底辺Vtuber昔やり込んだロボゲーの続編でバズり散らかす   作:オタリオン

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第64話:ガールズの疑念と根黒の楽しみ方(☆)

 中継地点での装備の換装とエネルギーの補充を終わらせた。

 空間全体が新緑に覆われた植物プラント内を抜けて分かれ道に到達。

 機体を停止させて、全員が来た道を振り返る。

 

 ……先生はまだ来られていない。

 

 謎の乱入者の相手を請け負って、そのままだ。

 通信の履歴も無く、此方の応答にも反応はない。

 誰もが心配している中で――場違いな声が響く。

 

《うぃ。そんじゃ、私はあっちねぇ。後はよろぉ》

「……ふふ」

 

 ランと名乗った女は機体の手をふりふりと振り返事も聞かず道を進んでいった。

 私たちは互いに見つめ合い、そのまま作戦通り携行した爆弾の設置に向かう。

 互いに黙ったままで……月島さんが声を出す。

 

《……あの、先生は……》

「大丈夫ですよぉ。先生は強いですから。それよりも……妙ですねぇ」

 

 私が二人に語り掛ければ、二人も同意してくれた。

 月島さんがどういう事かと私に聞く。

 私はすぐに、先生に通信を繋げて見れば分かると伝えた。

 

《先生に? それって…………やっぱ、繋がらないけど》

「えぇ繋がりません。ジャミングでしょうか……それにしては範囲が広すぎますけど」

《……えっと、どういう?》

「このゲームでのジャミングの場合。大抵はノイズのようなもので音が聞こえなくなる仕様ですが……先ほどの通信でノイズが聞こえましたか?」

《え、あ、あぁ! 聞こえなかった! え、何で?》

「……考えられるのは、そのジャミングが限定的なもの。エリアに張り巡らせるものではなく、たった一機の通信機能を無効化する為のものである、でしょうか?」

 

 私がそう伝えれば、月島さんはようやく理解してくれた。

 すると、コウがそうであれば何時しかけられたのかと言ってくる。

 

「可能性があるとすれば、“移動中”か“移動前”かでしょうね……私としては後者を疑っています」

《となると、やはり彼女が?》

「……いえ、可能性の話です。そもそも、それをして彼女に何の利益が……いえ、もしかしたら」

《……考えたってキリねぇだろ? 契約書でいう裏切りってのがどの範囲を指すまでかも分からねぇしな》

「……気づいていて、先生に?」

《あぁ? 別にそんなんじゃねぇよ。ただ、契約書だって万能じゃねぇ。裏切りってのが明確な暴力行為だったり、貶める行為を当てはめるもんで。単に、何かをメックにつけるだけってのが裏切りじゃねぇってんなら……そう考えたところで、これには意味がねぇって思っただけだ。そもそも、そんなもん警戒してお宝を見逃すのはアホだろ?》

《い、いや! 罠があるって知っていてついて来る方がアホじゃないんすか!?》

《はは、言うじゃねぇか。だったら言ってやるよ――あの人が、ちんけな罠如きで死ぬとでも?》

《……!》

 

 コウはハッキリと言った。

 先生が罠の一つや二つで死ぬ事は無いと。

 逆にピンチに陥るほどあの人の真価は発揮されるのだと。

 私は笑みを浮かべながら静かに頷く。

 すると、月島さんも納得した様に息を漏らしていた。

 

 そのタイミングで、三叉路にやって来た。

 此処で一旦は二手に分かれる事になり、再び此処へと戻って来る。

 後は真っすぐに進んだ先にある場所で防衛線をするだけだ。

 

「では、ご武運を」

《えぇそちらも》

 

 リリーとそれだけ言い合い別れる。

 コウと私は右手を進みながら、互いに通信を繋げた。

 

《……お前、何か隠してねぇか?》

「……ん? 何ですかいきなり?」

《……いや、特に意味はねぇよ。ただ、実行部隊の人間であるテメェはあまりにも……無知だって思っただけさ》

「……ふふ♡」

 

