はじまりの錬金術士のアトリエ ~ 神様の贈り物 ~ 作:遊佐
アランヤ村――
「では、海竜は――」
「うむ! 見事に討伐された! これがその証拠だ!」
「「「「 おおおお! 」」」」
マークが引き揚げられた竜の下半身を見せ、その姿に桟橋にいた漁師たちが叫ぶ。
彼らにとって、最も待ち望んでいた時だった。
「……トトリ。あんたが宣言しなくていいの?」
その後ろでミミが隣にいるトトリにそう言うが。
「わたし、なにもしてないもの……」
トトリは煤けた姿で呟くのだった。
―――― ★ 神さまの贈り物 ★ ――――
「いやー……ごめんて」
マリーが額に汗をだらだらとかきつつ、正座している。
その前には、怒り心頭なツェツィと涙目のロロナがいた。
「……海竜について、倒してくれたのはアランヤ村の一員として感謝します。ありがとうございました……それはそれとして! もうちょっと手加減できなかったんですか!?」
「いや、その……そもそも精霊波動砲でぶっ飛ばすのに、手加減も何もだねェ」
「でもでも! せめてトトリちゃんが主導していればよかったのに! あれじゃあトトリちゃんが可哀相すぎるよ!」
「いや、それに関しては誠に申し訳ないと……」
「海竜に何らかの手掛かりがあったのかもしれなかったのに……」
「あ……」
ロロナの言葉に、マリーは顔を蒼白にする。
そう言えば、なんか元気なかったような……
「「 マリーさん(ちゃん)!! 」」
「ご、ごめんなさい……ほんとゆるして」
平身低頭で謝るマリーがいた。
―――― ★ 神さまの贈り物 ★ ――――
「と、いうわけで……私とマリー君はここに残ることになる。ギゼラ君を探すのは君たちで行ってほしい」
「はーい……」
「トトリ、しっかりしなさい! これからが本番でしょうに!」
「う、うん……」
マークの言葉にやる気のないトトリを叱咤するミミ。
と、そこにグイードが海図を持ってくる。
「で、わかっている海図はこれだが、どうするね?」
「ギゼラは東に行くと言っていた。岬の海峡を越えたなら東を目指すべきだろう」
「そうですね……それに多分、この隣の島というか列島にはいない気がしますし」
「ほう? その心は?」
「お母さんが言われているぐらいの人なら、この程度は自力で渡れそうですから」
「そうだねえ……ギゼラなら泳いで渡ってこれるだろうし」
「なるほど。となると……大海原の小島か、はたまた東の大陸という所かな?」
「そうですね……まずは小島を捜索しながら大陸を探そうかと」
「ふむ……となると、だ」
マークが地図に書き込む。
「まずは潮の流れに沿って、捜索した方がいいだろうねぇ」
「もし帆とかが壊れていたら、そちらに着く可能性が高いからですね」
「そうだね」
「わかりました。岬から潮の流れに沿って捜索します」
「うむ。となるとスクリューでなく帆で風を摑まえる方がいいね。スクリューは緊急時迄動かさずに」
「はい……もしかしてこうなる事を考えて、両方できるようにしていましたか?」
「いや? あくまでスクリューは後付けの考えだからねぇ。たまたまだよ」
「そうですか……」
何か神算鬼謀を感じたが、まさかマークにそんなものはあるまいと胸をなでおろすトトリ。
あまりに失礼である……口に出さないだけマシだが。
「海竜があれ一体とも限らん。十分注意するように」
「はい」
「マリー君は残ってアイテムを作るそうだから、たまには秘密バッグの中身を見た方がいい。今回のような新アイテムもあるだろうからね」
「それが一番怖いんですがね……」
手持ちの精霊波動砲でも仕込んできそうではある。
「まあ……気を付けるように。……がんばりたまえよ」
「はい! ありがとうございます、マークさん!」
―――― ★ 神さまの贈り物 ★ ――――
海竜のいた岬の海上――
「ここからは風を摑まえて波任せだね、トトリちゃん」
「はい。道中島があればそこを探索ということで」
ロロナ言葉にトトリが応える。
「帆の方は問題ないわ。ちむの操作の方も大丈夫そうよ」
「ちむ!」
ミミの言葉に横にいたちむが手をあげて応える。
「わかりました! 錨をあげて、風と共に進みます!」
トトリの言葉とともに、船はゆっくりと風を受けて進みだす。
トトリの母親探しの旅は、本格的に始まったのであった。
土下座するはじまりの錬金術士「まことにごめんなさい」
背中が煤けた青レンジャー「……いいんですよ、あたしなんか」
睨む黒レンジャーと涙目の赤レンジャー「…………」
土下座するはじまりの錬金術士「……おねがい、ゆるして」
トトリDXはもうちょっと海(というか別大陸を)を探索出来ていたら、実に楽しくなっていたと思います。
ここら辺書くためにトトリをやりなおしてたんですが、出港時にお父さんが東に行けと言ってました。完璧に見逃してましたよ……(汗)