はじまりの錬金術士のアトリエ ~ 神様の贈り物 ~ 作:遊佐
個人が使うものじゃないならでかくすりゃいいんだ(オイ)
アランヤ村――
「……で。帰ってきたら、まだ船体を作ってる最中なの?」
「あ、ロロナ先生、お帰りなさい」
秘密バックを預かっていたので、中にあったトラベルゲートでアランヤ村に帰ってきたロロナは、あれから一週間以上経ったのに船体を作っているトトリに言った。
「実は設計からやり直しで、色々増えちゃったんです。材料は一応足りそうなんですけど、作るモノも増えていまして……」
「ええ……?」
「あと、防腐剤のタール液は改良して全部に塗布することになりました。おかげでエリーちゃんは再度、タールの実の補充に行きました。ちなみに今回はマリーさんのじゅうたんを使ってます」
「うわあ……」
「それで先生。申し訳ないんですけど、材料はあるので組み立てをお願いしていいですか? 設計と監修はお父さんとマークさんがいるので……」
「うえ!? マークさんが手伝っているの!?」
「はい……ミミちゃんもです」
トトリの視線の先には、父であるグイードと叫んでいるマークの姿が見える。
その横で木材を運ぶミミの姿も。
「わたしは新しく必要になった材料の調合しなくちゃいけなくて」
「一体、何を作る羽目になったの……」
「ええと……武装が必要だそうです。大砲を常備させて、船首に特大の物をつけるんだとか」
「ええ……?」
「高威力で、一発だけでいいから海竜を吹き飛ばせるほどの威力のものをとか……先生、なにかいいアイディアありますか?」
「わかんないよぉ……」
「ですよね……」
ううーんと悩むトトリ。
「ともかくアトリエ行ってきます。マリーさんもインゴットその他を作ってくれていますから」
「……わかったよ。しょうがないなぁ」
ロロナは秘密バックをトトリに渡して、桟橋へと向かう。
その後ろにはステルクとクーデリアの姿もあった。
―――― ★ 神さまの贈り物 ★ ――――
「改良タール液は、ちむ達に頼むとして……インゴットだけじゃぁ足んないな。あ、トトリお帰り」
「ただいまです。……アイゼルさんはまだ寝ていますか?」
「朝方まで一人で計算してたからねぇ。まだ別室で寝ているよ」
改良タール液の重量計算と分量効率化をたった一晩で成し遂げたのは、生まれたばかりの凄腕錬金術士だった。
「そうですか……ともあれ、一応製作できる奴を全部製作した方がいいですかね」
「そうだね……どうにも金属を使うようだし、プラティーンまでは作った方がいいか。幸い、ウェイブストーンは玉石の遺跡に行った時のが大量にあるし」
「剛性と耐久性を考えたらそれが一番いいですしね……そちらはお任せします」
「あいよ。トトリはどうする?」
「うーん……わたしは新しく船に積む、一撃必殺な武器を頼まれてしまいまして」
「なんだいそりゃあ……」
マリーをして、唖然とさせるような依頼である。
「海竜を倒せるぐらい強力で、艦首につけるとなると……やっぱり大砲かなぁ」
「ただの大砲じゃあ、威力が足りないだろ」
「そうなんですよね。もっと高威力の物を射出するような……投石機? いやもっと威力がないか……」
「アイテムの起動を考えるとちょっと難しいな」
「ううーん……フラム、レルヘン、ドナーストーン。後は地球儀とメテオールと?」
「どしたん?」
「………………」
「あ、これヤバいこと考えている顔だね」
トトリが考え込むと、マリーが嘆息した。
大体トトリが黙り込む時は。ヤバいことを考えるからである。
「……マリーさん。実は試作爆弾ってのがあるんですが……」
「おっと! それはあれだろ? 灼熱の荒野を吹き飛ばしたっていう封印したやつ」
「はい……あれから効果範囲を縮小するような調整をしてきたんですけど、どうしても通常の爆弾だと効果範囲が広がってしまって」
「ふむ」
「だから思ったんです。爆弾を爆弾として使わず、いっそ大砲で撃ちだす様にできたらと」
「いや、起動に魔力がいる以上は難しくないかい?」
「それなんですけど……大砲内を強固にして、爆発の威力を一点に集中させることで前方だけに撃ちだせないかと」
「む? けどそれだと砲身から出た時点で威力が拡散しちまうだろう?」
