はじまりの錬金術士のアトリエ ~ 神様の贈り物 ~ 作:遊佐
一緒にご飯食べて、一緒にお風呂入って、一緒に寝て、一緒に服着て、一緒にお散歩して……
うん、原作でやってたな。そしてエリーはピアニャの半分くらいの年齢です。
「うにゃあ……」
「ご、ごめんなさい! つい、その、かわいくって……」
今のテーブルで精魂尽き果てたエリーと、焦ったように謝るツェツィ。
「……すごくびっくりした。お姉ちゃんが壊れるのは初めて見た」
「いや、その……む、昔のトトリちゃんを思い出して、ね。あんまりかわいくて……つい」
「……そういや、エリーちゃんのような年齢の子は村にいないもんねぇ」
10歳ぐらいの女の子はいるが、エリーの身長は6歳程度である。
「なんというか……村の子と違って垢抜けているのに、素朴でかわいくて。正直、こんな子が妹に欲しかったと思ったら止まらなくて」
「むうー! わたしだって妹なんだけど―!」
「ああ、ごめんね。そうじゃなくて……」
「い、いえ……いいんです」
はあと、息を吐いてエリーが頭を上げた。
「えと……改めまして。エルフィールと言います。その……」
と、エリーはトトリを見る。
自分からは言いにくいので、と視線を送ると、トトリは頷いた。
「実はね、お姉ちゃん。エリーちゃんなんだけど、暫くうちで面倒を……」
「採用!」
「見よう……はやっ!」
「いつまでもいていいからね、エリーちゃん!」
「え、あの……その」
「エリーちゃんは嫌いなものある? お魚食べれる? お肉の方がいい? ああ、苦いものはダメかな? 今日の献立を考え直さなきゃ!」
ほぼトトリをそっちのけで、バタバタと台所をうろつき回るツェツィ。
「………………」
「ご、ごめんね、エリーちゃん。お姉ちゃんがちょっと暴走しているみたいで」
「う、ううん。こちらこそ、ありがたいよ? ありがたいけど……」
「ああ、うん。ちょっと、ねえ」
トトリとエリーは、二人そろって台所を所狭しと動き回るツェツィを見て、溜息をついた。
―――― ★ 神さまの贈り物 ★ ――――
「どお? エリーちゃん」
「はい、すごくおいしいです。ツェツィさん」
「よかったぁ! まだまだあるからどんどん食べてね」
ツェツィがにこやかに笑って、料理を持ってくる。
その様子に、トトリは口を尖らせた。
「むう……エリーちゃんが受け入れられるのは良いんだけど、なんか複雑」
「ごめんね、トトリ……」
「ああ、エリーちゃんが悪いんじゃないよ。原因は全部お姉ちゃんだし……」
はあ、と溜息をつくトトリ。
と――
「おやおや、今日は豪勢だな」
「あ、お父さん。今日は普通に帰ってきたね」
「普通っていつも普通なんだが……おや? この子は?」
「あ、この子はエリーちゃん。今日からうちで住むの」
「それはそれは……」
「お、お邪魔してます」
ペコっと頭を下げるエリー。
「はい、よろしく。しかし、一応家長は私なんだが……もう決定なのかい?」
「うん、だめだった?」
「……とりあえず、ツェツィが受け入れている時点で、僕に発言権がないということはわかるよ」
「おじさん……」
トトリのお父さんのヒエラルキーを一瞬で悟ったエリーは、人知れず涙を誘った。
「はあ……まあいいや。ツェツィ、僕の夕飯は?」
「あ、台所にあるモノ適当に食べていいわよ、皿のは、エリーちゃんのだからね」
「……さすがにひどくないかな」
「なによ。食べたくなければ、ゲラルドさんの所で食べてくればいいじゃない」
「……いただきます」
「……ねえ、トトリ。ツェツィさんが……さすがにおじさんが可哀相すぎない?」
「そうかな? いつもこんなもんだよ?」
トトリの言葉に、さすがにどうかと思ったエリーが、溜息をつく。
「……おじさん。これ、どうぞ」
「え?」
「エリーちゃん! いいのよ? こんなダメ親父は適当に食べさせておいて。貴方はまだ小さいんだからいっぱい食べなきゃ!」
「ダメ親父……」
「いえ、その……みんなで食べる方が美味しいから。ツェツィさんもおじさんも一緒に食べませんか?」
「エリーちゃん……」
「………………」
エリーの言葉にばつが悪くなったツェツィは、改めて台所で皿に料理を盛る。
「……はい、お父さん。ごめんね……」
「ツェツィ……ありがとう。それと、きみ……」
「あ、エルフィールと言います。エリーと呼んでください」
「エリーちゃんか。ありがとう……娘が一人増えた気分だよ」
グイードは、小さなエリーの頭をなでる。
「いつまでもうちにいていいからね……」
「えへへ……はい」
「あ! お父さん! ずるい! エリーちゃん! 私も撫でさせて!」
「ちょ、まちなさい。今はお父さんの番……おわっ」
グイードとツェツィが、エリーをなでようともみくちゃになる。
「……お父さんにもお姉ちゃんにも受け入れられてよかったあ。けど……なんだろう、すっごい疎外感を感じるのは気のせいかなぁ?」
トトリはスプーンをかじりながら、目の前の喧騒に少し不貞腐れるのだった。
原作よりツェツィがグイードに冷たく感じるかもしれませんが、微妙に壊れている影響が残っていますので……