直哉の兄で十種持ち   作:七罪の王

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調伏①

「死ぬかと思った…。」

 

直毘人の特訓と称した拷問の翌日。

全身が筋肉痛に苛まれた俺は布団に突っ伏していた。

 

「あの酒ジジィ…」

 

若干6歳の子供にする所業ではないが、お陰で全身を呪力でつつむ、

基礎的な操作の感覚は概ね掴めたと言っていいだろう。

これ以上は実践や個人の鍛錬で問題ない。

 

「あとは、結界術と反転術式…。どちらにせよ黒閃経験は必要か…。」

 

領域展開の習得および全ての式神を調伏には、基礎能力の向上、共通技能の習得も進めていく必要がある…。結界術や反転術式については引き続き親父殿から教わることとしよう。

 

つまり現状できることといえば、自主的な鍛錬と実践…。

だが実践をこの年で行うことはいくら禪院と言ってもないだろう。

鍛錬でも成長は見込めるが…、手っ取り早くレベルアップするにはやはり

実践経験を積みたいところ…。

 

何かいい手立ては…。

 

「あ!」

 

俺の術式であれば実践相手には困らない!

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

親父殿に自首鍛錬と言ってやや小さめの部屋を一室用意してもらった。

 

「どれからやるか…。

優先順位的には反転術式のアウトプットによる回復が可能な円鹿、

攻撃特化の貫牛、飛行ができる鵺当たりだな…。」

 

そういえば、伏黒くんが円鹿を優先的に調伏しなかったのはなんでだったんだろうか…。反転術式を使用するから呪力消費が多いい?回復されて調伏の難易度が高い?

 

「んー、とりあえず脱兎か蝦蟇あたりで試すべきか…?」

 

調伏時の難易度が分からないため、一旦難易度が低そうな式神を選ぶべきだろうか…?

 

「いや…それは雑魚の思考だ…!!」

 

最も優先順位の高いものから、順番に調伏する…!

 

「顕現しろ…」

 

片手で頭部を、もう片手で角を形作る。

 

「円鹿!」

 

影から現れる、巨大な体躯と4つの目をもつ鹿型の式神。反転術式を使用するためか、単純な呪力によるそれとはまた異なる圧を感じる。

 

瞬間。

 

「ミスったか、これっ!!」

 

巨大な体躯に見合わぬ突進。単純ながらも、重さだけでは説明つかない衝撃に襲われた!

 

「呪力が…!剥がされるっ…!」

 

円鹿の反転術式によって生まれた正の呪力は術式効果…、ひいては他者の呪力を低減する作用を持つ。さらに円鹿自身が負った外傷は、致命的な欠損を負うまで自身の反転術式で回復し続ける。

円鹿の破壊にはそれらを上回る呪力出力で攻撃を行わなければならない。

呪力と呪力を掛け合わせる反転術式の出力は、通常の二乗。

それ即ち…。

 

「黒閃決めるまで帰れま10ってか…!?」

 

調伏には黒閃に匹敵する攻撃が必須となる。

 

 

 

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