はじまりの錬金術士のアトリエ ~ 神様の贈り物 ~ 作:遊佐
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名も無き村――
トトリたちは船の上で新しい装備に袖を通していた。
「あはは……このセイントローブ。着心地がすごくいいや……」
「っていうか、武器迄新調されているし……」
もはや目が死んだ様子で服を着る二人。
「杖も武器もとんでもなく強くなってるね……これ、多分竜のつのだ」
「どこから手に入れたのよ……」
「あの三人だもん。わたしたちがひいこら言う相手でもどうにでもできちゃいそう……」
「……もう三人に任せちゃう?」
「それは、いやだなぁ……」
トトリとミミがレイプ目のまま乾いた笑いで、同時に嘆息した。
「トトリちゃん、ミミちゃん。装備つけた?」
「ロロナ先生……」
「んじゃ、西にある採取地でレベル上げるよ」
「「 え? 」」
「マリーちゃんがきたら最悪、塔の悪魔と戦うからね。レベルあげておかないと」
「必要ですかね、わたしたち……」
「何言ってるの」
トトリの言葉に、ロロナが呆れるように言葉にした。
「お母さんの仇を討たなくていいの?」
「!!」
ロロナの言葉にはっとするトトリ。
「だれでもない、トトリちゃんが討つべき仇でしょう?」
「……そうでした。そうでした!」
トトリの眼が燃え上がる。
「わたし、やります!」
「そうだよ、トトリちゃん」
「……まあ、そうね。私達がやらないとね」
燃え上がるトトリの横で、ミミも覚悟を決めた目で立ちあがった。
「マリーちゃんたちが来るのはあと半月ぐらいを見ておけばいいよ。それまでは修行だね」
「はい!」
―――― ★ 神さまの贈り物 ★ ――――
3週間後――
「おーい」
「あ、マリーちゃんだ!」
じゅうたんに乗って現れたマリー達に、ロロナが声をあげる。
「おまた~ちょっとかかっちゃったね」
「ううん。おかげで修行できたし」
「へえ……その成果か、この惨状は」
マリー達の足元で、息も絶え絶えに倒れたトトリとミミがいた。
「なにやったの?」
「うーん? ブートキャンプ?」
「夜の領域のアレかい……そんな大物いたの?」
「ううん。代わりにラウムリザード300体討伐」
「そりゃそうなるわな」
マリーが嘆息する。
その後ろからエリーとアイゼル、そしてパメラが現れた。
「あらあら~トトリ泥だらけねぇ? 大丈夫~?」
「み、みず……」
「ミミズはないわねぇ~」
「……ジーノくんの気持ちが分かった。これはイラっと来る……」
トトリの言葉に、冗談よと言って水を出すパメラ。
「ずいぶんしごかれたね。かなりレベルアップしているんじゃない?」
「そうね。割と50に近いぐらいかしら」
「そりゃあんだけ刈ればレベルも上がりますよ……」
エリーとアイゼルの声に、ミミが起き上がって応える。
「まさか群れを相手に何日も戦い続けることになるとは……しかもトトリと私だけでですよ?」
「先生は見てるだけでしたもんね……」
「まあ、そらねえ……」
トトリとミミの声にマリーが苦笑する。
「知ってたかい、君たち? ロロナはわざと君たちレベルにまで戦闘力落として今まで戦っていたんだよ」
「「 え? 」」
「そらそうだろ。あたしと一緒にいてなんでレベルが低いと思ってんだい」
「あはは……まあ、私やステルクさんは本来の力をかなり落としていたからね」
「うそ……」
「この腕輪ね、見える? これ師匠謹製でね。レベルを半分以下に抑えるものなの」
「こいつをスーくんとロロナは付けて戦っていたってわけさね」
「えええ……」
驚愕の事実。ロロナとステルクはレベル縛りをしていた!
「まあ、マリーちゃんたちはそれをつけていないから……」
「まあ、正直それをつける羽目になったのはあたしのせいだしねぇ」
「え? なんで……」
「ほら、ギゼラとあたしがやりあっただろ? その時に止めたロロナやスーくん、クライスも周りが化け物を見る目になっちゃってね。あたしは面倒だから拒否ったし、見える脅威ということでしなかったけどさ」
「だからくーちゃんやジオさんと話して、普段は力を抑えるようにしていたら、これは良い修行になるって帰ってきた師匠から無理矢理ね……」
「んで、その代わりに学習力アップという機能付きの腕輪をつけていたのさね。今どんくらい?」
「ん~……もうすぐ90かな」
「「 えええええええええええええええ!? 」」
「多分ステルクさんは99越えてると思うよ」
「「 うわあ……………… 」」
そう言ってロロナが腕輪を外すと、確かにロロナの存在感がずっと増しているように感じた。
「だから、ま~ロロナもすでに超級ってことさね。理解したかい?」
マリーの言葉に、トトリとミミはこくこくと首を縦に降った。
「まあ、アイツは本当に暇があればいろんなものを作るからねぇ。あたしもうかうかしてられないわ」
「……一ヶ月で装備を新調して、その他もろもろ作った人が何か言ってますね」
「おかげで私たちは列島を制覇する羽目になったしね……」
マリーの言葉に、エリーとアイゼルが溜息をもらす。
「いいリハビリになっただろ? そもそもドラゴン相手に何度も戦ったアイゼルが言う事じゃないさね」
「あ・な・た・が! つのやウロコを持ってこいというからでしょうが!」
「まあ、人数分のつのを集められたのはよかったですけどね……」
「うわあ……」
あっちもあっちでどうかしているようなブートキャンプだったらしい。
「なにはともあれ。んじゃ悪魔を倒しに行こうかね」
マリーの言葉に、それまでの雰囲気を正して闘志を燃やす一同がいた。
「……でも、本当にパメラさんが死ぬんですか?」
未だになぜ喜んできたのかわからないパメラに、トトリは呟いた。
多分まだとり切れていない誤字が残ってそうだなぁ
装備のデータは……いいか。既製品だし。