 コウは私を疑っている。

 プレイヤーの中で噂されていたゲーム内の執行官。

 確かに私はそれであり、チーターを狩る事を主にしていた。

 ゲーム内のルールにも限定的な干渉が可能であり、内部の事情もある程度は知っている。

 ゲームでただ遊んでいる訳ではない。

 今も言わないだけで“仕事”で……まぁ伝える事は出来ないけど♡

 

 プレイヤーとして私は“世界大会の予選まで進む”。

 そこまでが私の仕事であり、予選にて私は敗れる手筈になっている。

 実行部隊所属の人間たちの中で、私だけが執行官として知られていた。

 勿論、本選まで進んでしまえば批判の声も出るでしょう。

 だからこそ、予選までが限界だ。

 

 私の仕事は予選の間まで、先生と共に戦場を翔ける事。

 上からの命令で、私は可能な限り先生の戦闘データを収集する。

 それを何に使うかは不明。

 しかし、悪用する事は限りなくゼロであり、私の予想が正しければ……いや、いい。

 

 私がタイタングリードをプレイする理由。

 それは闘争を楽しむ事と先生の願いを叶える事だ。

 例えこの先で私が先生に非難されようとも、この行為は紛れもない愛であると私は証明する。

 裏切りではない。先生を思うからこその行為であり、きっと先生も喜んでくれる。

 

 

 何故ならば、先生の心に巣食うご友人が――“それを望んでいるのだから”。

 

 

 ○

 

 

「アイヤァァァァァ!!!!」

 

 俺は狂ったように叫ぶ。

 そうして、強烈なGを感じながら空を舞う。

 体からミシミシと骨が軋む音が聞こえる。

 痛みと苦しみであり、アドレナリンが俺を興奮させる。

 空気を吐き出すからこそ叫ぶ。

 叫んでいれば、逆に思考がクリアになる。

 

 俺はそのまま流れるようにビルの窓を蹴りつける。

 バキリと音がして窓ガラスが一気に粉々になり。

 それが宙でパラパラと舞って、俺を狙っていた狙撃手は天井にある太陽のような光の反射によって――狙いを外す。

 

「ハイヤァァァァァ!!!」

 

 俺は叫びながら加速。

 狙撃手との距離を一気に縮めて、そのまま脚部を突き出し――飛び蹴りを喰らわせた。

 

 メリメリと狙撃砲に固定されていた敵機体の胸部がめり込む。

 俺はそのまま敵を突き飛ばしながら後方へと下がり。

 爆発音を聞きながら、また空を舞って移動を始める。

 

 縦横無尽、変幻自在。

 唯我独尊、最強無欠――自由だァァ!!

 

 俺は叫ぶ。

 そうして、ハイになった状態でマシンガンの弾を周囲にばらまく。

 ビル群の窓ガラスを粉々にし、残像が見えるほどの速度で空を翔ける。

 無数のガラスの揺らめきが、幻想的な光の反射を見せる。

 

「目が良い事が命取りよォォォ!!!」

 

 俺は全ての窓ガラスを破壊する勢いで飛ぶ。

 攻撃の気配がする。が、俺は禄に回避をする事無く空を飛び――光の線が頭上を通過した。

 

 俺はぎょろりと目を動かす。

 そうして、敵へと一気に方向転換。

 姿を晒したスナイパー君は慌てて狙撃砲との固定を解除した。

 が、その行為こそが運命を決めた瞬間で――

 

「アイヤァァァァァ!!!!」

 

 俺は足を突き出す。

 そうして、空を飛び此方へハンドガンを向けるそいつの胸部を――貫く。

 

 バラバラと残骸やオイルが飛び散り。

 俺はそのまま建物の上を足で蹴って飛び上がる。

 背後で爆発音が聞こえるのを無視し。

 俺はそのまま空高く舞い上がる。

 回転をしながらエネルギーの粒子を盛大にぶちまけて行く。

 

 まるで、オーロラ。まるで、天に昇る龍のように。

 俺は天井へ向かって全力で飛翔し――逆噴射。

 

「オグァァァァ!!!」

 

