はじまりの錬金術士のアトリエ ~ 神様の贈り物 ~   作:遊佐

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わーい、久々の連休だーい
……休日出勤出張だったので


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冒険者ギルド――

 

アーランドの王城の受付だったエントランスに、6年前に新しく作られた施設である。

ここでは様々な冒険者が、依頼の受注と報告、そして情報を求めてやってくる。

その大広間に、エリーは初めて足を踏み入れた。

 

「へえ……広いなぁ」

「まあ一応、王城だっただからねえ」

 

エリーの言葉にそばにいるマリーが応える。

 

「元王城とはいえ、ザールブルグの王城よりも広いんですね」

「まーあそこは田舎だったからねえ。エンデルクがいたから、シグサ―ル王国が周辺からひときわ高く見られていたけど、そうじゃなきゃただのド田舎の小さい王国でしかなかったし」

「農業国家でしたもんねェ……なんであんなド田舎なのに、昔は魔王がいたり、ドラゴンが住み着いていたんでしょうね」

「あー……まあ、確かに。割と人外魔境っぽいのが近くにあったなぁ」

 

徒歩で数日の所にあったエアフォルクの塔。

そこに出てくる魔王――魔人ファーレンをマリーは倒している。

もちろん一人ではなく、南国の冒険者であるミューと、謎の美女剣士のキリーと一緒で、だが。

ちなみに、エリーはうわさ話でしか聞いたことがなく、マリーはその詳細を話していない。

その理由は――まあ語るまい。

 

「エリーだって、海竜だの妖怪だの倒しているしね」

「あれは……まあ、マリーさんに会いたい一心で海竜は倒しましたし、妖怪は大変でした」

 

はるか昔の出来事、懐かしくも苦々しい記憶に、エリーは苦笑する。

 

「確か、変な魔人も倒したとか言ってたよね」

「うに魔人ですか……なんなんでしょうね、あれ」

「あたしも知らない……」

 

正直、今でも正体がわからない変な存在を思い出して頭を抱える二人。

 

「二人ともー! 受付はこっちー!」

 

トトリの呼び声に、顔を上げた二人は互いの顔を見て苦笑した。

 

 

 

   ―――― ★ 神さまの贈り物 ★ ――――

 

 

 

「クーデリアさん! こんにちは!」

「ああ、トトリ。きたのね」

 

クーデリアが書類を置いて顔を上げる。

 

「あれ? ロロナは?」

「先生は……今日はもう寝るって部屋に」

「まったくあの子は……定時で上げているのにそんなに来るのが嫌なのかしら」

「根が自由人だからねえ」

 

クーデリアの言葉にマリーが苦笑する。

 

「あなたもね、マリー」

「おっと、こいつは藪蛇だった」

「まったく……まあいいわ。そろそろいい頃合いだったし」

 

そう言って、エリーへ向き直るクーデリア。

 

「改めて。冒険者ギルドへようこそ。あたしが冒険者ギルドの受付兼責任者のクーデリアよ」

「あ、エルフィール・マクレイン……いえ、エリーです。はじめ、まして?」

「ああ……まあ、ほぼはじめましてよね。あの時はしょうがないわ」

「はい……あの。採取を行うには冒険者の資格がいると聞いたので……」

「ああ、それね。はい、これ」

 

クーデリアがギルド証を取り出してエリーに渡す。

 

「一応、プラチナムになっているわ。あとはトトリに連動してランクが上がるようになってるから。ちなみに無期限よ」

「ええー!?」

 

クーデリアの説明にトトリが悲鳴を上げる。

 

「なんでなんでなんでですかあ!? 私まだゴールドなのにー!」

「なんでって……そりゃマリーとほぼ同じ技量を持った錬金術師だもの。低いランクにしたんじゃ、ただの無駄じゃない」

「で、でも! なんで無期限にー!? わたしの時は、ダメって言ったのに!」

「それは……まあ二か月での話し合いの結果よ。マリーやロロナの聞き取りの結果、無駄な試験はまず意味がない、って上の方で結論が出ているのよ」

「ええー!?」

「そのあたりはクライスも認めていたしね。そもそもマリー並の知識や戦闘力ある存在を、無軌道に放置なんかできるわけないでしょう―が!」

「いやあ、それほどでも……」

「あんたは少しは懲りろ! アーランドが半壊したことは今でも根に持ってるんだからね!」

「マリーさん……なにしたんですか」

 

エリーがマリーをジト目で見る。

 

「このバカは、ギゼラと喧嘩して町を破壊しかけたのよ! あの時、ロロナとクライスが防がなきゃ、この街無くなってたわよ、マジで!」

「まさか……あの超フラムを使ったんですか!」

「ああ……まあ、あそこまでの威力はなかったんだけどね。でも、二人のシールドがなかったらヤバかったなー」

「……まだ治ってなかったんですね、爆弾グセ」

「いやあ、治るもんでもないし」

 

今はここにいないロロナとクライスに、思わずエリーは合掌した。

 

「またあんなことになるぐらいならって、そりゃ認めるわよ! しかもマリーよりも理性がある存在ならなおさらよ! クライス同様、安全装置になってもらいたいからの措置よ!」

「……重ね重ね、マリーさんがすいません」

「もう何年も前の事じゃない」

「……今度は私が賢者の石を作って、イングリド先生を蘇らせた方がいいかもしれませんね」

「ぜったいに、イヤだ!」

 

唯一、マリーが頭が上がらない存在の名前に、拒否反応を出すマリー。

 

「はあ……ともかく、そういうことよ。ちなみに、トトリは今回の審査でプラチナムに上がるからちょうどいいでしょ。今の達成速度なら、普通にダイヤモンドになるのも問題なさそうだし」

「うー! わかるけど……わかりますけど! でもなんか納得いかない……」

「諦めなさい。ちなみにそこのあんたもよ。はい、プラチナム」

「おう。サンキュな」

 

さっさと更新の申請していたジーノが、免許を受け取る。

 

「はあ……とりあえず、エリーは残んなさい。冒険者の条項を説明するから」

「あ、はい」

「ついでにマリー! あんたもよ!」

「うええ!? なんでよ!」

「エリーへの説明の補足と、アンタも補習よ! アンタは冒険者の規約をあと100回ぐらい暗唱しなさい!」

「おーぼーだぁ!」

 

ギャンギャンと吠えるマリーと苦笑するエリーを尻目に、トトリとジーノはその場を離れた。

 

「なんだかなあ……」

「むう……納得がいかない」

「まだ言ってんのかよ、お前」

「だってだって! わたし達があれだけ頑張って必死に上げているのに……」

「そら、しょうがねえじゃん。あの子の方がずっとお前よりも知識も経験も上なんだし」

「……そうだけど」

 

ぶう、と不貞腐れるトトリに、ジーノはやれやれと溜息を洩らした。

と――

 

「あら。何をそんなに怒っているのかしら?」

 

ふと、聞いた声がその背後から聞こえた。

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