底辺Vtuber昔やり込んだロボゲーの続編でバズり散らかす   作:オタリオン

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第45話:主人公だからこそ楽しまないと!

 標準的な高機動モデルの速度――が、技量は中々に上等。

 

 ショットライフルをただ撃つだけではない。

 接近してからのゼロ距射撃。それが外れれば、もう片方のショットライフで間髪入れず二発目を発射。

 その間に片手でリロードし、外れる事を前提とした立ち回りをベースにしていた。

 

 フェイントを混ぜての駆け引き、撃つ瞬間を見せながらもブーストで死角へと回り。

 此方が牽制の弾を放とうとすれば、既にそこにはいない。

 此方もそのフェイントを予測し、相手に態と隙を晒したが。

 攻撃をするギリギリのタイミングで、砂を巻き上げて視界を潰してきた。

 反射的にその場を離れる動きを取ろうとすれば、ランチャーによる攻撃で予測攻撃を仕掛けて来る。

 その精度はかなりのものであり、タイタンシリーズに慣れている俺でさえも肝を冷やすほどだ。

 

 単純な速さによるかく乱はしない。

 全ての武装と場にあるものを巧みに利用している。

 距離を詰めてからのショットライフルによる攻撃。

 そこから此方が回避する事を想定した上でのミニガンによる牽制で攻撃をさせない。

 此方の動きを制限させて、砂漠の砂を派手に巻き上げながら此方の自動照準機能を解除させていた。

 他にも態と大胆な動きをし此方を大型シップへと誘い込み、暗闇の中にて仕留めようとする自信の高さ――とても良い!

 

 俺は彼の動きを観察する。

 そうして、殺意と苛立ちを積もらせながらも。

 全く鈍る事の無い操縦の腕前に感心していた……が、足りない。

 

 まだまだ発展途上。

 型から完全に抜け出せていない。

 残念であり、惜しい事であり――型を壊してあげたくなった。

 

 俺は暗闇の中で、死角から彼の攻撃を察知し一瞬で放たれた弾丸を前へと飛び回避。

 そのまま地面を蹴り上げて、残骸の隙間を縫うように飛行し、天井の裂け目へとハンドガンで攻撃。

 数発の弾丸で天井は崩落。

 落下して来た残骸を避けてから、そのまま開いた穴から外へと飛び出す。

 彼も遅れて俺を追って来る。

 それをバックカメラで確認しながら――背面飛行をする。

 

《――!》

 

 彼は驚きながらも、此方の射線から逃れる。

 機体を振りながら、此方のロックを絞らせない。

 教科書通りの対応方法であり、もしかしたら何処かのスクールの出身者なのか?

 

 興味は尽きないながらも、俺は通信を繋げた状態で――にやりと笑う。

 

「どうしました? 俺を殺したいんでしょう? センスは良いですけど、少々攻めっ気が足りないと思いますよ! もう少し、大胆に攻めても良いんじゃないですかね?」

《……挑発かよ。はっ! 伝説って言われても、所詮はその程度かよ! 俺は安い挑発には乗らねぇぜ?》

 

 彼は笑みを浮かべながら、俺の挑発を受け流す。

 そうして、ブーストして接近しショットライフルを――放つことなく更にブースト。

 

 此方が姿を視認するよりも前に前方へと躍り出て。

 そのままカメラ外から攻撃をしようとし――俺も下へとブーストする。

 

《……!》

 

 背面飛行のまま下への急降下。

 一気に地面へと近づく中で、そのまま脚部のサブスラスターを点火し。

 一気に前へと進み、見えない中で地面スレスレを飛行する。

 砂を巻き上げながら、勘で地面から出る残骸を避けて行く。

 彼は舌を鳴らしながらも俺を追ってきて――

 

「そうですかそうですか。それなら、仕方ないですね。なら――弟さんの機体が壊れたのも当然の結果ですか」

《――あ?》

「だってそうでしょう? 俺のアドバイスを挑発と受け取った。それって結局――話を聞かないからこそ、弟さんの機体が壊れたって事じゃないですかね?」

《……何が、言いてぇんだよ》

 

