はじまりの錬金術士のアトリエ ~ 神様の贈り物 ~ 作:遊佐
メルルの方は、装備を作るのが楽しいんですよね
レベルも99まであるせいで、ザコには無双できますし。
ただ、女神やマキナは鬼畜です……
アーランドの街
「さて、新天地の地図も埋めたし、まずはアランヤ村だね」
「結局ジーノくんは間に合いませんでしたね……」
「しょうがないっしょ。向こうが長引いているんだし」
トトリの言葉にマリーが嘆息する。
「で、どうします? 歩いていきますか?」
「うんにゃ。幸い、トトリがこっち来た時に馬車だったみたいだし、ここは馬車で行きまっしょい」
「ペーターさん、まだいるかなぁ?」
トトリたちが待合所に向かっていくと――
「おおーい。もうかんべんしてくれえ!」
「ふむふむ……」
「あ、いた……あれ?」
そこにいたのは、馬車に取り付いてぶつぶつ呟く白衣の男と、慌てふためくペーターだった。
「あれって……マークさん?」
「あー! あのマッドサイエンティスト!」
トトリの声に、マリーが素っ頓狂な声をあげた。
「誰がマッドだ! って、おやあ? トトリ君たちじゃないか」
「あああ! トトリ、助けてくれえ!」
「……何がどうしてどうなってるんです?」
状況がつかめずにはてなマークを出すトトリ。
「この人が馬車の構造がどうたらってまとわりついてくるんだよ! お客もこの人のせいで逃げちゃうし、仕事にならない……」
「どの道乗る人なんかいないだろうに……」
「うるさいぞ、そこのちびっこ……ああ! お前は確かマリー!」
「ほほう? あたしを呼び捨てとは、偉くなったもんだねェ」
「あわわわわわ」
「……? ペーターさん、マリーさんと知り合いなの?」
「こ、こいつはギゼラさんとやり合った、あの暴走爆弾娘だろ! 俺はあの時、ひどい目にあったんだ!」
「いやあ。ギゼラと仲良くなったあとで、旅先で模擬戦してねェ。その時に舐めたこと言ってたこいつを縛り付けて、その周りで模擬戦したんだよねぇ」
「お母さんとそんなことを……」
そういえば、マリーに母のことを聞くのを忘れていたトトリ。
今更のように思い出した。
「俺は死ぬかと思ったんだ! こんな奴を馬車になんか乗せないぞ!?」
「ほほう? んじゃ今度は爆弾を抱えて、岬の先からバンジージャンプとかどうよ」
「ひえええ……」
「マリーさん、マリーさん。それもうただの拷問です」
マリーの言葉に震えるペーターと、どうどうとなだめるエリー。
「で……マークさんはどうしたんです?」
「うむ! 馬車の構造を調べていたのだ! 君たちは馬車を使うのかね?」
「あ、はい。アランヤ村に行こうかと」
「うむ。ならば僕も同行しよう」
「え?」
「この馬車の構造は乗ってみないと詳しいことはわからん! だから私も乗ってみるのだ!」
「ああ……まあいいですけど、人数多いから乗れるかな?」
自分とロロナ、マリーとエリーで4人。そこに御者のペーターとマークである。
割とぎちぎちであった。
「なに。私は御者台でいい。動いている時の挙動も知りたいのでね」
「ええ!? 隣にこの人が乗るだって!? いやだー!」
「やかましい! さっさと行くよ!」
マリーの鶴の一声で出発するのであった。
―――― ★ 神さまの贈り物 ★ ――――
「で、マリーさん」
「ん? なんじゃらほい?」
アランヤ村に向かう馬車の中。
トトリはマリーに話を切り出した。
ちなみにマークは御者台で何やら喚いている。
「お母さんの事、ちょっと聞きたいんですけど……」
「お母さんってギゼラかい?」
「はい。わたし、お母さんのことほとんど知らなくて」
「あー……そうなんだ。最近見ないと思ったら、まーたどっかをふらついているのかね」
「マリーさんはお母さんのこと良く知っているんですか?」
「うんにゃ? あたしはあいつとやり合った後は、何度か冒険を一緒にした程度だよ。そういや、娘が2人いるってなんか言ってたねぇ」
マリーが当時を思い出しながら、頬杖をつく。
「そうですか……」
「というか、あの時は本当に大変だったよ……」
「あはは。まあロロナのおかげで助かったねェ。下手するとあたしやギゼラはお尋ね者になってたし」
「えええ!?」
「やっぱり……」
驚くトトリと、さもありなんと溜息をつくエリー。
「まあ結局は、新型の爆弾の起動実験とそれに付きあった冒険者って強引に結論づけをしたんだよねェ、あの時は」
「あの時は本当に……ほんとーに! 大変だったんだよ……」
「あれで一度、盾もダメになったからねェ。いやあ、ドラゴンでも壊れなかったのになぁ」
「……だから材料が足りないんですね」
「まあ、元々試行錯誤で材料潰してたってのもあるけどね」
またひかる円盤取りに行かないとなぁ、と呟くマリー。
「そうですか……残念」
「トトリちゃんは、お母さんを探しているんだっけ」
「はい。多分、どこかで冒険者しているんだと思うんですけど」
「まーあいつは、どこで何をしでかすかわからない奴だったからねェ。案外、どこかの原生林で腰ミノ一つで一人サバイバルしてても、あたしゃ驚かないねェ」
「あはは……ありえそう」
「お母さん……そんなイメージなんですね」
トトリの持つギゼラのイメージが、もはや怪獣のようになっている。
娘とはいえ、それはあんまりだろう。
「まあ、そう言うことならあたしの方でも探してみるよ。何かわかったら教えるから」
「ありがとうございます。よろしくお願いします」
「あいよ!」
マリーがドンと胸を叩く。
と――
「だから! 僕に手綱を持たせてくれと!」
「わああああ! トトリ、助けてくれぇ!」
「……なんか騒いでる」
「いのーのてんさいかがくしゃ、まーく・まくぶらいん、だからね」
「……ロロナ先生、なんですか、それ?」
トトリの言葉に、ロロナがマークとの出会いを話す。
こんな感じで馬車は、アランヤ村へ向かうのであった。
マークは書いていて面白いんですが、ロロナの相手だとロロナの苦手意識でか、筆が進みませんねェ
実際、仲間としても使いにくいし……