? ロロナ」
「なーにー? くーちゃん!」
「アンタの作った賢者の石って、光って浮くの?」
「え?」
初めに気づいたのはクーデリアだった。
その言葉にロロナが賢者の石を見る。
賢者の石は、淡い光を出しながら浮かんでいた。
「な、なにー!?」
ロロナの驚きの声に、参加者は皆振り向く。
と、賢者の石がまばゆく光りだした。
「「「「「「 うわっ! 」」」」」」
しばらく目を焼くような閃光の後。
どさっ、という音とともに何か重いものが落ちる音がした。
「なんなのー!?」
「目が……目が……」
「あううう……」
皆が光に目がくらんで目をこする。
そして――
「……え? だ、誰?」
リオネラが最初に気づいた。
その場にいる者に。
賢者の石があった場所――
そこには小さな男の子が倒れていた。
「え……え?」
「男……の子?」
「おいおい! なんだよ、これ!」
「ロロナ! あんた、あの石がこうなるの知ってたの!?」
「し、しらないよお! というか、こんな効果なんて賢者の石にはないよぉ!」
皆が騒ぎ出す中、アストリッドが呟く。
「今のは……まるでホムを作った時の創成の光?」
そして隣にいたマリーは絶句していた。
なぜなら――その男の子の顔に面識があったのである。
「な、なんで……」
「仮マスター、どうしましたか」
目を見開くマリーにホムちゃんが声をかける。
マリーはただ一言、口に出した。
「クライス・キュール……」
すっかり忘れてました。こちらが本当のデータです。
遠近自在盾 浮遊(自動防御) 防護フィールド(防御力追加付与) 普通品質(最高品質だと被ダメージHP還元・大)
盾の性能によって効果が変わる 弱点あり(範囲多段攻撃(属性ダメージ含む)には無効 攻撃でなく阻害系『アイテム』を食らうと機能停止)
防御+70 物理ダメージ軽減・超 (ヒーターシールド)
防御+50 物理ダメージ軽減・中 属性ダメージ軽減・中(ラウンドシールド)
防御+30 物理ダメージ軽減・小 属性ダメージ軽減・大(バックラー)
さて……とりあえずうちには来ないけど、いつまで持つかな?(意味深)
あ、ちなみに更新はもうちょっとかかります。GW前に余裕ができるかな……でもGWは出勤が確定なんだよなぁ