はじまりの錬金術士のアトリエ ~ 神様の贈り物 ~ 作:遊佐
ええと、道中の参考書は回収してますよ……?(シナリオの糸を隠しながら)
今回は真面目なお話ですが、メタな部分があります。ご了承くださいw
※お詫び
トトリのアトリエ27話にて、ミスがありました。
ステルクのロロナでの雇用額が200になってましたが、正確には300コールでした。
マジですいません……
3週間後――
「大陸はまだかしら……」
ミミが周囲を見ながら呟く。
岬から3週間。途中の島を経由しながらの船旅だった。
「でも、まさかアイゼルさんが船酔いするとは思わなかったね」
「まあ長期間、船に乗ったことないならしょうがないわよ」
トトリたちに同道したアイゼルだったが、二週目が過ぎた頃に船酔いでダウン。もう無理、ということでエリーと共にトラベルゲートで、アトリエへ戻っていった。
なお、秘密バッグはこちらで持っているので、後で回収可能であった。
「多分、もう回復していると思うけど……」
「まあ、向こうで待っていてもらいましょう。なにかあればこちらもトラベルゲートで帰れるし」
「船ごと帰れるかな……?」
「それは……できるの?」
「さあ……?」
注)メタなことになるのでツッコまない様に。ゲームの仕様です。
「トトリちゃん、陸地! 陸地が見えるよ!」
ロロナの声に、トトリもミミも舳先へ向かう。
ロロナが叫んだ先には地平線まで続くような大陸があった。
「もしかして、ここにお母さんが……」
トトリは潮風に髪をなびかせながら、先に見える大陸に思いをはせた。
―――― ★ 神さまの贈り物 ★ ――――
「うわあ……真っ白。ここが潮の流れの先……」
「うう、寒いわ……」
トトリが周囲を見回す。隣にいたミミは寒さに震えていた。
「トトリちゃん、ミミちゃん。ハイ、防寒着。風邪ひいちゃうよ」
「ありがとうございます、ロロナ先生」
「……助かります」
二人が着こむのを見届けた後、ロロナは雪原の先を見る。
「遠くに塔みたいなのが見えるけど……ちょっと先に煙が見えるね。家があるみたい」
「とりあえず家に行ってみましょうか。そこで話を聞かないと」
「情報収集ね、わかったわ」
―――― ★ 神さまの贈り物 ★ ――――
「あ、ここは……」
トトリの目の前に、雪に埋もれた家々が並ぶ
「村……だ。こんな寒いところにも人が住んでるんだ……」
トトリたちが村に入ろうとすると、あれよあれよと村の中の人たちが集まってくる。
あまりの注目に、怖気づくトトリ。
「う……ものすごく見られてる」
「トトリちゃん、あいさつ、あいさつ」
「そ、そうだ、ちゃんとあいさつしないと……す、すみません」
ロロナの言葉に意を決してトトリが話しかける。と――
「こんにちわ」
一人の女の子が前に進み出た。
「う、うん。こんにちわ。えっと……?」
「おねえちゃん、だあれ?」
「わたしはトトリ。あなたは?」
「ピアニャだよ? おねえちゃん、どこからきたの?」
「えっとね、アランヤ村ってとこから。ずーっと船で……」
「アランヤ村……えー!」
トトリの言葉にピアニャが驚く。
「アランヤ村!? 本当にアランヤ村!?」
「え、う、うん……そうだけど? ピアニャちゃん、わたしの村のこと知ってるの?」
「わわ、大変大変! おばあちゃーん!」
ピアニャが急に振り向いて駆けだす。
「あ、待って!」
「トトリちゃん! 追いかけよう!」
「ロロナ先生?」
「アランヤ村のことを知ってるってことは、もしかして……」
「あ!」
ロロナの言葉に思い至るトトリ。
すぐにピアニャを追おうとするが、すでに見えなくなっていた。
「ああ……どこ行っちゃんたんだろう?」
「とりあえず探してみようか」
―――― ★ 神さまの贈り物 ★ ――――
「見当たらないなあ……」
「というか勝手に家にも入れないしね」
「うう……やっぱり寒いわ」
三人が歩いていると、ふと開けた場所に小さなお墓があった。
「お墓……? なんでこんなところに一つだけ……?」
「恩人の墓だからじゃよ」
と、トトリたちが振り向くと、そこにはピアニャと一人の老婆がいた。
「きゃあ! あ、ごめんなさい。勝手にお墓を……」
「かまわんよ。アランヤ村から来たのであれば、おぬしとも縁があるじゃろう」
「縁? わたしと? あの、誰のお墓なんですか?」
トトリの言葉に、老婆は静かに言った。
「ギゼラ。ギゼラ・ヘルモルトの墓じゃ」
「え……?」
トトリが呆然とした様子で聞く。
「や、やだ。何を……言っているんですか……?」
「……どことなく面影が似ておるな。娘が二人いると言ってたが……すまん。わしには頭を下げることしかできん」
「や、やめてください! そんな冗談、わたしだって怒りますよ!」
「と、トトリちゃん……」
「トトリ……」
トトリの珍しい剣幕に、ロロナとミミが慌てる。
だが、目の前の老婆は、目を閉じ頭を下げるだけだった。
「……すまぬ」
「やめてください! ウソですよね、ウソなんですよね!」
「………………」
老婆は沈黙で答えるのみ。
「そんな……」
トトリは、よろよろと後ずさりする。
そして墓に背が当たって、再度墓を見た。
我らが恩人ギゼラ・ヘルモルトを称え、ここに眠るものとする――
その言葉が彫られた文字を見て、トトリの腰が砕けた。
「トトリ!」
「トトリちゃん!」
「……わたしだって。わたしだってもしかしたらって思ったことはあったよ……?」
駆け寄る二人にも気づかず、トトリは墓に語り掛ける。
「いくら探したって実はもう……って何度も考えたけど、でも、やっと。やっと見つけた、のに……」
「トト……」
ミミが声をかけようとして、ロロナに止められる。
「やだ、うそだよ……やだよ……やだ、やだ……」
ポタ。
涙が一滴流れ――
「やだよぉ………………」
後は、止まらなかった。
「おばあちゃん。どうしてトトリは泣いているの?」
「……落ち着いたら、わしの部屋にお通ししなさい。大事なお客様だからの……あなたがたも」
「……はい」
ロロナは去っていく老婆に頭を下げ。
ミミは、泣き叫ぶトトリに駆け寄り、その背を抱きしめた。
ピアニャはただ、その様子を不思議そうに眺めるだけだった。