 強烈な負荷、体が破裂しそうだ。

 意識が一瞬遠のき、秒で復活。

 そのままぶちまけたエネルギーの粒子の中を戻っていく。

 システムが警告を発し、俺がロックオンされたと告げて――俺はレバーを動かす。

 

 瞬間、光の線が走り。

 一瞬で俺の機体に光が迫り――エネルギーの粒子に触れた。

 

 一秒にも満たない。

 0.01秒ほどか、僅かにエネルギーの勢いが弱まった。

 その僅かな差で、俺の機体にエネルギーの攻撃が――僅かに足を掠めて行く。

 

 警告音が鳴り、損害が軽微だと報告。

 俺は粒子の中から飛び出し、マシンガンを敵へと向けて――乱射。

 

「逃げるなァァァァ!!!!」

 

 狙撃手がエネルギーをチャージする。

 撃てると判断したんだろう。

 距離で言えばかなり離れていた。

 何方が速いかの勝負で、俺のマシンガンの乱射で奴は焦った。

 

 勝負は一瞬、俺はそれに乗った。

 故にこそ――殺人的なゴーストジャンプを披露しよう。

 

 溜めに溜めたエネルギー。

 結界寸前のフラストレーションと共に――解放。

 

 瞬間、砂粒ほどに見えた機体のシルエットが一気に大きくなっていく。

 目玉が飛び出しそうになりながら、俺は鼻から液体を垂らし。

 銃口を僅かにブレさせた敵の真意を読み取り――

 

「怯えろォォォ!!!!」

 

 俺は狂ったように叫び。

 そのまま、片手の空になったサブマシンガンを宙で回転させて銃口の部分を握る。

 そうして、機体を激しく回転させて――敵を殴る。

 

 フルスイングであり、サブマシンガンがバキバキに砕ける。

 そうして、奴は腕諸共機体を大きくへこませた。

 俺はそのまま砕けたサブマシンガンから手を離し。

 建物の上で床を蹴り跳躍。

 バックで激しい爆発と閃光を感じながら、俺はヘリポートのような場所に立つ。

 

 凄まじい快感。

 脳汁がドバドバであり、気持ちよさが半端ではない。

 まるで、ジャンキーが一月ぶりに味わう粉の快楽のようで……いや、知らないけどね?

 

 俺は跳躍し再び空を舞う。

 機体を回転させながら、残ったサブマシンガンのマガジンを手動で交換する。

 

「アイヤァ……って、あれ? もういない? いないぃ……うん、いないな! はぁ、疲れたぁ!」

 

 ハイになるモードは終了。

 体中がズキズキと痛いが気にしない。

 狂人になりきるプレイも人目が無ければ楽しいものだ。

 

 思考を戻す。

 レーダーによって索敵したが敵の反応はロストしていた。

 狙撃砲は合計で十五基であり、音速で飛行しながら敵の攻撃を誘発し。

 今のように窓ガラスの破壊やら障害物を使って狙いを外させた。

 中々に神経を使う戦闘であり、良い感じのストレスで体も頭も温まった。

 が、肝心のメックの姿が消えていて……逃げたな?

 

 俺は勿体ない事をしたと感じながらも、逃げたのなら仕方ないと切り替える。

 そうして、そのまま皆の元へと急ごうとし――メッセージが入る。

 

「ん? 何だぁ?」

 

 俺は片手間でメッセージを開く。

 すると、匿名で送って来たようで……へぇ。

 

 

《何時でもお前を狙っている。お前に安息の日は無い》

「……返信しとこうかな。えっと……頑張って下さい、と!」

 

 

 即返信した。

 が、待っても返事はない……まぁ当然か。

 

 恐らく、さっきの謎のメックが送って来たんだろう。

 アレは単なる斥候だが、こんな挑発的なメッセージを送るのならば。

 恐らくはどこかのコミュに属している可能性が高い。

 単なる予想であり、絶対ではないが……ま、その方が面白いよね!

