見たことのない天井だ……
目を開き一番最初に見たものは天井。ここはどこだろう、天使の話が本当ならきっと俺は今ドラクエの世界にいるのだろう。そう思いながらベットで眠っていた赤髪の男、レンは体を起こすと声が聞こえてきた。
「あれ、起きたの?ならちょっと待ってて知らせに行ってくるから」
聞こえてきた女性の声、その方向を見ると赤い髪の女性がいて部屋から出て行った。待つことにしたレンは特にすることもなく窓から外を見ていた。しばらくすると緑髪の青い眼を持つ男性とともに先ほどの女性が現れた。
「大丈夫でしたか?森の近くで倒れてたのをシンシアが見つけたのですが……」
シンシアという言葉でレンは理解した。ここが紛れもなくドラクエの世界で今いる場所は山奥の村そして女性の名はシンシア、男性はこの世界の勇者だと
レン「もう大丈夫です、ありがとう。俺の名はレン。二人は?」
滅多に使わない敬語を使って自己紹介をして二人のことも聞く
シンシア「私の名前はシンシア、よろしく」
ミル「僕の名はミル、よろしく。敬語でなくとも大丈夫ですよ」
敬語でなくていいと言われたのでそこからこの村のことを案内するように頼んだ。ミルがちょうど稽古の時間だと言ってそこに行きながら案内だけどいいかと聞かれたので俺は了承した。
ミルは剣を持って外へ出る前にシンシアへあいさつをして外に出た。
村と呼ばれる所に行ったことがないレンにとって森に囲まれたこの村は美しかった。これからこの村に起きる悲劇をレンはまだ気づいてはいなかった。
レン「いい村だな……」.
ミル「だよね、僕の大好きな人達がいっぱいいるから早く強くならなきゃね」
そう笑いながらミルは言った。やがて階段がありそこを降りていき、広い空間に出た。ミルについていき奥に行くと1人の剣士が待っていた。
剣士「来たか、ミル。そちらの男は?」
そう言われレンは自分の名前を言った。剣士も自分の名前を語った。コーネルというらしい。ゲームではなかった名前が聞けたのは驚いたここは本当にゲームの世界なのかという疑問も思いついたがすぐに消した。コーネルがレンも稽古をやるか?ときかれたのでやる事にした。やってて分かったのだが運動神経と武器の扱いというのは別のものなのか剣以外はうまく扱えなかった。斧なんて重すぎて持てない。
コーネル「剣の扱いが様になってきたな。いつかミルを超えるんじゃないか?」
と笑いながら言っていた。ミルはあり得ると言ってきてレンは困りながらそんなことないと連呼していた。夕方になってシンシアが向かいに来た
シンシア「レンも稽古してたの?大変ねぇ、ほらご飯出来てるから帰りましょ、レンも食べてって」
そう言われミルはシンシアについて行ったがレンはこれからどう過ごせばいいかわからなかった事もあったのでシンシアの言葉はありがたかった。コーネルが次は明後日だといいながら手を振ってくれた。
シンシア「ところでレンはなんであんなところに倒れてたの?」
家に帰った三人はご飯を食べていた。シンシアがレンに倒れていた理由を聞いて本当のことを言うわけにもいかないので言い訳を考えていなかったレンは焦った。
レン「えっと、あれだよ。道に迷ったんだ、ブランカに行こうと思ってね、あはは」
とっさの言い訳にふうんとシンシアはそう返した。ごまかせたかはわからないがこの場は脱したのかなと思った。
ミル「じゃあ、どうする?このままここに滞在するわけにもいかないんじゃあ」
レン「それについては大丈夫。いく必要なくなったから」
なんで?と聞き返してきたが気にすんなで話を終わらせた。しばらくここに止めてもらってもいいかと聞いたところ二人は快く承諾してくれた。ミルによると明日は呪文の勉強らしい、稽古中に気づいたのだがデインとホイミが使えることがわかった。最初から唱え方が分かっていたかのように唱えられるので天使?が何かしたのだろうか。ライデインについて教えてくれるらしい。
食べ終わると少し話をしてみんな布団の中に入っていった。都合よく三つ布団があった。
レン「はぁ……」
皆が静まった頃レンは外に出てこれからどうするか目の前の花畑に座りながら考えた
レン「大丈夫かな、ユウ」
親友の名を呟き数分して再び家へ戻り眠りについた。
翌日二人はすでに起きていて朝食の準備をしていた。綺麗に畳んであった布団をみてレンも同じようにたたんで二人がいる部屋へ向かった。
