転生特典が『SAO』なんですが上位互換機?があったのでアインクラッドを実装しようと思う 作:ケツ命騎士団
ふと気がつけばこの世界に生まれ落ちていた。
キョロキョロと辺りを見渡せば見覚えの無い狭いボロアパートの一室。
最低限の家電と調度品。
ちゃぶ台の上に置かれた紙ぺら1枚には「神々の娯楽としてネット小説とかで流行りのチート転生させたからある程度好きに生きろ」と雑な走り書きが残されていた。
どうやらろくでなしの邪神の類に目をつけられてしまったらしい。
頭の痛い話だが、まぁ既になってしまったものは仕方がないと切り替えて行こうとため息を1つ吐いて己に与えられたらしい転生特典とやらに思考を移す。
「えぇ……」
ドン引きだった。思わず声が漏れ出るほどだ。
転生特典『SAO*1』ライトノベルからアニメやゲーム。映画化までされた有名な作品。その全てがこの身に宿っているらしい。肉体1つとっても天才たちの頭脳に黒の剣士のVR適正。閃光の運動神経に絶剣の──と上げればキリがない。ましてや各種スキルから始まり心意やらアイテム、武装の任意呼び出しまで可能とくれば流石にやり過ぎだろと呆れかえるしか無いわけで。
「何をさせる気なんだよ一体」
戦争でもするのかと戦々恐々しながらチートによって
結果。2029年3月の日本であることが判明した。元の俺が生きていた世界よりも数年先の未来かつ技術的にも大きく発展しており、ツクヨミなる仮想空間が広く認知されユーザー数もかなりのもの。直近では争乱もなく、平和そのものだった。
と同時に自身の戸籍、年齢。性別。何故か通う事になっている高校も判明した。
「桐ヶ谷明日奈 15歳……混ざったつーか結婚しちゃってるじゃん。って女!?」
慌てて手鏡を生成して覗き込む。髪が黒く染まった結城明日奈が引き攣った顔をしながらこちらを見ていた。
「嘘だろ……」
サラサラとした艷やかな長髪に整った目鼻立ち。スラリとした身体に白い肌。しかして出る所は出ている。これが自身の身体で無ければと天を仰ぐ。
「見た目変更とか……無理かぁ」
流石にアバター扱いではないらしい。この2Pカラー明日奈で生きていくしかない様だ。しばらく放心状態が続き、インターホンの音が狭い室内に鳴り響いたところでようやく我に帰ることが出来た。
念のためドアチェーンをかけたまま扉を開き応対する。するとそこには中高生くらいの少女が立っていた。
「あの、隣に引っ越してきた酒寄です。つまらないものですが……」
「嗚呼ちょっと待って。今チェーン外すから……っとごめんね。わざわざ引っ越しの挨拶に来るなんて今時珍しいね」
「そ、そうなんですか? 引っ越ししたらお蕎麦を配るんじゃ……」
「いや今はもうほとんど無いんじゃないかな。あってもせいぜいタオルとかかな?」
「えっとご迷惑、でしたよね。すみません、私あの、失礼します!」
「待って、酒寄さん。せっかくだから一緒にお蕎麦食べない?」