 

 強い傭兵は大歓迎だ。

 血沸き肉躍る闘争が出来るのなら泣いて感謝する。

 俺はこの世界でもっともっと戦いたい。

 そして、もっともっと強くなって――リベンジする。

 

「……その為にも、急ぐぞぉ!」

 

 俺はペダルを踏みこみ加速する。

 アクシデントはあったが、まだ計画に支障はない。

 恐らく、道中の敵は片付けてくれているだろう。

 ノンストップで移動が可能であり、俺はここからRTAでもする勢いで機体を操作する事にした。

 

 ペダルを強く踏めば、シートに体が押し付けられて。

 景色が凄まじい勢いで流れて行く。

 心地よい苦しみを感じながら、俺は歯を食いしばって――笑った。

 

 

 

 

 障害物を避けて行く。

 一瞬で迫る壁やパイプをギリギリで回避。

 そのままブレーキを一切かける事無く突き進む。

 マップをチラチラと確認しながら進んでいき……あ!

 

「おーい! 聞こえますかー!」

《ん? おぉ、やっと来たぁ。おっそいよぉ。どんだけ待たす気ぃ? 死んだと思ったわ!》

 

 砂粒ほどのシルエット。

 それが一気に大きくなっていく。

 俺は残りの障害物を避けて、床へと降下した。

 そのままギャリギャリと火花を散らせながら滑っていく。

 そうして、丁度、彼女の紫色の機体の横で停止する。

 

 彼女は機体のグレネードランチャーを持った両手を動かして怒っているかのようにアピールする。

 俺は必死に機体の頭ぺこぺこ下げて謝った。

 

「いやぁ、想像以上に敵が面倒でぇ」

《あぁもういいって! 準備出来てっから、さっさと行くよ?》

「あ、はい!」

 

 ランさんは手を振り、目の前の壁へと近寄る。

 見かけは、白い塗料で謎のマークが書かれているただの壁だ。

 が、この先には空洞のエリアがある。

 それこそが隠しエリアで、彼女は壁をランチャーのハンドグリップの底で叩いていき――壁の一部が沈んだ。

 

 瞬間、床の一部が盛り上がる。

 見ればパネルのようなものが出ていた。

 彼女はその前に立ち、武器を持った手を前に掲げた。

 

《ちょい待ってねぇ。えぇっと、メモメモ……これとこれとぉ、これでぇ、えぇっと》

「……え、手動? 嘘ですよね」

《あぁうっさいよ! ちょい黙っててよぉ……えぇっとぉ?》

 

 PCのアカウントのパスワードでも入れるように。

 メモを取り出して何かを入力しているようだった。

 随分と古典的だと思っていれば入力が終わったようで――空間が揺れ始めた。

 

「お、おぉ!」

《当たってたね! いやぁ、胡散臭い自称元Sランク傭兵のジジイのNPCから手に入れたパスだったけど、良かったぁ!》

「……因みに、どうやって手に入れたんですか?」

《ん? ちょこぉっと幸せになれる魔法の粉をお酒にぱらぱらぁっと。後はよいしょして気持ち良くさせて、お宝ゲット!》

「……本当に裏切りませんよね?」

《え、何で?》

 

 俺はランさんという女性への評価を上げる。

 危険人物という意味であり、確実に私生活では関わってはいけないだろう。

 今回のお仕事だけで縁は断ち切っておこう。

 そう俺は思いながら、壁がロマン満載ギミックで展開されて行くのを見つめる。

 

 やがてメック三機ほどが横並びに入れるくらいの隙間が生まれた。

 ランさんは俺へと視線を向けて笑った気がした。

 

《……ま、どうでもいいけどさ。此処入ったら、即戦闘だから……逃げんなよぉ?》

「ランさん――誰に言ってるんですか?」

 

 俺は一歩踏み出す。

 彼女を置き去りにし、そのまま暗いエリアの中へと入っていく。

 すると、彼女はくすりと笑っていた。

 

《連絡はしてるから。派手に暴れて、速攻でぶっ潰すからねぇ》

「上等ッ! 派手にやりましょう!」

 

 ランさんは俺の隣を歩く。

 俺は武器を持った手を上に掲げて――背後で何かのギミック音を聞く。

 

