はじまりの錬金術士のアトリエ ~ 神様の贈り物 ~   作:遊佐

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ツェツィの妄想――
一緒にご飯食べて、一緒にお風呂入って、一緒に寝て、一緒に服着て、一緒にお散歩して……
うん、原作でやってたな。そしてエリーはピアニャの半分くらいの年齢です。


5

「うにゃあ……」

「ご、ごめんなさい! つい、その、かわいくって……」

 

今のテーブルで精魂尽き果てたエリーと、焦ったように謝るツェツィ。

 

「……すごくびっくりした。お姉ちゃんが壊れるのは初めて見た」

「いや、その……む、昔のトトリちゃんを思い出して、ね。あんまりかわいくて……つい」

「……そういや、エリーちゃんのような年齢の子は村にいないもんねぇ」

 

10歳ぐらいの女の子はいるが、エリーの身長は6歳程度である。

 

「なんというか……村の子と違って垢抜けているのに、素朴でかわいくて。正直、こんな子が妹に欲しかったと思ったら止まらなくて」

「むうー! わたしだって妹なんだけど―!」

「ああ、ごめんね。そうじゃなくて……」

「い、いえ……いいんです」

 

はあと、息を吐いてエリーが頭を上げた。

 

「えと……改めまして。エルフィールと言います。その……」

 

と、エリーはトトリを見る。

自分からは言いにくいので、と視線を送ると、トトリは頷いた。

 

「実はね、お姉ちゃん。エリーちゃんなんだけど、暫くうちで面倒を……」

「採用!」

「見よう……はやっ!」

「いつまでもいていいからね、エリーちゃん!」

「え、あの……その」

「エリーちゃんは嫌いなものある? お魚食べれる? お肉の方がいい? ああ、苦いものはダメかな? 今日の献立を考え直さなきゃ!」

 

ほぼトトリをそっちのけで、バタバタと台所をうろつき回るツェツィ。

 

「………………」

「ご、ごめんね、エリーちゃん。お姉ちゃんがちょっと暴走しているみたいで」

「う、ううん。こちらこそ、ありがたいよ? ありがたいけど……」

「ああ、うん。ちょっと、ねえ」

 

トトリとエリーは、二人そろって台所を所狭しと動き回るツェツィを見て、溜息をついた。

 

 

 

   ―――― ★ 神さまの贈り物 ★ ――――

 

 

 

「どお? エリーちゃん」

「はい、すごくおいしいです。ツェツィさん」

「よかったぁ! まだまだあるからどんどん食べてね」

 

ツェツィがにこやかに笑って、料理を持ってくる。

その様子に、トトリは口を尖らせた。

 

「むう……エリーちゃんが受け入れられるのは良いんだけど、なんか複雑」

「ごめんね、トトリ……」

「ああ、エリーちゃんが悪いんじゃないよ。原因は全部お姉ちゃんだし……」

 

はあ、と溜息をつくトトリ。

と――

 

「おやおや、今日は豪勢だな」

「あ、お父さん。今日は普通に帰ってきたね」

「普通っていつも普通なんだが……おや? この子は?」

「あ、この子はエリーちゃん。今日からうちで住むの」

「それはそれは……」

「お、お邪魔してます」

 

ペコっと頭を下げるエリー。

 

「はい、よろしく。しかし、一応家長は私なんだが……もう決定なのかい?」

「うん、だめだった?」

「……とりあえず、ツェツィが受け入れている時点で、僕に発言権がないということはわかるよ」

「おじさん……」

 

トトリのお父さんのヒエラルキーを一瞬で悟ったエリーは、人知れず涙を誘った。

 

「はあ……まあいいや。ツェツィ、僕の夕飯は?」

「あ、台所にあるモノ適当に食べていいわよ、皿のは、エリーちゃんのだからね」

「……さすがにひどくないかな」

「なによ。食べたくなければ、ゲラルドさんの所で食べてくればいいじゃない」

「……いただきます」

「……ねえ、トトリ。ツェツィさんが……さすがにおじさんが可哀相すぎない?」

「そうかな? いつもこんなもんだよ?」

 

トトリの言葉に、さすがにどうかと思ったエリーが、溜息をつく。

 

「……おじさん。これ、どうぞ」

「え?」

「エリーちゃん! いいのよ? こんなダメ親父は適当に食べさせておいて。貴方はまだ小さいんだからいっぱい食べなきゃ!」

「ダメ親父……」

「いえ、その……みんなで食べる方が美味しいから。ツェツィさんもおじさんも一緒に食べませんか?」

「エリーちゃん……」

「………………」

 

エリーの言葉にばつが悪くなったツェツィは、改めて台所で皿に料理を盛る。

 

「……はい、お父さん。ごめんね……」

「ツェツィ……ありがとう。それと、きみ……」

「あ、エルフィールと言います。エリーと呼んでください」

「エリーちゃんか。ありがとう……娘が一人増えた気分だよ」

 

グイードは、小さなエリーの頭をなでる。

 

「いつまでもうちにいていいからね……」

「えへへ……はい」

「あ! お父さん! ずるい! エリーちゃん! 私も撫でさせて!」

「ちょ、まちなさい。今はお父さんの番……おわっ」

 

グイードとツェツィが、エリーをなでようともみくちゃになる。

 

「……お父さんにもお姉ちゃんにも受け入れられてよかったあ。けど……なんだろう、すっごい疎外感を感じるのは気のせいかなぁ?」

 

トトリはスプーンをかじりながら、目の前の喧騒に少し不貞腐れるのだった。




原作よりツェツィがグイードに冷たく感じるかもしれませんが、微妙に壊れている影響が残っていますので……
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