はじまりの錬金術士のアトリエ ~ 神様の贈り物 ~ 作:遊佐
GW中は仕事で出張です。
なので感想返しもできません。ごめんなさい。m(--)m
アーランド王国、12月下旬――
今日は最後のアトリエへの依頼の最終日である。
「――きたか」
ステルクが万感の思いを込めて、ロロナとマリーを迎えた。
「はい! 準備はできました!」
「ばっちしだよ!」
ロロナとマリーはにこやかに笑う。
ステルクは、ふっと笑い、頷いた。
「では、行こうか。王の元へ」
―――― ★ 神さまの贈り物 ★ ――――
「大儀である!」
王の間にて。
満面の笑みを浮かべたジオが、マリーとロロナの前で叫んだ。
その横には貴族の面々と――苦虫を噛み潰したような顔の大臣もいた。
「アトリエへの3年にも及ぶ依頼を達成したことを、このルードヴィック・ジオバンニ・アーランドの名において宣言する! よくぞ果たした!」
「……そんな名前だったんだ」
「あたしはともかく、ロロナが知らないってどうなのよ」
びっくりしているロロナに苦笑するマリー。
「加えてアトリエの存続を認めるものとする!」
「お、おまちを!」
と、そこに大臣が声を上げる。
「またか……なんだ、メリオダス」
「さ、最後の依頼においては物納がされておりませぬぞ!」
「ああ。それか」
「物納も達成依頼になっておれば、これは無効ではありませぬか!」
「ふむ。私が認めると言っても、今回は認めるようなお前ではあるまいな……よかろう!」
ジオはそう言って、二人に向き直る。
「では、最後の依頼……錬金術の集大成を見せてもらうとしよう! 全員、テラスへ出よ!」
―――― ★ 神さまの贈り物 ★ ――――
その場にいた全員がテラスへと出ると――
「準備と周知は良いな?」
ジオはその場にいた騎士たちに声をかける。
「は!」
ステルク以下、多くの騎士たちが礼をして跪く。
「では、始めたまえ!」
「御意!」
そしてステルクが手を上げる。
その合図と共に鐘が鳴らされた。
「よし、二人ともいいぞ!」
「「 はい! 」」
ステルクの言葉に、二人が元気よく答えた。
「よっしゃ! まずは……夜をつかさどるモノ!」
マリーが箱状の小さな物体を天にかざす。
その箱がキラキラと輝き、空へと昇っていく。
と――
世界に夜が訪れた。
「な!?」
メリオダスが驚く。
「こいつは人工的に夜の領域を作り出すものだよ。効果時間は半日と短いけどね」
マリーが、えへんと胸を張る。
そして――
「よし、いくよ! 夢をつかさどるモノ!」
ロロナが掲げた、小さな卵。
その卵が二つに割れると、虹色の光が空一面へと広がっていく。
そして――
そこに現れたのは光のパレードだった。
「「「「「 なっ!!!! 」」」」」
貴族たちとメリオダスが驚く。
そしてどこからか聞こえてくる軽快な音楽。
それにあわせて光の粒がぬいぐるみや乗り物、魔女や幻獣たちへと変わり、空一面に飛び出した。
「これは……」
光の粒で出来た妖精が、皆の元へと集まってくる。
1人の貴族が触れようとするが、スルっと手を透過して離れた。
「幻……なのか?」
「いや、だが……」
別の貴族の目の前に来た妖精が、ぺこりと礼をして手を振って去っていく。
まるで意思のあるかのように振舞う姿に、貴族は幻であるのが信じられなかった。
「さあ、ライトシャワーだ!」
マリーが叫ぶとともに、王都のあちこちから火の玉が打ち上げられ――
盛大な花火となって花開いた。
「これが私たちの3年間の成果――夢のパレードです!」
「おお……!」
ジオがその光の乱舞に感嘆の声を上げる。
いや、ジオだけではなかった。
貴族も騎士も――そして大臣であるメリオダスも。
その見事な光のパレードに目を奪われている。
「ロロナ!」
「マリーちゃん!」
「「 やったね! 」」
二人は手を叩いて笑い合った。
―――― ★ 神さまの贈り物 ★ ――――
「――見事だ」
アトリエの前で空を見上げながら、アストリッドは呟いた。
その横には、大荷物を持つ男性型のホムがいる。
そしてアトリエの玄関には、女性型のホムが立っていた。
「どうしても行くのですか、グランドマスター」
「うむ。もはや私も師匠は卒業だ。その座はマリーに任せたからな」
「そうですか」
「お前はロロナについていけ。こっちのホムは私が荷物持ちに使うからな」
「わかりました。グランドマスターをお願いします、ホム」
「了解しました、ホム。グランドマスターを護衛します」
男性型と女性型が抑揚のない声で互いに頷き合う。
その様子を見ていたアストリッドは、ふっと笑った。
「やはりまだまだ改良の余地があるな……マリーのように自我意識の拡張と、思考・発露できるホムンクルスという私の新しい目標もできた。私は、私の旅を始めるとしよう」
アストリッドはそう言って歩き出した。
「本当ならロロナを助けたら旅に出ようとしていたのに、アイツに捕まって数年。まあ悪いものではなかった。そして私は、新しい目標であるマリーという存在にも出会えた。実に僥倖だった。彼女に会わなければ、私は膿んでいたかもしれん」
そう言って再度、空を見上げる。
そこには光に溢れた幻想の世界が広がっていた。
「完全なるホムンクルス……いや人間の創造、か。まさかオルトガラクセンで見つけた生命の水の種から数年、人生の目標まで見つけるとはな。世の中はわからん……だが、だからこそ面白い」
そうして彼女は歩き出す。
「悪いがロロナ。精製に成功した水と残りの種は私が全部もらっていくぞ。だが、廉価版や未完成品は残しておいてやる。それをどう使うかはロロナに任せよう。なに、マリーという完成品がいるのだ。お前ならすぐにたどりつけよう」
周りの皆が空の光に目を奪われる中、彼女は笑った。
「さて。私も今日から師匠でなく一人の錬金術士だ。まだまだ挑戦者として真理に挑むとしようか」
錬金術を極めたとされていたアルケミーマイスターは、一人の挑戦者として。
アーランドを去るのだった。
題名は空に舞うエレク〇リックパレード……はさすがにどうかと思ったので。
まあアーランド中を巻き込んだ幻想の一夜の夢ってことです。
ちゃんと民には周知してますのでご安心を。
GWに出張とかクソかよとか4月当初は思っていましたが、今はグッジョブと思っています。
今会社にいても面倒ごとになるのが確実なので……ふっふっふ。