 彼は声を低くする。

 俺はくすりと笑いながら、分かりやすいように伝えてあげる事にした。

 

「兄弟なんです。人の話を聞かないのは遺伝では? だからこそ、上等な獲物につられて――無様に殺されるんですよ」

《――このクソ野郎がァァ!!!!》

 

 彼はぶちりと切れた。

 そうして、今までの洗練された動きではない。

 荒々しいブーストにて接近してくる。

 初期機体では、高機動モデルの加速には負けてしまう。

 だからこそ、彼の接近を再び許し――ハンドガンを放つ。

 

 瞬間、俺の弾丸は死角から迫った“彼の機体の腕”に命中する。

 彼はその衝撃で射撃がブレた。僅かに狙いが逸れて、弾丸の一部が俺の機体の肩部を掠めて行った。

 俺はブーストし距離を離しながらも、自動照準無しで彼の手足に弾丸を放つ。

 

 放った弾丸は精確に、手足に命中。

 が、所詮は安いハンドガンであるからこそ大したダメージにはならない。

 彼はそれを理解しているからこそ――被害を考えずに突進してくる。

 

《死ねやァァァ!!!!》

「はは! 良い殺気ですね!! でも――ただの獣に傭兵は殺せませんよ?」

《黙れェェェ!!!》

 

 彼は連続してブーストし、俺の周囲を舞う。

 目では捉えきれず、レーダーも狂っていた。

 モニターも狭いからこそ、彼の機体は完全に死角を取っていた。

 弾丸が放たれる直前――勘でブーストする。

 

 一瞬だ。

 一瞬の判断ミスで――お陀仏だろう。

 

 そんな危機的状況の中で、自らの勘のみを信じて――ギリギリを攻める。

 

 弾が放たれた瞬間では遅い。

 だからこそ、完全なる予測にて一秒にも満たない時間の間にブーストする。

 それによって、弾丸は機体の一部を掠めるだけだ。

 俺は笑みを深めながら、レバーとペダルを小刻みに動かし。

 姿勢を完全に制御しながら、嵐のような攻撃を避けて行く。

 

 ミニガンによる斉射は弧を描くように回避。

 ショットライフルによる連続攻撃は、回避が出来れば行い。

 無理であれば、敵の腕を狙って軌道を逸らさせる。

 敢えて操作ミスを装い、相手にランチャーを撃たせれば。

 その硬直時間の間に、ブーストで接近し、手足を弾丸で撃つ。

 

 それを何度も何度も繰り返す。

 地面を滑るように移動し、彼を見つめながら後ろ向きで高速移動。

 砂を巻き上げて俺を追ってくる彼をかく乱し、機体をジグザグに動かしながら常に視線を動かす。

 右へ左へ、上から下から、正面から来たかと思えばブーストで背後に回られて――“見えている”。

 その間も彼の心を乱すように、弟さんの事に関して発言する。

 

「もしも、少しでも知恵があれば、十万を超える機体が飛び交う“いかれた乱戦空域”に、そんな大事な機体に乗って来なかったでしょうね!! 貴方も弟さんも、それを考える思考能力が足りなかった!! だからこそ、功を焦り大きな過ちを犯したんです!! ははは、哀れで愉快でありがちなミスじゃないですかぁ!!」

《だぁぁぁまぁぁぁれぇぇぇぇ!!!》

「人のせいにすれば楽ですか? 俺が謝罪すれば、それで心が晴れると? はは――ちげぇだろ!! アンタはただムカついたからスッキリしたいだけなんだよ!! 理不尽が嫌いで、ストレスでむしゃくしゃするから取り敢えず俺をぶっ殺したいだけなんだ!!」

《違うッ!!! 俺は、俺はァ!!! アイツの、真一の為にッ!!!》

「取り繕うなッ!!!! 傭兵だったら、ゲーマーなら――自由に戦って見せろォォ!!!」

 

