はじまりの錬金術士のアトリエ ~ 神様の贈り物 ~   作:遊佐

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ちょっと長くなりました……あと、別に忘れていたわけじゃないですよ(目そらし)


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玉石の遺跡――

この場所は良質な岩石が取れる場所である。

火属性の他に弾む石やウィスプストーンが取れる場所だった。

 

「この石、聖属性だ……」

「ふむ。品質はそんなでもないけど、これは何かに使えそうだね」

 

トトリの言葉にマリーがその手元を覗き込んだ。

 

「マリーさん。この石使えば固い玉とかできそうですよ」

「うーん。作るとするならインゴットか聖属性の弾か……割と使えるかな?」

「これがあればプラティーンが作れるよ。新しい武器の素材になるね」

「プラティーン……確か、神々のそざいの参考書に記載がありましたね」

 

トトリが思い出すようにつぶやく。

 

「割と使えるものだから、あるだけとって行こうか」

「あー……でもそろそろ籠がいっぱいになってますよ。一度戻らないと」

「そんなあなたに~じゃじゃん! 空とぶじゅうたん~」

「え?」

 

マリーが出してきたのは赤いじゅうたんだった。

 

「トトリは、プラチナムになった時に旅芸人の逸話集をもらったでしょ」

「……ああ! 見ましたけど……」

「そこに載ってるやつさね」

「でも、これって戦闘でやられた時に安全圏に助けてくれるって奴じゃ……」

 

トトリは存在は知っていたが、作るのは後回しにしていたものだった。

 

「実はこれ、改良しています」

「え?」

「これがあれば街までひとっとび! ちなみに戻ってくるのもひとっとび!」

「ええ!?」

「……これ、実は私たちがアトリエ使ってた時のお古なんだよね」

「えええええ!?」

 

マリーとロロナの言葉に、トトリが叫ぶ。

 

「じゃ、じゃあアーランドからアランヤ村までだって……」

「ああ、うん。使おうと思えば使えました」

「な、なんで!?」

「いやあ、そのぅ……」

 

ロロナが目を逸らした。

 

「トトリ、許してやんな。この子、馬車乗りたかったんだと」

「はいぃ!?」

「だ、だって馬車に乗るの初めてだったんだもん!」

「そんな理由で!? じゃあ忘れられた村とかここに来るのに使わなかったのは!?」

「そりゃ土地カンと場所を覚えさせるためさね」

「そ、そんな……」

 

ガクッと力なく崩れるトトリ。

 

「まあこれがあれば旅人の靴もいらないねェ。でもこれは一枚しかないからあたしがいない時には使えないよ」

「……ロロナ先生?」

「わ、私だけだと調合に失敗するぐらい改良が難しいんだよ」

「ロロナ先生でも……?」

「割りと材料に希少なもの使っているから、今ある素材だとちょっと無理だね。だからまあ、今回は使えるけど、あたしらがいない時用に旅人の靴も作った方がいいよ」

「……わかりましたぁ」

 

トトリがガクッとうなだれ、それをロロナが慰めている。

そしてエリーがマリーにこしょこしょと話し出した。

 

「マリーさん……私が改良するってのは、トトリには言わない方がいいでしょうか」

「あー……まあもうちょっと自分の足で場所を覚えるまではやめた方がいいかもね。人間楽を覚えると苦労できなくなるし」

「そうですよねぇ……旅を楽にできるアイテムは他にも山ほどありますけど、どれも覚えたら今のトトリじゃ悪い方向になりそうですし」

「人間、若いうちは苦労しなきゃ身につかないからね」

 

マリーとエリーは人生経験からしみじみと語り合った。

 

 

 

   ―――― ★ 神さまの贈り物 ★ ――――

 

 

 

「本当にすぐ戻ってこれた……」

「だから言ったじゃん」

「う~このじゅうたん、有用すぎますよ。譲ってくれたりは……」

「ロロナにも持たせてないのに?」

「ですよねぇ……」

 

再度ガクッとうなだれるトトリ。

そんなトトリの肩をポンポン、とロロナが叩く。

 

「まあまあ。一度帰って旅人の靴も調合したし、マリーちゃんがいなくてもこれからはちょっとは旅が楽になるよ」

「まあ、あたしもいつもトトリについているわけでもないからね。あたしがいる時限定で楽になる程度に考えておきな」

「……マリーさんが手放せなくなりそうです」

「……地味にツェツィさんと同じケがありそうだねぇ」

「あっちはかわいさ、こっちは利益に執着していますけどね……」

 

