底辺Vtuber昔やり込んだロボゲーの続編でバズり散らかす   作:ロボワン

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第28話:初の大型エネミー戦

 リリアンさんのシップに乗せてもらい。

 少し作戦会議をしてから、俺たちはそれぞれの機体のコックピッドに乗り込んだ。

 そうして、俺は皆にお願いしてから生配信を開始し――

 

「はい! おはこんちゃー! 根黒万太郎です! 今日は何とリリアンさんと月島さん。そして、俺の友人たち一緒に――大型エネミーの討伐を行いたいと思います! いぇい!」

【……急に始めるから何かと思ったけど……普通のだよね?】

【まさか、やべぇ相手に喧嘩は吹っ掛けないよね……フリじゃねぇからな!?】

 

 リスナーさんたちが心配している。

 俺は普通の大型エネミーであると伝えた。

 すると、彼らはホッとしたようで……普通だよな?

 

「リリアンさーん! 月島さーん! 聞こえますかー?」

《はい。聞こえていますよ》

《私も! 問題なしです!》

【……今思ったけど、異性でコラボばっかしてよく炎上しねぇな】

【そりゃお前、相手は天下のホワイトレコード様だぞ? 間違っても根黒氏は燃えねぇよ】

【まぁリリーとサラちんのリスナーさんたちもホワイトレコード信者は多いし。問題ねぇっす!】

【俺が燃やしてやるよ。根黒万太郎】

【スケベのカタギリさんちっす】

 

 リスナーさんたちのコメントに反応しつつ。

 三人で軽快なトークをする。

 すると、別の通信が繋がされて――

 

《先生ぃ? 私たちをのけ者にしないでくださいね♡》

《……配信者なんだぞ。気くらい遣うだろ、たく》

【……女?】

【おっと?】

【燃やしてぇなぁぁ!! なぁ!! おい!!】

 

 コメントが荒れ始める。

 すけこましやヤリチンなど心にもない事を言われる。

 その中にはカタギリさんもいて……いや、カタギリさんは別にいいや。

 

「ちょ、ちょっとぉぉ。皆さんひどいですよぉ。4人は俺にとって大切な友達ですから! 間違っても、そういう対象みたいに言うのはダメですよ! 4人だって迷惑しますか」

()()()()()

【ここあっちぃすね】

【そうか? キンキンに冷えてるぞ】

【何時か君は刺されるだろう。ボブは予言した】

【……お前を殺すのはこの俺だ。それまでは死ぬんじゃねぇよ】

【ここにもヒロインがいますぞ!】

 

 四人は無言。

 俺は冷汗を流しながらもトークを続けて――マップが表示された。

 

「あ! そ、そろそろですね! それじゃ、皆さん、心の準備を! 激しいバトルになりますよぉ」

【……この地形……これって“無命氷界(むめいひょうかい)”じゃね?】

【無命氷界の大型エネミーって……あ】

【はは、根黒氏ぃぃぃ……騙したな?】

【おいおい嘘だろ? あ、アレを? たった五人で?】

 

 リスナーさんたちはマップの一部を見ただけで自由探索領域の場所を言い当てた。

 俺は流石だと褒めつつ、機体を固定している台座が動いていくのを感じる。

 ゆっくりと旋回し、斜め右へと向けば壁が展開されて行った。

 見れば、皆の機体も出撃シークエンスに入っている。

 俺はボタンをつけていき、レバーの感度をチェック。

 しっかりと握り閉めてから、俺は姿勢を低くする。

 

「それでは、氷界の大型エネミー――“バルトゥイ”を討伐に行きましょう!】

【魔王の討伐……これが勇者パーティか】

【酔い止めを飲んでおけ。俺はもう飲んだぞ】

【バケツの用意完了! いつでもゲロれます!】

 

 ランプが点灯。

 順番に点灯していき――緑のランプがつく。

 

 瞬間、足裏を固定していたものが勢いよく動く。

 俺はスラスターをつけながら、勢いよく進み――飛ぶ。

 

「うお!」

 

 凄まじい吹雪だ。

 空調は完璧に作動している筈なのに。

 パイロットスーツ越しでも寒さを感じる。

 命無き氷の世界、その名は伊達ではない。

 俺はそう感じながら、ペダルを踏みこみ更に加速。

 すると、後方からリリアンさんたちの機体が追いついてきた。

 彼女は斜め後ろに留まり、通信を繋げてきた。

 