 俺は叫ぶ。

 タイタンシリーズにおける傭兵とは、この世で最も理不尽な存在だと。

 善人ロールでも、悪人ロールでも同じだ。

 自分自身の信じるものの為であれば、どんな行動だってとれてしまう。

 1を犠牲に100を救う理不尽も、100を殺し1だけを愛する理不尽も。

 全てを台無しにしてしまう理不尽も――“それこそが傭兵であり、この世で最も自由なこの世界の主人公だ”。

 

 敵の攻撃は苛烈さを増す。

 リミッターを外したのか更に速度は増し。

 攻撃全てを回避出来なくなっていき、弾が装甲を掠めて行く。

 システムが被害を淡々と報告する中で、俺は目を輝かせなが笑って――彼に伝える。

 

「恨んでいい!! 殺したって構わない!! 自分の利益の為の行動も!! 他者を救うための犠牲も!! 全てがこの世界では許される!! だからこそ、つまらない理由なんかをつけるんじゃねぇ!! アンタは何だ!! 何のためにゲームをプレイする!? かっこいい兄貴になりたいのか!? 弟に尊敬されたいのか!? だったらそう言えばいいじゃねぇか!! 正直になれ!! 理不尽になり切れ!!! 主人公として好きな事だけしていろ!! お前がこの世界(ゲーム)で本当にしたい事を――全力で楽しめよォ!!!」

《……ッ!! だったらぁ俺はぁぁ――お前を今すぐにぶっ殺してやりてぇよォ!!! クソ野郎ッ!!!》

「ははは!! 良いじゃん!! それだよそれ!! 今のアンタは――最高に傭兵だァ!!」

 

 俺は笑う。

 相手も笑っていただろうか。

 分からない。が、互いにリミッターを解除し――地上で踊る。

 

 砂を派手に巻き上げて、残骸をスラスターで吹き飛ばし。

 相手はそれをショットライフルの弾丸で貫きブースト。

 巻き上げた砂事機体で弾き飛ばし、ぶつかる勢いで迫って来る。

 距離を取れば、ランチャー此方を向き火を噴く。

 ギリギリで回避すれば、すぐ近くで爆発し。

 その激しい熱で機体の装甲が焼かれた。

 俺はくぐもった声を出しながらも、迫る敵の手足に弾丸を放つ。

 敵は回避するまでもなく突っ込んできて、そのままライフルを――放つ。

 

「……!」

 

 俺は一瞬の判断で、機体の姿勢をずらす。

 瞬間、弾丸が俺の機体を貫いていった。

 深刻なダメージであり、出力が半分以下まで下がる。

 リミッターを解除しているからこそ、安全装置は働かない。

 オーバーロード寸前であり、俺は歯を食いしばる。

 俺は何とかその場から離れるが、出力の落ちた状態では敵を振り切れない。

 

 

《トドメだッ!!! 死ねやァァァ!!!》

「はは、最高だよ。その殺意と怒りを――忘れるなよ?」

 

 

 スローモーションに感じる中で。

 敵の機体が迫って来る。

 腕が上がり、二丁のショットライフルの銃口は俺へと向けれれる。

 俺は彼の視線を受けながら、静かに微笑む。

 次の瞬間には、機体が穴だらけになる未来が僅かに見える。

 そんな中でも、俺は“確かな未来”を想像し――銃声が響く。

 

 一瞬の衝撃。

 機体が揺れて、システムがダメージを申告する。

 機体に弾丸が当たった。が、俺の機体は――生きていた。

 

《な!?》

 

 敵の機体はそのまま横を通過していく。

 バランスを崩して、そのまま地面を転がっていった。

 激しい衝撃音、機体が残骸に派手に当たった音だ。

 バチバチとスパークする微かな音から、スラスターもいかれたのだと感じた。

 俺は静かに息を吐く。そうして、片手でヘルメットに触れてバイザーを上げる。

 

「はぁ、楽しかったですよ。どうもありがとうございました。焔のレッドソウルさん」

《……テメェ、まさか、ハンドガンで、俺の機体の……手足の、関節部だけを、精確に?》

「――ご名答。こんな豆鉄砲でも、露出した関節部に集中して攻撃をあてれば、手足を使えなくする事は簡単なんですよ?」

 