さすが姉妹、とマリーとエリーはぶるっと身を震わせた。

 

「と、ともかく。もう一度採取してから、最南西端にいくよ!」

 

 

 

   ―――― ★ 神さまの贈り物 ★ ――――

 

 

 

「ここがローリンヒル……」

「最南西端だね。ここは重要だよ。なにせ賢者のハーブがとれるからね」

「そんなに重要な素材なんですか?」

「そりゃそうさ。回復系のアイテムに最適な素材だし、エリキシル剤の材料だからね」

「あの、最高の回復薬と言われる奴ですか」

「強敵と戦うなら絶対に必要になるものだよ。山ほどあっても足りないぐらいだね」

「そんなに……」

 

マリーの言葉にトトリが考え込む。

 

「とはいえ、まずはあのぷにをどうにかしないと採取できないけどねェ」

 

と、マリーの視線の先にはローリンヒルの中央でふんぞり返るように存在するでかい『ぷに』がいた。

 

「で、でかい……」

「あっはっはっはっは! 大したことないよ。でかいぷにだから、ぷにの化身ってとこかな」

「そりゃあ、私たちは山ほどもあるぷにを倒したことがありますから……」

「ええ!?」

「まあ、あれは異常個体なだけだったし。こいつは普通にぷにがでかくなっただけだね」

「あれがでかくなっただけって……」

「大したことないよ。むしろあれぐらい倒せなきゃ、ドラゴンも倒せないよ」

「それはそうかもしれませんけど……」

「ってことでやるよー!」

「ああ! ちょっと!」

 

慌てるトトリ。しかし他の三人は平然としていた。

 

「ロロナ先生!」

「まートトリちゃんも気にしないで。あんなの大したことないから」

「うえええ?」

「本当にドラゴンよりかなり弱いから。油断はしちゃダメだけど普通に倒せるよ」

「で、でも……」

「心配性だなぁ……そうだ。エリー」

「はい?」

「あんた、一人でやってみる?」

「うええええええええええ?」

「あ、いいんですか? じゃあやりますね」

「うええええええええええええええええええええ!?」

 

マリーの提案にトトリが驚き、エリーの返事にさらに驚いた。

 

「だ、だめだめだめ! エリーちゃん一人なんて……」

「多分大丈夫だよ? あ、でも……マリーさん。トトリも一緒でいいですか?」

「ん? なんで?」

「経験値がもったいないかな、と」

「ああ……それもそうだね。まあ、なら二人で行っといで」

「はーい」

「あああ、ちょっと!」

 

エリーはトトリの手をつかみ、ぷにの化身へと向かう。

 

「あわわ……」

「トトリ。これを見て」

「え? アイテム……?」

「トトリが旅人の靴を作ってる間に作ったの。ドナークリスタルっていうの」

「これが……」

「そう。ぷにはレルヘンに弱いけど、単一のダメージならこれが現状最強だから。けどこれ一つじゃアイツは倒せない。いろいろと特性を増やして攻撃力は上げているけどね。だからこれを使う」

「エーテルインキ……」

「これを使うとアイテムの効果が2倍以上に引きだせる。だから、これを使って私とトトリで攻撃するよ」

「う、うん」

「じゃあいくよ。トトリ!」

「は、はい! まずはエーテルインキ!」

 

トトリが敵にエーテルインキを命中させる。

と――

 

「あ、あれ? 眠っちゃった?」

「特性で眠りや麻痺を与えるを入れているからね」

「す、すごい……」

「では使うよ! ドナークリスタル!」

 

クリスタルから発するいかずちが、ぷにの化身を穿つ。

 

「はい、トトリ!」

「は、はい! ドナークリスタル!」

「追撃します!」

 

トトリがアイテムを使い、エリーが追撃でパチンコを撃つ。と――

 

「あ、あれ? 勝っちゃった!?」

 

ぷにの化身は何もすることもなく、倒されたのだった。

 

「はい、おしまい」

「ええええええ!?」

 

トトリの信じられないという叫び声が、ローリンヒルに響き渡った。




実はエーテルインキってアイテムを使う上では非常に有用です。
どうしても高性能をもとめて品質を良くしようとしてしまいますが、実は低い方がアイテムがよく効くなんですよね。
こういうのはエリキシル剤でもありますが、物によっては最大で2.4倍くらいまで効果をあげます。
これ使うとドラゴンですらN/Aで一撃に近いダメージになります。

やったことありませんが、フラウシュトラウトでも一撃かもしれません。
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