レン「おはよう、シンシア、ミル」
レンの言葉におはようと二人は返してくれた。布団を畳んであるうちにちょうど作り終わったのだろう机にパンがならんでいた。そこに座り三人は食べ始めた。他愛のない話をして過ごしていたが昼が過ぎたあたりにミルと共にライデインを教えてくれるじいさんに会いに行った。
コーネリアス「おお、話は聞いておるレンと言ったの、ワシはコーネリアスじゃ、ネリアスと呼んでもらっても構わん」
これまた名前を名乗ってきた。レンの記憶だとライデインを覚える前に……
ここでレンがこの村に起こる悲劇を思い出した。ピサロによる村の壊滅。
ミル「レン?顔色悪いけど大丈夫?」
心配してくれたミルに今回は一度帰ると言ってミルを残して帰った。
家に帰ってきたレンはシンシアに出迎えられた
シンシア「おかえり、ミルはどうしたの?てか顔色悪いわね、寝たらどう?」
そう言われたがレンは断り椅子に座って考え込んでいた。レンは伝えるべき迷った。この村が壊滅する。そしてシンシアが『死ぬ』ということを
何をためらっているのだろう。言わなくてもいい、あくまでゲームの世界なんだ、死ぬのは決まっていたこと。けれどレンはたった二日間しか過ごしたこの村を気に入っている村の人もいい人だ。ただただ死んでいくのを見ているのはこの村で二日間過ごしたレンにとってその考えは辛くなっていた。
シンシア「ねぇ、レン。ミルの事で言ってないことがあるの」
そう言われた瞬間何を言われるわかった。シンシアは手紙を持ってこちらにやってきた。
シンシア「あなたは外の人。この村の人じゃないから巻き込むわけにはいかない。ただこれだけは知っていて、ミルは勇者。もし私に何かあったらこれを渡して……話はそれだけ」
ミルは勇者。そう言われ渡された手紙は少し濡れていたような気がする。
レンはゲームとは違うイベントが起きてさらに迷う。だがすでにこの村は手遅れだった。
コーネル「レン!シンシア!一緒に来るんだ!」
焦った顔で扉を開いたコーネルは二人を連れて剣の稽古をした場所に連れてきた。そこにはミルもいた。
コーネル「魔物がこの村を攻めてきた。三人とも決してこの奥の部屋から出てはならない。わかったね?」
そう言われどこにあったのかわからないがボタンを押すと扉が開き三人を無理やり押し込みそこを閉めた。外からはいろんな声が聞こえる。悲鳴と怒号。レンは決断するのが遅かったのを悔いた。その反面例え教えたとしてもミルを逃し村の人はここに残ったのだろう。そう思ってもいた。やがてコーネルが魔物と対峙するのが聞こえた。
「勇者はどこだ!?」
コーネル「言うと思っているのか!?」
闘っている音がする。
コーネル「ぐっ……私の人生に悔いは……」
「ちっ……もう死ねよ」
その光景を見たわけじゃないが魔物がコーネルの首をスパッと切ったような気がして怒りを覚え魔物を倒しに行こうと考えた。考えたが……
レン「足が……動けよ……!」
怖くて動けなかった。ゲームの世界で死んで生き返る保証なんてどこにもないそう思うと怖くて足が震え動けない。するとシンシアがモシャスを唱えた。これから何が起こるか知ってるレンにとって何もできない自分が許せなかった。
ミル「シンシア?僕の姿になって何を?」
シンシア「私が身代わりになるから静かになるまで外に出ないでね?」
ダメだというミルに近づき、キスをした。そのあとラリホーを唱えミルはシンシアの名を呼びながら眠っていった。扉の前まであるき振り返りレンに言葉を発した。
シンシア「この二日間、あなたがいてミルは楽しそうだった。三人で過ごしたかった。たった二日間いただけなのに……なんだか昔からあなたがいたように思えて……レン、あなたが何者かわからないけどミルのことお願い。止めれば良かったなんて後で後悔はしないでね!……ありがとう、レン、ミル」
レン「シンシア……」
扉を開けてシンシアは魔物に向かっていった。しばらくすると魔物が打ち取った!と言って去っていくのが聞こえた。たった二日共に過ごした人たちがみんな死んだ。ただただ涙を流すことしかできないレンはしばらくそこで泣いていた。
ここまで読んでいただきありがとうございます!ドラクエ4の主人公はしょっぱなから辛い出来事が起きますよね……
次も頑張っていきます