 バックカメラで確認すれば、入って来た入口には何の変哲もない。

 逃げ道を塞がれた訳ではないが、何かが作動したようだ。

 

「なん――うぉ!?」

 

 何が起きた。そう言おうとし――エリア全体に警報が鳴り響く。

 

 暗かった部屋全体に赤色灯の灯りが広がる。それによって、エリア全体が確認できた。

 広い空間には、四つの巨大な鉄球が設置されている。

 素材は鉄かは分からないが、簡単には壊せそうには見えない。

 障害物は存在せず、壁には赤く発光するラインが無数に走っていた。

 床は格子状の溝が出来ており、正方形になっているタイルのようなそれは恐らくは平均的なメック一機分くらいの広さか。

 厳密にはタイルという感じではない。が、絶対に何か仕掛けがありそうだ。

 

 ……いや、そんなものよりも気になるものが目の前にある。

 

 中心にはメックと呼ぶにはあまりにも――巨大な何かが鎮座していた。

 

「でぇ」

《かぁぁ!》

 

 巨大な灰色のメックらしきもの。

 全長はおよそ40メートル近くあり、ほぼタンク。否、巨大な戦車だ。

 胴体は存在しない。タンク特有のキャタピラ式だ。

 主砲は無く、巨大なガトリングが両脇についていた。

 主砲は無いが、肩部から何かを射出する為の短い砲が合計で四つついている。

 形状からして……ボットか?

 

 俺たちは警戒しながらそれを見つめる。

 すると、沈黙していた巨大なメックの機体の各所のパイプから黒い煙が出て来た。

 そうして、エンジン音のようなものを響かせて――敵の機体が変形を始めた。

 

《侵入者を確認――排除します》

「排除って言いましたよ!」

《はは! そりゃそうだ!》

 

 タンクのガトリングが動き腕のように広げられた。

 平たくなっていた装甲の一部が盾のように盛り上がる。

 その後方には真っ赤なセンサー式のレンズを動かす頭のようなものが出た。

 長いタンクであり、前面には巨大な盾の装甲がありセンサーを守っていた。

 戦闘状態に入った。一目で分かるほどに闘志の塊だ。

 俺たちはそれを見て笑いながら――武装を展開した。

 

 殺気は十分。

 敵の面白度は80点越えか。

 

 

「相手にとって――不足無しッ!」

《駆除を開始します》

 

 

 奴のキャタピラが動き出す。

 俺たちはスラスターを噴かせて空を飛び――スラスターは勢いを失う。

 

「あ、そうだぁ!」

《忘れてたねぇ! はは!》

 

 奴は俺たちがいた場所を勢いよく通過。

 俺たちは地面に着地し、そのまま地面を滑るように移動する。

 

 この空間では飛行が出来ない。

 地上での走行は問題ない事から、恐らくは高度が関係しているんだろう。

 奴を見れば、器用に重そうな機体を回転させながら。

 俺たちへとレンズを向けて床を爆走する。

 

 ガトリングは俺へと向けられて――弾丸が放たれる。

 

 俺はそれをブーストしながら回避していく。

 鉄球の後ろへと隠れれば、鉄球は弾丸の衝撃で弾き飛ばされた。

 そうして、それはまるでビリヤードの玉のように壁に打たれて弾かれる。

 

「おいおいおい! これってもしかしてぇ!?」

《ぎゃははは!! そういう仕掛けぇ!? 頭おかしいっしょ!》

 

 鉄球は別の鉄球に当たる。

 それは壁に当たって弾かれて、広い空間を激しく動く。

 破壊は不可能、勢いを殺せる方法も無い。

 当たれば大ダメージは必死であり、奴を見れば器用に鉄球を回避していた。

 いや、それどころか他の鉄球を後ろから弾き飛ばして――面白れぇ!

 

 新体験だ。

 俺は新たな遊びに歓喜する。

 そうして、死角から飛んできた鉄球を前へ飛んで回避。

 横からガトリングを向ける奴を察知しブースト。

 ガラガラと音を立てて飛んでくる弾丸を避けながら――俺は心を昂らせた。

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