はじまりの錬金術士のアトリエ ~ 神様の贈り物 ~   作:遊佐

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ちょっと浮気……でも投稿するのはこの作品が終わってからで。
まあ、まだ半分くらいなんですけどね、この作品。
作品を完結させないで新しく作品を書くのは、単なる逃げだと思う次第です(私見)


39

アランヤ村――

 

「ええと……アイゼル・ワイマールです。初めまして」

「あ、ロロライナ・フリクセルです……ちょっとトトリちゃん、どういうこと!?」

 

ロロナがトトリの家に帰ってくると、アイゼルと鉢合わせたのである。

 

「例によって例の如くです。やっぱり賢者の石で生まれちゃいました」

「えええ!? コンテナが拡張したから大丈夫だったのかと思っていたのに!?」

 

やっぱり生まれちゃったのぉ!? と驚くロロナ。

トトリから事の顛末を聞くと「あちゃー」と頭を押さえた。

 

「……しょうがないね、それは。しかしマリーちゃんが作れば変化はしないか……」

「先生?」

「なら、マリーちゃんに賢者の石を量産してもらうのもありかもね。賢者の石で作れるものも結構あるし、大体重要なものが多いしね」

「……まあ、基本賢者の石を使う作成物は高難易度の物ばかりですけど」

 

およそトトリには作れないようなものがほとんどである。

 

「地味にコンテナ系は個数が足りなかったからね。でも、そうするとドンケルハイトがないか……」

「え? 今ないんですか?」

「うん。以前はあったんだけど、植生が変化したのか最近は取れなくなってね」

「ということは、もう賢者の石が作れない……?」

「うーん、レシピを変化させれば出来そうなんだけどね」

 

ドンケルハイトに変わるほどの素材が見つからなければ、現状では作れないということである。

 

「ともかく、暫くは無理だね。今ある奴でどうにかしないと」

「できたら船にもコンテナつけたかったんですけどね……」

 

さすがにそれはやりすぎではないだろうか……?

 

「あ、じゃなかった。そうじゃなくてあの子のことだよ!」

「あ、そうでした」

 

脱線もしすぎである。

見れば、アイゼルが所在なさげにもじもじしていた。

 

「まあ、そうとは言っても、生まれちゃったのはしょうがないか……」

「軽っ! いや、いいんですけど。ちなみにあの子、エリーちゃんの同期だそうです」

「うえええ。また大先輩じゃないの……」

「ちなみに改良したタール液も、あの子が一晩で作ってくれました」

「うあ。新レシピを一晩で? それはとんでもない程の凄腕だよ……」

 

ロロナが地味にへこんでいる。自分でも一晩で新レシピは無理だぁと嘆きながら。

 

「ええと……そろそろいいかしら?」

「ふぁい! なんでしょうか!?」

「あ、いえ、その。あなたはトトリの先生って聞いたのだけど」

「あ、はい」

「エリーと二人でその子を見ているってことね。マイスタークラスが二人で教えるとか、トトリはそこまで凄い才能があるってことなのかしら」

「え? ええと……マイスター?ってのがよくわかりませんけど、トトリちゃんは元々は私の教え子だったんです。でも私の教え方が下手なので、エリーちゃんにもお手伝いをお願いしたので……」

「……ああ、なるほど。そういう理由なのね」

 

なるほどね、とアイゼルが頷く。

 

「エリーは教師にならなかったのに、教え子を持っているからおかしいと思ったのよ。でも、そう言う事なら納得だわ」

「はい……私よりよほど教え方が上手いです」

「しょうがないわよ。年季が違うもの」

 

アイゼルが苦笑しながら言う。

 

「あんなナリでも、中身はン十年だもの。そりゃ――」

「だーれがバ〇アですってぇ~?」

「あら、いたの。エリー」

 

そこにはこめかみに怒りマークを付けたエリーがいた。

 

「あなたも同年代でしょうに!」

「あら? 私はついこないだ来たのよ? 数年前から来ているあなたと比べたら私の方が若いじゃないの」

「あなた、亡くなったの何歳の頃よ! 私より長生きしてたんでしょうが!」

「忘れたわ。過去は振り返らないのよ」

「さっき人の過去振り返ってバ〇ア扱いしたのは誰よっ!」

 

ほぼ似たような幼女が、歳の話できゃんきゃん言い合っている。

シュールすぎる二人の様子に、ロロナとトトリが目を点にしたのは言うまでもない。

 

 

 

   ―――― ★ 神さまの贈り物 ★ ――――

 

 

 

「だいぶできてきたようだねぇ」

「おお、マリー君。外に出て大丈夫かい?」

 

桟橋に来たマリーに、グイードが声をかけた。

 

「少しは歩いてリハビリしないとね。しかし、船体はできたけど、帆柱が多くないかい?」

 

マリーが言う通り、普通の船は一本、多くても二本である。

だが、この船には五本もあった。

 

「うん。風を帆に受けるのならばそうなんだけどね。この船は動力が付いているからね」

「え? 動力が付いているなら少なくならないかい?」

「いや、その分重量がある。だから方向転換がしやすいように細かくしなきゃならない。それに動力源も無限じゃないからね。いざという時は風でも進めるようにしているんだ」

「なるほど……でもそれだと動かすのに人手がいるだろう?」

「そうなんだが……マークくんに何か腹案があるらしい」

「腹案?」

 

ちらっとマークの方を見ると、なにやらちむ相手に話しかけているようだった。

 

「……というわけなんだが、できるかね?」

「ちむ!」

「なに? もう一人ぐらい人手が欲しい? うーむ」

「ちむ、ちーちむむ、ちむ、ちむちー!」

「なるほど。では、トトリ君に話を持っていくか」

 

話し合った後にトトリの家に向かう二人。

 

「……どうでもいいんだけど、マークくんはちむちゃんの言葉がわかるのかね?」

「……あたしも知りたいぐらいだわ」

 

謎の話で意気投合した二人の後ろ姿に、マリーとグイードは呟いた。




ちなみにエリーとアイゼルですが、亡くなったのはエリーが亡くなって数年後です。
そしてこちらでも数年経ってます。
だから正解はまんま同期。勝負はドローです。(何の勝負?)
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