はじまりの錬金術士のアトリエ ~ 神様の贈り物 ~   作:遊佐

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掲載4時間前に投稿……とりあえず4話だけ




アーランド王国、ロロナのアトリエ――

 

「できました! 秘密バッグです! じゃん!」

「ほほー……」

 

ロロナが出してきた水色のネコのバッグ。

中は家のコンテナと直結しており、わざわざかごに入れて持ち帰らなくても素材が出し入れ可能となった。

 

「どう? ねえ、どう?」

「うんうん……あたしがこういうの見るのは初めてだね。なるほどなるほど……」

 

自慢気に見せてくるロロナに、効果を確かめるマリー。

 

「これで低品質でも拾ってきて、後でお金に換えられるよ!」

「ふむふむ……まあ金策としては悪くないかな。劣化防止は祝福のコインでやっていたとはいえ、ね」

「うん! 地味に捨てるのがストレスでした!」

「アトリエやってるとせちがらくなるよねぇ……」

 

1コールを嗤うものは、1コールに泣く。

工房経営者にとって、金策は必須だった。

 

「エスティさんの依頼のウサギのシッポの試作品で作ったから、ちょっと品質が低いけどね」

「でも、問題なく動いてるし、品質上げても見栄え良くなるだけだし、問題ないんじゃないかな。あとは……ふむ」

「? どうしたの?」

「………………うん。ロロナ」

「なぁに?」

「コンテナ1つ、今あるコンテナの隣に置いておきたいんだけど、いい?」

「へ?」

 

アトリエの中にあるコンテナを見る。

あれは師匠謹製のコンテナで、見た目よりもずっと中に入る量が多い。

ちなみにロロナが使うかごも実は師匠謹製で、大きさに限らず個数分の物が入る。

 

「別にいいけど……コンテナの容量に余裕あるよ?」

「いや、あれほど大きくする気はないんだ。ただ、あたし専用に爆弾入れたくって」

「爆弾!?」

「正確には弾かな。あそこに作った弾を山ほど入れておけばいいかなって」

「どんだけ作る気なの!?」

「最低でも10万個」

「じゅ、じゅうまん~!?」

 

あまりの量にくらくらする。

そりゃコンテナを圧迫するのは、目に見えている。

 

「通常攻撃で使うとなると、それぐらいいるだろうから。幸い、作るのはホムちゃんたちが一日で数百個以上作れるし」

「確かに、あれはそんなに手間じゃないから量産できるけど……」

「だから作るのはいいけど、さすがに保管場所がね」

「う、うん……いいけど。というか、作れるの?」

「秘密バッグの応用で時空間操作すれば、十分作れるかな」

「ほえー……」

 

秘密バッグを見ただけで新しい制作物を考えるマリーに、ロロナはただ嘆息した。

もしかしてマリーちゃんって、師匠よりすごい? と……

 

「ついでだし、あたし専用の秘密バック作って弾倉にしちゃうか」

「また! またなの!? また凄いこと考えてるー!?」

「錬金術士だもん」

 

ロロナは、そう言ってからからと笑うマリーに、再度溜息を吐いた。

 

 

 

   ―――― ★ 神さまの贈り物 ★ ――――

 

 

 

「もうね、もうやってられないんですよ!」

 

ダンッ、と持っていたジョッキを叩きつけるロロナ。

ちなみに飲んでいるのは酒……ではない。黒の香茶である。

 

「また香茶をジョッキでよこせというから、何かと思えば……」

「まんま酒飲みのアレよね」

 

イクセル食堂にて酒を飲んでもいないのにくだを巻くロロナに、イクセルとクーデリアは呆れるように言った。

 

「私が苦心して作った一つを見て十を思いつくんだよ? さすがにもう自信とかそんなものなくなるよ!」

「まあなあ……俺が、お前に料理で負けた時のようなもんか」

「うっ……そ、そんなこともあった、かなぁ」

「あったんだよ! この天然天才娘め」

 

イクセルが料理勝負で負けた時の恨みを言うと、ロロナは視線をそらした。

 

「まあ、だからこそイクセルプレートが出来たんだが。お前だって刺激を受けてんだろ?」

「うっ……それは、そうだけど」

「んじゃ、がんばるしかねえな」

「ううううう……イクセくんのいじわる」

 

突っ伏したロロナが、テーブルにのの字を書く。

はあっと、クーデリアがため息をついた。

 

「あんた……ナチュラルに他人の想定を超えていかれる気持ちが分かった? あんたに対してあたしたちが思っていたのは、まんま今のアンタの気持ちよ」

「んなっ! そんなこと思ってたの!?」

「思ってたのよ、この天然娘! 最初は手助けしてたら、こっちが思っている以上にどんどん成果出していくんだから! あの時、金策に苦労したあたしの気持ちを返しなさい!」

「でもでも! 頼んでもいないのにあんな依頼をしてきたのは、くーちゃんじゃない!」

「ああ!?」

 

睨むクーデリアと、泣き顔で睨むロロナ。

 

「おまえら、仲直りしたんじゃねえのかよ」

「したわよ! したけどそれとこれとは別なのよ!」

「まったく……ほらよ。これでも食って機嫌直せ」

 

そうしてイクセルが、イクセルプレートを出してくる。

それを見たロロナのクーデリアのお腹が、同時に鳴った。

 

「うっ……」

「怒ったらお腹空いたね……」

「しょ、しょうがないわね! 一時休戦よ!」

「やれやれ……」

 

 

 

   ―――― ★ 神さまの贈り物 ★ ――――

 

 

 

「ただいまー……」

「「 おかえりなさいませ、マスター 」」

 

ロロナが帰ってくるとホム達が迎え入れる。

 

「あれ? マリーちゃんは?」

「仮マスターでしたら釜の所に」

「? マリーちゃん、何してんの-?」

「あ、ロロナ、お帰り。ちょうど今できたところだよ」

「へ? なにが?」

「じゃん! 新しい錬金釜です!」

 

そう言って見せてくるのは、おしゃれな錬金釜だった。

 

「おおー!?」

「どお?」

「すごいすごい! かっこよくなった!」

「ふふふ! これでまた一つ金策になるね」

「え? なんで?」

「これね、材料が少なくても効果や効率が落ちない釜なの」

「え?」

「大体1~2個ぐらいは個数減らせるかな。最高品質だよ」

「えええ!?」

「材料は高品質なら種類に限らずインゴットで足りるし、錬金炭と神秘の力の素材の高品質なの選んで、特性で底上げしました!」

「えええええええええええええええええ!?」

「やったね! これで財政は潤うね!」

「また! またなの!? またやっちゃったのー!?」

 

ロロナが叫ぶ。

マリーはからからと笑った。

 

「錬金術士だもん」




レベル70とか80ぐらいの錬金術師でも国をどうこうできちゃうからね。
99オーバーじゃしかたないね。(苦笑)
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