はじまりの錬金術士のアトリエ ~ 神様の贈り物 ~   作:遊佐

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今回のお話は独自解釈があります。
公式ではありませんのであしからず。


6

翌日、バーゲラルド――

 

「こんにちは~ゲラルドさん」

「おお、いらっしゃい、トトリ」

 

広いホールの奥にいた中年の男性が、トトリとエリーを出迎える。

 

「ほほう、その子が噂の子か」

「はい。エリーちゃんです!」

「よ、よろしくお願いします……」

「うん、よろしくな」

 

にかッと笑うダンディなおじさん。だが、エリーには効果がないようだ。

 

「……? どこかで聞いた声……?」

「ゲラルドさん。今日は何かお仕事ありますか?」

「いろいろあるぞ。錬金術系の依頼は、トトリしか受けないからな」

「うーん……とりあえず鉱石の依頼は手持ちがあるから出せるとして、後は調合アイテムかぁ」

 

討伐系依頼もあるが、そちらは他の冒険者でも達成は可能だ。

だからトトリは、村付きの錬金術士として錬金術で作れるアイテム納品を優先していた。

 

「ちなみに……エリーちゃんはこの中で出来るものある?」

「えーと……フラムはわかるけど、後は知らないアイテムだ」

「あ、やっぱりだいぶ違う?」

「……さすがに知らないアイテムはどうしようもないなぁ」

「そっか。まずは参考書を読んだ方がいいかもね」

 

さすがに全く知らないアイテムを作れますとはいかない。

 

「とりあず、フラムとドナーストーンの依頼は受けます。確か素材もあったので」

「わかった。期日までに頼むぞ」

「わかりました」

「ところで……ツェツィはどうした?」

「あー……」

 

トトリは目を逸らした。

 

「お、お姉ちゃんは今、絶賛エリーちゃんの服を作るために格闘していますね……」

「ああ……そのお嬢さんの服か。ならしょうがないが……せめて休むなら休むと連絡は欲しいものだな」

「ごめんなさい……」

「まあいい。今日は私だけで回すさ。では、依頼は頼んだぞ」

「はい!」

 

 

 

   ―――― ★ 神さまの贈り物 ★ ――――

 

 

 

「んで、こっちがパメラのお店。雑貨はバーでお姉ちゃんが売ってるけど、こっちは錬金術に関係したような品が多いかな」

「ふむふむ……」

「こんにちはー!」

「は~い、いらっしゃ~い!」

 

奥にいた髪の長い女性がにこやかに挨拶してくる。

 

「パメラさん。今日からうちで住むことになったエリーちゃんです」

「よろしくお願いします」

「まあ~まあまあまあ! かわいい~わねぇ~!」

 

エリーを見て、にこやかに興奮するパメラ。

そんなパメラを見て、エリーは何か違和感を感じた。

 

「……?」

「パメラさん。今日はエリーちゃんの紹介と、量販店のことを聞きに来ました」

「あらあら~なにかしら?」

「量販店ってどうやってアイテムを複製しているんです?」

「え~……うーん。本当はお店の人にしか、いっちゃいけないんだけど~」

 

パメラは困ったわ~といった感じで首をかしげる。

 

「あ、内緒なんですね。なら……」

「でも、トトリならいいかしらね~」

「……いいんですか?」

「いいわよ~。というか、トトリにも関係あることだし~」

「ええ……?」

 

トトリは目をぱちくりとする。

 

「量販店には審査があってね~。その審査に合格すると、冒険者ギルドからアイテムが貸し出されるのよ~」

「アイテム?」

「そう。うちには奥にあるわ~。ちょっといらっしゃい~」

 

そうして奥に行くと、箱型の上下に分かれた棚があった。

 

「これがその複製する装置よ~。これを……」

 

上の箱にドナーストーンを入れて、水色の素材を別の入り口から注ぐ。と――

 

「はい、複製完成~」

「おおー!」

 

出てきたのはまごうことなきドナーストーンであった。

 

「そしてこれを専用の箱で保管するのよ~」

「専用の箱……」

「これよ~」

 

示してきたのは何とコンテナであった。

 

「……これ、家にあるコンテナと同じだ」

「容量は小さいけど、この中に入れておくと時間による劣化がないから便利よねえ」

「え? 劣化しないんですか!?」

「そうよ~」

「すごい……」

 

トトリは目を丸くする。エリーはコンテナを見て考え込んでいる。

 

「エリーちゃん?」

「……これ、錬金術士が作った物ですね」

「え?」

「そうみたいね~」

「ええ!?」

 

トトリが驚く。エリーは考えながらぶつぶつと呟いた。

 

「多分、この装置もコンテナも元あるやつから『複製されて』貸し出されているんじゃないかな。ということはオリジナルは、冒険者ギルドにあるってことだね」

「ふええ……」

「せいかーい」

 

エリーの考察に、トトリは驚き、パメラはにこやかに肯定した。

 

「この素材……ああ、なるほど。へえ……」

「え? え? なに?」

「となると……ランク? パメラさん、この素材の補充ってどのくらいの頻度です」

「補充は十日に一回ねえ」

「代金も?」

「そうねえ。補充されると代金の紙が出てくるので、次の補充の時に回収されるようになってるわぁ。出さないと審査取り消しねえ」

「なるほど……」

「わ、わかんないよー! なにー?」

 

エリーとパメラの応対に、トトリが声を上げる。

 

「ああ、ごめんね、トトリ。この複製素材の素材、ぷにぷに玉ってこと」

「ええ?」

「もちろんそのままでなく、何らかの加工されているようだけど……それを複製するアイテムのランクに合わせた素材にしてる。で、そのランクに合わせた素材を入れると複製できるみたい」

「ランク……」

「例えばこのドナーストーン? これは低品質の物を使っているけど、もっと高度なものは高品質のものを使わないと複製できないってこと」

「この上の所にアイテムを入れるとランクが出るのよ~。後はそれに合わせた素材を入れればできるの。けど高いものは素材も高いし量も多いから、どうしても売値も高くなっちゃうのよねぇ」

「ふええ……そういう構造だったんですね。知らなかった……」

「……この素材を入れる瓶もすごいね。上の方は時空間に連結しているから、冒険者ギルドから直接送られているみたい」

「ええ!? そんなにすごいの!?」

「……多分これ作った人は、マイスタークラスどころじゃないね。世界で一二を争う……もしかして、これマリーさんが作ったの?」

「ちがうわよ~。これ作ったのは、アストリッドだって聞いているわ~」

「アストリッド? それって……」

「ロロナの先生よ~」

「ええ? 先生の先生!?」

 

衝撃の事実に驚きの連続だ。

 

「詳細は冒険者ギルドで聞いてちょうだ~い。クーデリアちゃんなら詳しく知ってるから~」

「あ……はい」

「ところで……」

「はい?」

「このドナーストーン、余っちゃったんだけど。トトリ買わない? 安くしとくわよ~」

「………………」

 

結局。

依頼もあったので個数を買ってそのまま納品しました。




いや~まさかエリーのアトリエにドナーストーンもないとは……確認してよかった。
神々のいかづちというドナークリスタルみたいなものはあるのに。

さて、在庫切れましたのでまた書かねば。
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