はじまりの錬金術士のアトリエ ~ 神様の贈り物 ~   作:遊佐

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休み中は連続投稿です。


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オルトガラクセン――

 

「あーはっはっは! どうしたの、クライス? それでもマイスタークラスのトップで、アカデミーの校長だった男?」

「くっ……ま、まだ、まだです!」

「あわわわわ……」

 

最下層にて高笑いするマリーを前に、悔しがるクライスと慌てるロロナがいた。

なぜこうなったかと言えば――

 

   ―――― 回想 ――――

 

「って、違います!」

 

バン、とアトリエのドアが開く。

そこにいたのはクライスの姿だった。

 

「あ、いらっしゃーい」

「お邪魔します、ロロナさん……じゃない! マルローネ! マルローネはいますか!?」

「うっさいなぁ……あたしがなんだってのよ」

 

騒ぐクライスに、さも面倒くさそうに出てくるマリー。

 

「何平然としているんですか! 元に戻る方法とか元の場所に戻る模索とか、考えることが山のようにあるでしょう!」

「アンタこそ何言ってんの? 元に戻る方法って死体に戻りたいんかい?」

「ぐっ……いえ、そういうことではなく」

「そもそも元の場所に、って無理に決まってんでしょうが。そう言ったでしょうに」

「しかしですね……」

「ああ、もううっさい! こっちは最後の王国依頼で立て込んでるって言うのに! しまいにゃ殴るわよ!」

 

煮え切らないクライスに、マリーがブチ切れる。

 

「い、いや、そうでなく、もっとこう、あるでしょう? 調査とか」

「マジでうっさい! そんなこと、あたしがやってないとでも思ってんのか! 全部やった上でむりって言ってんの! アンタはホントに自分の考えばかりで物事を理解しない! これだからクライスは!」

「な……言いすぎでしょう! 私は実績と証拠を揃えて検討をするべきだと……」

「うるさいうるさい、うるさーい! ああもう! あったまきた! クライス! あんたと勝負するわよ!」

「はあ!?」

 

   ―――― 回想終了 ――――

 

「と、いうわけです……」

「なんとまあ」

その場にいたのは、見届け人兼護衛として連れてこられたジオである。

 

「ほらほら、どうしたの? アンタの為に装備もいいものにして盾も外して同格にしてあげているというのに、そんなものですか、校長セ・ン・セ」

「まだ! まだです! 私とてフィールドワークはちゃんとしていたのですから! サンダースペル!」

「はっはっは! ぬるい、ぬるーい!」

 

クライスの攻撃に、平然と耐え抜くマリー。

 

「おや? マリー君の装備は、属性攻撃に弱かったはずでは?」

「はい……でも、素の能力が違いますから」

「レベル差か……まあそればかりはどうしようもないな」

 

ジオの言う通り、マリーは最初から最後まで物理攻撃だけで攻撃している。

そして完勝した。

 

「びぃくとりー!」

「くう……」

「レベルを上げて出直してきな!」

「くっ! こ、今回は勝ちを譲りますが、次回は必ず勝ちますよ!」

「はっはっはー! おとといおいで!」

 

マリーの高笑いに、悔しがって地団駄を踏むクライス。

なお、間違えそうだが、身長は5歳児なのである。

端から見れば、幼児の喧嘩でしかない。

 

「やれやれ……そういえば、ロロナ君。王国依頼は進んでいるかね?」

「あ、はい。今制作中です」

「ほほお。あの盾を出すのではなかったのか」

「はい。私たちの集大成になるモノを作成しています……あ、そうだ!」

「ん?」

 

ふと思いついたロロナに、ジオが首をかしげる。

 

「ジオさん。実は提出するものなんですが……」

 

ロロナがジオにこしょこしょと話す。

それは秘密のお話――

 

 

 

   ―――― ★ 神さまの贈り物 ★ ――――

 

 

 

「「 お帰りなさいませ、マスター 」」

「ただいまー」

「んーさてと。んじゃ続きを作ろうか」

 

マリーが作業台に向かう。と――

 

「ねえ、マリーちゃん」

「ん?」

 

ロロナがマリーへと話しかけてきた。

その表情は――真剣な顔だった。

 

「マリーちゃんは……王国依頼が終わったらどうするの?」

「んー……」

 

手を止めて考えるマリー。

やがて、ロロナを見据えた。

 

「もうあたしが教えることはほとんどないし、あたしは旅に出ようかと思ってる」

「……やっぱりそうなんだ」

「やっぱり?」

「あの盾、未完成だって言ってたでしょ? 新しい素材がないと完成しないって」

「そうだね」

「だから、きっとマリーちゃんは、他の土地に行きたがるんじゃないかなって」

「そっか」

 

マリーは手に持っていたものを置き、ロロナに向き直る。

 

「今までありがとうね、ロロナ。見ず知らずのあたしをアトリエに置いてくれた恩は忘れないよ」

「ううん。私こそ……私こそありがとう。マリーちゃんのおかげで、私は一人前の錬金術士になれたよ」

「……そっか。じゃあお互い様だね」

「うん。お互い様だよ」

 

そう言って二人で笑い合う。

 

「ロロナはどうするの? アトリエ続けていく?」

「うーん……まだ悩んでる。けど、多分方向性は見えてるかな」

「そっか。どんな道を選んでも、あたしは応援するよ」

「ありがとう」

 

ロロナが手を差し伸べる。

マリーはやわらかい顔で、そのロロナを見つめて。

 

その手を握り返したのだった。




投稿する段になって誤字脱字が多数……なんで一文全部カタカナとかそのままにしてたんだろう?
深夜のテンションだったのかなあ……
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