《バルトゥイは、この氷界の中心にて確認されています。そこから動く事は無く、攻撃を仕掛けない限りは戦闘になりません》

《アイツ、めっちゃ硬くて強いですよ! 私たちもお試しで挑みましたけど、マジで硬いですから!》

《ふふ、バルトゥイは本来20名以上の凄腕が組んで仕留める相手ですからねぇ。本来、たった5人では相手にもなりませんよ……まぁ先生と私であればその限りではありませんけどね》

《肩慣らしには丁度いいじゃねぇか。はは》

「楽しみですねぇ。大型エネミー戦は、大怪獣バトルみたいで燃えるんですよねぇ! こういう時の為に、Cパターンを用意してましたから!」

【遠足見てぇな会話だけど、絶望級の相手と戦うんだよな……住む世界が違うぅ】

 

 現在、AからDまで用意した武装構成。

 Cタイプは人型よりも、大型の敵に対しての装備となる。

 中でも、エネミーに対しては有効な筈で。

 今回の大型は的が大きいからこそ外す心配はない。

 

 対大型用兵装である“重爆鋼槍砲(じゅうばくこうそうほう)”。

 見かけは大型のパイルバンカーだが。

 実際は遠距離から打ち出す武器であり。

 小型のブースターによって爆薬を詰め込んだ約七メートルある槍が敵へと突っ込み。

 そのままドリルのようになった先端が回転し、敵の装甲深くまで食い込む。

 そうして、槍が完全に停止すれば、起爆し内部から敵を破壊する。

 単純な仕掛けだが、内部から破壊するからこそ数発でも大型を仕留められる。

 武装自体に五発を仕込ませて、打つごとに自動で次弾が装填される。

 背中の方には矢筒のようマガジンが横に伸び、サブアームによってそれ事、装填される仕組みとなっている。

 

 合計で十発。

 後は左腕側に、エネルギブレードを仕込んでいる。

 カートリッジ式であり、最大出力で使えば展開してからはおよそ十五分は使える。

 

 俺は吹雪で覆われた視界の中で、徐々に見えて来た巨大な敵のシルエットに口笛を吹く……デカい。

 

《氷雪地帯専用のバイザーに切り替えます》

「了解!」

 

 リリアンさんの言葉に俺もバイザーを切り替える。

 瞬間、シルエットしか見えなかった敵の姿が完全に露になる。

 天を向くように固まっている超大型の――“機械体のクジラ”。

 

 全長300メートルを優に超える巨体。

 戦艦級の巨大さであり、今は沈黙しているが戦闘になれば多くの傭兵を絶望させる力を発揮する。

 出鱈目な攻撃では意味がない。

 考えた上で、的確に弱点を責める必要があり――まぁ、でも!

 

「一発目――頂きますよ!!」

《頼みます!》

《先生!》

 

 俺はリリアンさんたちの声を聞きながら――加速。

 

 

 そのまま、天を仰ぎ見るクジラの周りを飛び。

 一気に上へと上昇し、小さく開いた口の上で停止。

 ロックオンサイトは機能しない。

 手動で狙いをつける。

 

 網膜でのスキャンを開始。

 ズームをして、氷の隙間を確認し――

 

「いっけぇぇぇ!!!」

 

 俺は武装を展開し――放つ。

 

 爆発音と共に、槍が射出された。

 空中で槍のブースターが機動。

 炎を噴き出しながら、槍は回転し進んでいく。

 

 真っすぐに進んでいくが、風にあおられて軌道がズレる。

 が、それは計算済み。

 揺れに揺れてブレにブレて――が、氷の隙間を通過。

 

 そのまま槍はバルトゥイの体内へと入り――爆発。

 

 

「――――!!!!」

《来ます!!》

 

 

 バルトゥイのセンサーが真っ赤に輝く。

 そうして、口から煙を僅かに立ち昇らせながら。

 大きく咆哮し、体中の氷が――砕け散る。

 

 奴はそのまま、その巨体を一気に上へと飛ばす。

 俺は一瞬の判断で、全力からその場から離れる。

 すると、奴の巨体は突風を発生させながら通過。

 そのまま宙を泳ぐように舞いながら――装甲を展開する。

 

「高出力レーザーに、マルチロックミサイル、プラズマガトリング――豪勢だな!!」

《うぅ!! 先生!!》

 

 月島さんが怯えている。

 俺はにかりと笑う。

 

「大丈夫!! 君なら――出来る!」

《……! はい!!》

 

 怯える月島さんを鼓舞。

 そのまま俺たちは作戦通り散開。

 敵のターゲットは今は俺だ。

 奴は真っすぐに俺へと向かってくる。

 俺は奴を引き付けながら空を舞う。

 

 大型エネミー戦は、グリードでは初か。

 相手は魔王と呼ばれた存在だが。

 

 相手にとって不足は――無い!!

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