 俺はひらひらとハンドガンを振る。

 そうして、機体を動かして瀕死の彼の元へとゆっくりと歩いていく。

 彼はせき込みながらも笑っていた。

 怒りも殺意も消えていない。

 そんな中でも笑っていた。

 俺は彼の機体の前で止まり、今回の戦いの感想を聞いた。

 

《……どうして、お前は……無茶な戦いを仕掛けた来たんだ。お前には何のメリットも無かっただろう》

「メリット? まぁ確かに無いですね。多少は面白い配信になるとは思いましたがね……そうですよね。リスナーさん!」

【……うん、まぁ、そこそこ楽しめたかな?】

【ただのネームドにしては頑張った方だぜ!】

 

 リスナーさんたちの声を聞かせてあげる。

 すると、彼は舌を鳴らしてさっさと理由を話せと言ってきた……そうだな。

 

「何となく……やだなぁって思ったんですよ」

《は?》

「だからね? 他人を理由にゲームを遊ぶなんて……何か勿体なくないですか?」

《……どういう意味だよ》

「うーん。難しいんですが……例えば、貴方が格闘物が大好きだとします! しかし、貴方の弟さんは一緒に恋愛ものをしようといいます! 貴方は弟さんがしたいからと理由をつけて恋愛ものを“仕方なく”プレイする……嫌じゃないですか?」

《……あぁ、まぁ……うん》

【言いたい事はすげぇ分かるぜ】

【したいことをしろって事だよな?】

 

 リスナーさんたちの言葉も受けてレッドソウルは納得する。

 ゲームってのは楽しんでこそのものだ。

 理不尽な事もあり、全ての努力が水の泡になってしまう事だってざらだ。

 運営のやりたい事ばかりで、ストレスフルのゲームだって存在する。

 意味不明で、何がさせたいのかも分からないクソゲーも多いだろう。

 

 それでも、そんなゲームを最後までする人間は沢山いる。

 ストレスで禿げそうになっても、意味不明で評価が恐ろしく低くとも。

 全てのゲームにプレイヤーが存在し、100人が嫌いだというものを大好きだ胸を張って語る1人がいる。

 何故なら、彼らはそういうゲームが大好きで、何があってもプレイしたいっていう――想いがあるんだ。

 

「誰かの為にプレイするのも大事ですけどね。一番大事な事は、自分自身が楽しむ事ですよ? チート行為とかはダメですけどね。それ以外で運営が許しているんだったら……貴方がしたい事を自由に、全力で楽しみましょうよ!」

《……自由に、全力、か……そっか、そうだよな……はは》

「貴方もきっと、ネームドになるまでにすごく頑張った筈ですよね。理不尽に抗って、理不尽になって……だから、俺は貴方にも弟さんにも、これからもグリードを遊んでほしい。大切な機体を壊した俺が言うのはおかしいかもしれないですけど……大丈夫! どんな理不尽だって強くなりさえすれば問題ないです! 本気でこのゲームを愛しているんだったら、その想いは絶対自分自身を成長させます! センスが無いって言われたって、そんなものは愛でどうにでもなるんですよ!」

《……アンタも、そうだったのか?》

「……笑わないでくださいね? そう、俺も、昔はゲームのセンスは壊滅的だったんです。弾は当たらないし、敵にはすぐ殺されるし、センスなんて欠片もなかった……でも、心の底からゲームが大好きで。何度も何度もプレイしていたらね……友達と一緒に、楽しめるくらいにはなれました」

 

 俺は語る。

 1人では、絶対に成長は無かった。

 が、友達と一緒に一日中ゲームをし。

 馬鹿笑いして、互いに罵り合ったりしながらも。

 強敵を倒した瞬間は、互いに抱き合って喜び合った。

 

「たかがゲーム、されどゲームですよ……俺は本気で遊ぶ事が出来る人たちが大好きですから。貴方もきっと俺が大好きな人だと思ったから……もし、良かったら、また一緒に遊びましょう? 今度は、弟さんも一緒に……あぁ! い、嫌だったらいいんですよ! い、いや本当にすみません!! 俺、また場の空気で変な事を」