「はい、なのでその威力を弾を押し出す力と、弾に圧力を加えて弾自体の攻撃力を増すようにできたら……」
「………………」
「ただ、力を溜め込む性質を持った弾になりそうなものが思いつかなくて……」
「……精霊石ってのがあるね」
「精霊石?」
「精霊の力を閉じ込めた石なんだけど、力を溜め込む一面もある。しかもおあつらえ向きに砲弾にも適しているね」
「じゃあ……」
「……やってみるか」
ザールブルグの爆弾魔とアーランドの爆弾娘の思惑が一致した瞬間だった。
―――― ★ 神さまの贈り物 ★ ――――
「ただいマリ……うわっ!」
「「 おかぁエリー!! 」」
数日後――
エリーが採取地から戻ってきて、そこにあった物に驚く。
トトリの家の前に、巨大な大砲が鎮座していたのである。
「なに、このでかい大砲……」
「あ、これ、船に積む大砲です」
「こんなデカいものを何門も積んだんじゃ、船が重くなるんじゃ……」
「一応、大きいのはこれ一つですけど。後、倉庫関係は船尾に設計してますから基準値はクリアした重さになってます」
最終調整をしていたトトリと、大砲の上部で作業していたマリーが降りてくる。
「いやーまさかこんなにでかい物を作る羽目になるとは。秘密バッグなければ運ぶのも無理だったね」
「亜空間様様ですね」
一応、どんな大きさでも秘密バッグにはしまえる。
船の素材でも、ドラゴンの素材でも行けるのはそういう理由であった。
ただ、取り付けをするには現地でないとできないが。
「それにしても大きいですね……」
「うん。無茶苦茶高威力な大砲だからね」
「例の試作爆弾で撃ちだす超巨大砲です」
「はい!? あの爆弾使うの!?」
「はい。ただ、あの爆弾を爆弾でなく炸薬として使いますが」
「ええええええ……あれを? 高威力爆弾が、ただの炸薬……?」
灼熱の荒野を吹き飛ばした爆弾を推進に使うとは、エリーでも思いつかなかった。
「ただ、さすがに威力がでかいので一発撃つのが限界なんです。爆発はしないでしょうけど、メンテしないと再度撃つことはできませんね」
「あの爆弾を使うとなればそうだろうね……これ、大砲の名前は?」
「はい。名付けて、精霊波動砲です!」
「……すっごいネーミング」
「いや、実際にすごいよ。弾は精霊石を強化した精霊弾だし」
「精霊石って……」
「爆発を精霊弾に貯めて、吸収できない余剰圧力で撃ちだす仕組みです。弾が当たれば中から爆発の威力を吸収して強化した高位精霊が天地開闢の怒りで暴れる仕組みですね」
「なにそれ……世界終わらない?」
「そこはマリーさんが天球儀というアイテムを教えてくれましたので、それの応用でもろとも消滅するようになってます」
「東の端っこを探索した時に見つけたいくつかの参考書に書いてあってね。精霊石もそこに載っていたやつさね。ちょうどいいから試してみたら面白い効果のある爆弾だったから、つい」
「ついじゃありませんよ……」
下手したら世界終わるじゃん、とエリーが頭を抱えた。
「いやー久々にいい爆弾……爆弾? が作れた。完成したから桟橋に持ってくんだろ」
「はい。船体はロロナ先生が作っているので、取り付けて重量を見ないと調整できませんし」
「となると、マークさんとやらが言ってた推進装置も積むってことか」
「次の製作物はそれですね」
「……なんか怖いこと聞いたような気がするんですけど、船に推進器つけるんですか?」
「ああ。じゃないとこんなの積んだら重くて軽快に動けないし」
「マークさんが嬉々として設計組んでますから。この船首の重量によっては、スクリューをいくつ積むかを決めるとか」
「……本当にグラビ石積んだら空飛ぶ船になりそうな」
エリーの言葉に、マリーが頷く。
「今度、空飛ぶ船も考えてみようか?」
「縁起でもないこと考えないでください!」
さすがにエリーはツッコんだ。
精霊波動砲、元ネタ自体はまあ、宇宙戦艦ヤ〇トなんですが、あれほどの威力はありません。
感覚としては……ト〇ニウム・バ〇ターキャノンでもないな、どちらかというとヒーロー戦記でのコス〇ノヴァかブ〇ックホールクラスターかなぁ
威力的にはワー〇スマッシャー以下のレベルですけど
ははは、スパロボ脳ww