はじまりの錬金術士のアトリエ ~ 神様の贈り物 ~   作:遊佐

40 / 43
今月は割と時間が取れそうで、今のうちに書き溜めてます
来月がどうなるかはわかりませんので、できたら10話くらいはストック作りたいなァ


20

古の修道院――

はるか昔に放棄された遺跡である。

今ではゴーストや悪魔が居座る、冒険者にとってはいわくつきの場所であった。

 

「ブリッツシュトース!」

 

ミミが突進攻撃でゴーストを蹴散らせていく。

 

「終わりっと!」

 

弱ったゴーストにジーノがとどめを刺した。

 

「お疲れ様、ミミちゃん、ジーノくん」

「ええ、他愛無い敵だったわ」

「おつかれ! つか、本命はこの先だがな」

 

トトリはミミとジーノと一緒に来ていた。

ここに居座る使徒であるスカーレットの討伐の為である。

 

「で、トトリ。そのアイテムは大丈夫なのか?」

「一応ね。けど、少し効果を高めるために細工するけど」

「細工?」

「うん。これ」

 

トトリが取り出したのはウェイブストーンを加工したものだった。

 

「少しだけ聖なる力を増幅させたものだよ。これを四方に置いて、ゴーストを寄せがたくしてみようかと」

「効くのか?」

「気休めかな。本命のアイテムも作ってあるけど、それの補助みたいなものだよ」

「ということは、戦闘中に置くの?」

「うん。だからミミちゃんとジーノくんには少し時間稼ぎしてくれるとありがたいかな」

「わかったわ」

「倒さないように手加減しろってことか」

「あなたは手加減が苦手なんだから、時折防御しなさいよ?」

「わーってるって」

 

打ち合わせをした三人が、目の前にいるスカーレットへと挑む。

 

「私から行くわよ! これは痛いわよ! ヒンメルウォルツ!」

 

ミミの攻撃でスカーレットの羽を気づ付け、少しでも行動を阻害しようとする。

 

「もうちょっと削っとくか……あらよっと!」

 

ジーノが反対側の羽を攻撃して、敵がたたらを踏んだ。

 

「そんなに強くはないね」

「強くはないのよ! やっかいなだけで!」

「だな。もうちょっとダメージ与えると逃げだすぞ」

「ならそのまま耐えてて!」

 

トトリは四方へとアイテムを配置すると、魔法の鎖を取り出す。

 

「よし! 魔法の鎖!」

 

トトリが魔法の鎖を発動すると、スカーレットの動きを封じた。

敵は慌ててもがくが、うまく動けないようだ。

 

「今だよ!」

「よっしゃ! まずは俺だ! へへっ、見てろよ!」

 

ジーノの攻撃がクリティカルヒットして、スカーレットにあと一歩の致命傷を負わせる。

と、ゴーストが寄り始めるが、魔法の鎖と四方を守るアイテムのせいで近づけない。

 

「効果はそんなに保たないよ! ミミちゃん!」

「まかせなさい! とどめよ! ミミ・ウリエ・フォン・シュヴァルツラング、まいります! アインツェルカンプ!」

 

ミミの連続攻撃が、スカーレットに突き刺さる!

 

「あなたごときでは相手にならないわ!」

 

ミミの必殺技により、スカーレットは息絶えたのだった。

 

 

 

   ―――― ★ 神さまの贈り物 ★ ――――

 

 

 

「すげーな、お前!」

「とーぜんよ!」

 

ミミの攻撃に、ジーノはいたく感動したようだ。

 

「あのアイン……なんとかってやつ! 俺もできるかな?」

「必殺技? あれは貴族に伝わる攻撃法よ。超連続攻撃ね。そう簡単にはできないわよ」

「そうかーくそー」

 

ミミの言葉にジーノが悔しがる。

 

「誰か師匠でもついて修行すれば……」

「俺でもできると!?」

「そんなの知らないわ。あなた次第よ」

「よーし!」

 

ジーノは決意を新たに燃え上がっている。

 

「といってもその師匠が問題なんだけど……」

「ミミちゃん、ミミちゃん」

「何よ、トトリ」

「ジーノくん、もう聞いてないよ」

「え?」

 

先ほどまで隣にいたジーノは、もう一人離れたところで剣の素振りをしていた。

 

「ちょっと! 人の話は最後まで聞きなさいよ!」

「無理だよ。ジーノくんだもん」

 

あいかわらず毒舌が出るトトリだった。

 

 

 

   ―――― ★ 神さまの贈り物 ★ ――――

 

 

 

「ただいまー!」

「む?」

「あれ? お客さん?」

「あートトリちゃん、お帰りー!」

 

トトリがアトリエに帰ると、ロロナと怖い顔の男性がいた。

 

「せ、先生!?」

「? どうしたの、トトリちゃん」

「もしかして、先生にもようやく春が!?」

「は?」

「む?」

「………………」

「………………」

 

「「 はああああああああああああああああああああああああああああああああああー!? 」」

 

 

 

   ―――― ★ 神さまの贈り物 ★ ――――

 

 

 

「あー……びっくりしました」

「びっくりしたのはこっちだよ!」

「さ、さすがに会って早々、そういうことを言われたのは初めてだぞ……」

「というかね、ようやくって何!?」

「あ、いえ、えっと」

「……私はロロナがちんちくりんの子供の頃から知っているんだぞ。そんなことが……」

「誰がちんちくりんなのー!?」

「たとえだ、例え!」

 

……非常に荒れていらっしゃる。

 

「えっと……それで、こちらの顔の怖い人は、どなたです?」

「顔が怖い……」

「あああああああ……えっとね。彼はステルクさん。昔はアーランドの騎士だった人だよ」

「はあ」

「……私は今も騎士のつもりなのだがな」

「あはは……」

「ああ、つまり……無職の方なんですか」

 

ビキッ

 

「と、トトリちゃん!」

「え? あ、ご、ごめんなさい!」

「………………」

「あああああ! ステルクさん! と、トトリちゃんは、トトリちゃんは口が悪くて!」

「ごめんなさい。つい思ったことが口に出ちゃったんです」

「わああああああああああ!」

「………………帰る」

 

バタンッ

 

「と、トトリちゃんー!」

「あ、えっと、あの、ご、ごめんなさい! つい……」

「ついじゃないよ! 無職とか……まあ、その、あの」

「………………」

「は! ダメだよ、本当にもう!」

「……でも、無職なんですよね?」

「い、一応、無職じゃないよ! 国に雇われているよ!」

「あ、雇われているんですか。それは失礼しました」

「……あのね、トトリちゃん! その辺りはデリケートなんだから、もうちょっと慎重に言葉を選んでねえ! それから……」

 

かなり焦った様子のロロナが、舌ったらずな口調で説教をする。

地味に先生に説教されるのを、逆に新鮮な思いで受けたトトリは、反省もせずただ聞き入れていた。

 

……とりあえず、ステルクはどこまでも不幸なのであった。




つか、船まで長い、長すぎる
まだ書けない……早く書きたいのに
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。