はじまりの錬金術士のアトリエ ~ 神様の贈り物 ~   作:遊佐

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すいません。実は私のマリーについての印象が割と越智さん版の漫画と同人誌の印象が強いかもしれません。
ただ、あそこ迄すっとこどっこいを再現できるかは、ひじょーに微妙なんですが……




黒い大樹の森――

そこは深い森の奥。生い茂る草木の樹海。

そんな中で採取に励む者たちがいた。

 

「これもいる。これも使える。これとこれは……品質が悪い」

「ま、マリーちゃん凄い……」

 

採取地でごそごそと適当に探すように見えて、見事に高品質だけを見つけ出すマリーにロロナは目を丸くする。

 

「籠の容量は決まっているからね。根こそぎはダメだよ。初心者はあるもの全部持っていこうとするけど、ロロナぐらいなら選別しなきゃ」

「う、うん。でももったいなくて……」

「だからって低品質なの集めてもいいものはできないよ? 時空間に干渉できる素材があればコンテナに転送できるようなアイテムも作れるかもだけど」

「あ、秘密バックかぁ。まだ作れてないんだよね」

「あ、あるんだ。帰ったらレシピ見せてね」

「う、うん」

「ロロナは採取のしやすい手袋しているみたいだけど、それも改良できると思うよ」

「ほんとに? それは助かるなぁ」

「実地で使った不満点とか、まとめて取り入れるとやりやすいから帰ってからね」

 

マリーはそう言いながらもガサゴソと森の中をうろつき、魔法のように高品質のアイテムを取っていく。

その姿を感心しながらロロナは見ていた。

 

「基礎的なものとレアなものは、ほとんど変わらないみたいね。あとは……こういう魔法の草がマジックグラスとか別名で言われていたりするとかあるか」

「へー……やっぱり場所によっては呼び方が違うんだ」

「うん。多分、効能は似たようなもんだと思う。あとは土地柄かな……こっちじゃキャベツが多いけど、あたしの所はほうれん草が多かったから」

「なるほどー……」

「まあ、あたしの知らない素材も割とあるんだけどね。この実とか」

「ああ、タールの実」

「土地ごとに素材が変わるから、どういうものが作れるのか調べるのはすごく面白いよ」

「マリーちゃんがいきいきしてる……」

 

今までの遠慮が嘘のようにまくしたてる姿に呆然とするロロナ。

 

「あ」

「え?」

「敵が出た」

「ええっ!」

「「「 ぷにっ! 」」」

 

草むらの奥から金ぷにが3体出てくる。

 

「じ、ジオさん、ステルクさん!」

「むっ!」

「危ない!」

 

その声と同時にロロナとマリーの前に立つ男二人。

 

「こら! 敵は私が倒すからお前は彼女たちを守れ!」

「何を言うんです! あなたこそ下がってください!」

「私より弱い癖に、何言っとるんだ、お前は!」

「あなたこそ何言ってるんです! ご自身も守られる立場でしょう!」

「立場を言うべきところか!」

「わああああああ! なんでもいいから、敵が来てるからー!」

 

言い争う二人に叫ぶロロナ。

とはいえ、ぷにごときに負けるような二人でもなく。

 

「むんっ!」

「はっ!」

 

金ぷにを1体ずつ瞬殺する。

だが敵は3体。1匹がロロナの元に――

 

「わあああああ! 来ちゃダメ―!」

「……えい」

 

慌てるロロナを脇に見ながらマリーが何かを投げつけた。

というかマリーが投げるものなど決まっている。

爆弾である。

 

ドゴンッ!

 

「あ、近すぎた」

「うきゃあああああ!」

 

煙に巻かれる二人。

そこに護衛の二人が駆けつけてくる。

 

「すまん! 抜かれた!」

「大丈夫か!?」

「ゲホッ、ゲホッ……だ、だいじょう、ぶです」

「むぅ……力が足りない」

 

黒煙にむせるロロナと、自分の手を見ながら投げる力のなさを嘆くマリー。

 

「うーん……これはアイテムが必要かなぁ。やっぱり現地で実践しないとわからないことは多いね」

「な、なんでそんなに平常運転なの……?」

 

真っ黒になりながら思案するマリーに、その身をはたきながら呆れるロロナ。

……実に性格が出ている。

 

「だーから言っただろうが! 私に任せてお前は護衛をしろと! 護衛対象に戦わせてどうする!」

「無茶を言わないでいただきたい! そもそもあなたが後ろで守っていれば済んだはずでしょう! マリー君を守るのではなかったのですか!?」

「お前の役職は何だ! 騎士ならば守る方が大切であろうが!」

「ですから! ご自身も守られる立場だとご理解くださいと何度も申し上げているのです!」

「あああああ……もう」

 

言い争う二人に頭を抱えるロロナ。

その横でぶつぶつと思案しているマリー。

 

うん、まあ、いつもどおりであった。

 

 

 

   ―――― ★ 神さまの贈り物 ★ ――――

 

 

 

「……ということがあったんだよ」

 

イクセル食堂。

採取から帰ってきたロロナが、イクセルとクーデリアを相手に盛大に溜息を吐いていた。

 

「まったく……そんな人たちを護衛なんかに連れて行くからよ」

「あっはっはっはっは! それはご愁傷様だったなぁ」

 

香茶を片手にクーデリアがすました顔で言う。

イクセルはおかわりを用意しつつ、快活に笑った。

 

「で、採取はどうだったんだ」

「それはばっちり。マリーちゃんのおかげで、高品質な素材が山ほど手に入ったの。しかも採取道具も改良してくれるって」

「ほー? それは凄いじゃねえか」

「……本当にマリーって子はロロナよりも上なのね」

「う”」

 

クーデリアの言葉に再度突っ伏すロロナ。

 

「で、でもね! マリーちゃんが今のままじゃ戦えないから、アイテムを準備するまで採取の同行はやめるって言うの」

「ありゃ。なんでだ?」

「何でも自分の力のなさを見誤っていたので、それを補うアイテムがいるって……」

「? どういうことだ?」

「……よくわかんない」

「まー自分を過信してたってことでしょ。よくあることよ」

 

クーデリアがしたり顔で言う。

その顔を見て、ロロナとイクセルが互いに顔を見合わせる。

 

ええ……? それをお前(くーちゃん)が言うの……? と




ロロナとマリーのアトリエの作品での違いについては「土地ごとにある素材の違い」という形で取り入れています。
でなければ違う土地でいろんな錬金術士が旅をする理由にならないと思うからです。
実際に別の土地にいる錬金術士がその土地の素材をやりくりして似たような性質のものを同様のアイテムとして作っています。
これはグラムナートに行ったアイぜルやヘルミーナなどが、その土地にあった別の素材で同様の効果のあるアイテムを作り出していることから証明されています。
似たような素材と別の種類を組み合わせて作ったものが賢者の石やエリキシル剤と同様に呼ばれる理由にもなっていると思います。
エリーがやってたような分量の比率による変化や、アーランドにある素材ごとにある追加効果などは、その土地の錬金術士が発見した独自の手法として描いていこうと思います。

ちなみにマリーのアトリエにはそんなのないよと思われる方は、当時のおおざっぱでずぼらなマリーの性格を思い出してください。

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