はじまりの錬金術士のアトリエ ~ 神様の贈り物 ~   作:遊佐

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ストックがないのに仕事が忙しくなりそう……最悪週2更新止めることなるかも


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アランヤ村――

 

「この度は、たいへん、たいっへん! 申し訳ありませんでした!」

 

ツェツィが土下座している。

その前に、マリーとエリーが座っていた。

ちなみにロロナとちむも一緒に来ている。

 

「と……まあ、さすがにお姉ちゃんも反省しているし。二人も許してあげてほしいんだけど」

「……私はそこまで怒ってませんからいいですけど。マリーさんは……」

「……いいよ」

「マリーさん!?」

 

まともにしゃべったマリーに驚くエリー。

 

「まあお世話にもなってるし、あたしがポンコツになってる間にエリーやトトリ、ロロナにも迷惑かけたしね」

「よかった……マリーちゃん。元に戻ったんだ」

「まだダメージはあるけど、何とか普通に会話できる程度には、ね」

 

しばらくぶりにまともに会話できるようになったマリーに、トトリがほっとする。

 

「冒険はしばらく勘弁してほしいけど、日常生活は大丈夫。ちむたちにも世話になったね」

「ちむー……」

「はあ、よかった……お姉ちゃん。次はないからね?」

「はい……ごめんなさい」

 

再度、マリーとエリーに頭を下げるツェツィ。

一件落着と、誰もが思ったその時に――

 

「ぐ、グイードさん!」

 

バンッと扉を開けてきたのは、ペーターだった。

 

「フラウシュトラウトだ! フラウシュトラウトがでた!」

「なに!?」

 

ペーターの言葉に、グイードが立ち上がる。

 

「ふらう……? なにそれ?」

「トトリも知らないの?」

「知らない……お姉ちゃん、知ってる?」

「ええと……」

 

トトリの言葉に、ツェツィはためらうように口ごもった。

 

「この近くまで奴が来ているらしい! 港の船が何隻か沈められてる!」

「まずいな……活動期に入ったか」

「しばらくはギゼラさんのおかげで大人しかったのに――」

「ペーターさん!」

 

ペーターの言葉に、ツェツィが声をあげた。

 

「え? あ、トトリ! やべっ!」

「……お母さん? お母さんがどうして出てくるの?」

「い、いや、その……」

「トトリちゃん! あっちに行ってなさい!」

 

ツェツィが打って変わったように鋭い剣幕で、トトリをアトリエに押しやる。

 

「ちょ、ちょっと待って! お姉ちゃん、お母さんのこと――」

「いいから! 今はアトリエに行きなさい! マリーちゃん、エリーちゃん、ロロナさん! お願いします!」

「ええと……」

「……とりあえず大事みたいだし、一旦はアトリエに行こうか」

「そうだね……トトリちゃん。とりあえずは行こう」

「……はい」

 

ロロナに促されて、トトリはアトリエへと引き下がるのだった。

 

 

 

   ―――― ★ 神さまの贈り物 ★ ――――

 

 

 

夕暮れ時――

ペーターと話した後に、グイードとツェツィはゲラルドのバーへと向かい、そこで話しあって帰ってきていた。

 

「お父さん、お姉ちゃん。説明して」

「ええと……なんのことかしら?」

「とぼけないで! フラウシュトラウトって何? お母さんとどういう関係? 活動期とか!」

「ええと……さ、魚の事よ。大きな魚。それが暴れているって――」

「嘘! そんなんでお母さんが出るはずがないもの! モンスターのことなんでしょ!? どういうことなの!?」

「………………」

「……はあ。ツェツィ、もういいよ」

「お父さん……」

「トトリももうあの頃のような幼子じゃない。ちゃんと理解できる年頃になったんだ。なら知っていた方がいい」

「けど……」

「大丈夫だよ。昔の弱いままのトトリじゃないさ」

 

グイードの言葉に、ツェツィが引き下がる。

 

「ええと……私たちも聞いていいことですかね?」

 

ロロナがそう言ってトトリの横で呟く。

その後ろにはマリーとエリーもいた。

 

「ああ……皆さんも聞いていてください。フラウシュトラウトというのは海竜の事です」

「海竜……」

「昔、フラウシュトラウトが暴れたことで、この村の漁業が壊滅的な打撃を受けたんだ。この村は漁業がなければ成り立たない。けど、冒険者も海の上での戦いには慣れていない。ほとほと困り果ててね」

 

グイードは言う。

フラウシュトラウト討伐の為に、ギゼラがグイードの作った船で単身戦いに出て、行方不明になったと。

 

「戦いの傷があったのだろう。フラウシュトラウトはあれから大人しかった。だが、どうやら傷が癒えたらしい。また暴れだしたというわけだ」

「……わたし、全然覚えてない」

「あの時、トトリはまだ小さくてね。ギゼラが帰ってこないことで毎日泣いて、半分廃人みたいになってしまった。その後はきれいさっぱり忘れてしまったようなんだ」

「だから無理に思い出させないように村中で隠すことにしたの……」

「トトリが家から出るようになって、ちょうどその頃だったかな。ロロナさんと出会ったのは」

「ロロナさんのおかげで、トトリちゃんは錬金術という夢中になれるものが出来た。だからお母さんのことを思い出させないようにしていたんだよ」

「そうだったんだ……」

 

お母さんがどこにもいないわけだ。

ギゼラは大陸でなく海にいた。

 

「あいつがねぇ……まあそういう無鉄砲なところがあったからなぁ」

 

マリーがしみじみと語る。

 

「あれから数年。多分ギゼラはもう――」

「何言ってるよ、お父さん!」

「トトリ?」

「お母さんは生きてるに決まってるじゃない!」

「トトリちゃん……」

「多分帰れないんだよ。船が動かないかなにかで。ということはどこかの島か、別の大陸にいるんだと思う」

「いや、しかし……」

「島とかなら多分連絡も取れないし、別の大陸もフラウシュトラウトがいたんじゃこっちに来れない……よし!」

 

ガタン、とトトリが立ち上がった。

 

「わたし、フラウシュトラウトを倒します!」

「「 ええええええええええええええ!? 」」

 

トトリの宣言に、グイードとツェツィは驚き。

3人の錬金術士は、まあそうなるよね、と深く頷いた。




やーっと船作成。
トトリは船を作ってからが本編な気がします。
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