《――ぷっあははははははは!!!》

「……!?」

 

 彼は笑いだす。

 それは馬鹿にするものでもなければ、嘲るものでもない。

 純粋に面白いから笑い、愉快だから声をあげて……リスナーさんたちも嬉しそうに話す。

 

【本当にゲームが好きなんだねぇ】

【青春をゲームに捧げた男だ。言葉の重みがちげぇよ……多分!】

【やっぱりゲームは最高だぜ!】

【俺も好きなゲームがあるんだけどさ!! 今度、良かったらプレイしてよ!! マジおすすめだからさ!】

 

 彼は笑う。

 リスナーさんたちも妙な事を言い始めた。

 気づけば、アンチの人たちもやんやん言っている。

 が、全く敵意の無いゲームに関する雑談のようなもので……ふふ。

 

《ありがとな。アンタ……思ったより、良い奴じゃねぇか》

「え、お、俺がですか? い、いやぁ、それはぁ……ふ、ふへ」

《……今回は俺の負けだが――次は俺が勝つ!》

「……! えぇ望むところです! リベンジマッチは――何時でも大歓迎ですよ!」

 

 俺は笑う。

 彼も笑っていて――対戦が終了する。

 

 気が付けば、俺たちは面会室に戻っていた。

 彼は晴れやかな顔でお辞儀をしてから退室する。

 扉を潜って出て行く彼の背中は、俺の目には大きく見えて……ふふ。

 

 完全に扉が閉められた。

 今回の5時間に及ぶ配信はこれにて終了だ。

 中々の曲者揃いであったが、良い経験が出来た。

 俺は手錠を強引に引き千切り、くるりと椅子を回して後ろを向く。

 そうして、リスナーさんたちに締めの挨拶をしようと――突如、アラームが鳴る。

 

「ん? この音は、グリードの緊急メッセージか? ……まぁ後でもいいかな……ん?」

 

 俺はアラームを消して、そのまま挨拶をしようとし――コメント欄が加速する。

 

 見れば、俺に対してすぐにグリードを確認するように知らせていた。

 内容は不明だが、何かが起きているようで。

 俺は締めの挨拶は後回しにし、すぐにグリードのマイルームへと飛ぶ。

 すると、何時もの部屋への直行の前に――何かの映像が流れる。

 

 

 

「え? こ、これは?」

『汝、世界に力を示した勇者――今こそ、不滅の王への謁見を――王は座にて汝を待つ』

「……!?」

【こ、これはぁ!?】

【やっぱり噂は本当だった!!】

 

 

 

 渋みのある男の声が聞こえて、白い光の中に黒いシルエットが浮かぶ。

 それは巨大であり、メックほどの大きさで。

 神々しい剣を両手で地面に刺しながら、ジッと俺を見つめて来る。

 段々とそのシルエットがハッキリと見えてきて――――俺は目を大きく見開く。

 

 

 

 

「――――は、ぁ?」

『勇者よ――再び、力を示せ。さすれば、汝に――“祝福を授けよう”』

 

 

 

 

 俺が驚き固まっていれば一方的に言葉を伝えられた。

 瞬間、光は強くなり俺は光に包まれて――――光が晴れればマイルームにいた。

 

 俺は震える手で顔を抑える。

 動揺が顔に出そうになっていて、あの機体が俺の鼓動を静かに早めていく。

 

「……今、のは……間違い、ない、アレは……っ」

【一瞬見えたけど、アレが今回の目玉か】

【ついさっき特殊エリアが出現したけど、謎の超巨大竜巻の中にあるっぽくて行けないらしい……多分、根黒だけがいけるやつかな?】

【すげぇワクワクするやつじゃん!?】

 

 彼らはコメント欄で盛り上がっていた。

 が、俺はそれよりもあの機体の事が気がかりでならない。

 あの機体は知っている。

 否、俺と竜一だけが知っている。

 

 

 何故ならば、あの機体を考えたのは、俺たちの友である――――“雄吾なのだから”。

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