転生特典が『SAO』なんですが上位互換機?があったのでアインクラッドを実装しようと思う   作:ケツ命騎士団

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今回特にSAO(フェイタル・バレットDLC)のネタバレを含みます。ゲーム内容について触れているのでご注意ください。
念のため特殊タグを使用して隠してありますが、先の展開にも関わってくる要素なので見るか見ないかはお任せします。

また、今回出て来た保護者についてはゲストキャラ的な存在ですので多分現状覚える必要はありません。







あふぁしす

夏が終わり、俺たちは本格的に動き出した。

資金面と保証人については既にユナとの契約*1によって目処がついていた。これを元手に手堅く増やしながら、並行して有用そうなメディキュボイド*2などの革新的な技術を保護者名義で切り売りしていった。

幸い彼女は可愛いもの好きを自称する少し厄介だがとても有能な人*3だった。まぁツクヨミの運営にも携わっている時点で無能なわけが無いのだが、隠れ蓑とするには丁度良い人で安心した。

そんなこんなありながら、一先ず現実世界側の拠点を確保することにした。条件は広さ、設備の拡張性、近隣への影響が出にくい構造の3点。立地は転移(チート)がある以上どこでも構わなかった。程なくして某所にある一棟ビルを取得した。地下にサーバールームを、上階に居住スペース兼作業場を設ける。将来的な用途も込みで間取りを決めた。

ツクヨミ側はヤチヨたちから天守閣の遥か上空に(・・・・・)新規ワールドの構築許可を取り付けた。味覚の方はと言えば甘味の再現に続いて塩味と旨味の調整も佳境に入っており、テスト環境の拡充を考え始める頃になってきた。

これらは全て、来年の夏に備えた準備だ。しかし、それ以上に急いでいたことがある。

 

ArFA-Sys(アファシス)*4の導入を検討している。人員不足の解消のためにも」

 

ユナとヤチヨにそう切り出した夜のことは、きっと忘れないだろう。2人は顔を見合わせた。簡単に概要をユナがヤチヨに説明すれば、ふむふむ。としばらく思案して……了承する。難色を示すかと思ったが、そうはならなかったようで一安心だ。

 

「うん。私も必要だと思ってた」とユナが静かに口にした。

 

俺が懸念しているのはやはり、タイムパラドックスだ。かぐやを月に返さなかった場合、ユナとヤチヨは消失する可能性がある。8000年分の重みごと、跡形もなく。チートをもってしても防ぎようがない類の消え方だ。

 

──だから保険が要る。

 

『夜の結晶*5』を使えば、その時点のキャラクターデータをそのまま保存できる。これをType-Z*6に力を借りてまっさらな状態のアファシスの素体にデータを丸ごと転送して起動する。《/blur》

『サチ*7』の事例が前例として存在する以上、原理的には可能なはずだ。

問題を切り出してユナとヤチヨに説明すると、2人はしばらく黙り込んだ。

 

「……そこまで考えてたんだ」

 

ぼそりとヤチヨが呟いた。

 

「大袈裟だと思うか?」

「ううん。むしろ、ありがとう。そんなこと考えつかなかったよ。……明日奈はやっぱりすごいね」

 

ユナが微かに震えた手で水色の正八面体を受け取り、その内部で黄金の球体がゆっくりと輝くのをじっと見つめてから、静かに大切そうに胸元へしまい込んだ。ヤチヨも同様に両手でそっと包み込むようにして受け取る。

 

「一つは必ず肌身離さず持っておいてくれ。定期的なバックアップも作成する。二重の備えだ

「念には念を、だね」

「そういうこと。──それと、これはあくまで保険だからな。使わずに済むのならそれが一番良いに決まってる」

 

2人が揃って頷いた。ユナが神妙な顔で口を開いた。

 

「ねぇ、明日奈。1つ聞いても良い?」

「どうした?」

「もしタイムパラドックスが起きて、私たちが消えたとして。それでも、ハッピーエンドを目指せると思う?」

「……ああ。そのために準備をしてるんだろ。それに」

 

少し間を置いた。

 

「もし、お前たちがいなくなっても、お前たちがいた事実は決して消えないし消させない。俺の記憶にも、夜の結晶にも、ちゃんと残る。だから、心配するな。何があっても必ずハッピーエンドに連れて行くさ」

 

ユナはしばらくこちらを見つめてから、ふわりと笑った。

 

「……うん。じゃあ、任せるよ。信じてるから」

 

これで最低限の準備は整った。後は時をどれだけ無駄にしないかの勝負だ。

 

 

 

 

*1
五感データの引き渡しと調整作業を対価とした契約。多額の報酬と保証人込み

*2
ナーヴギアを医療目的に転用した第三世代機。ベッドと一体化した箱型。ナーヴギアよりも高出力の脳波制御ができ手術する際の麻酔が不要になる上、終末医療の苦痛緩和など様々な使用を想定している

*3
波打った長い緑髪の眼鏡を掛けた美女

*4
ゲームSAOフェイタル・バレット(以下FB)にて登場。正式名称はArtificial Financial Adviser System。SBCグロッケンとは敵対関係にあるSBCフリューゲル製アンドロイド。Typeが複数あり、レアなType-X以上は高度なAIを搭載しており自発的な思考と行動が可能。戦闘は勿論、資産運用管理までこなしてくれる

*5
水色の正八面体の内部に黄金に輝く球体が閉じ込められている。使用時点のプレイヤーデータをそのまま保存できる。SAO FB出典

*6
フリューゲル製の機械系エネミーの操作などX型以上の権限を持つ

*7
SAOにおいてギルド『月夜の黒猫団』に所属していたとある悲劇によって命を落とした女性プレイヤー。ザ・シード・ネクサスで作成されたFB版GGO内にて残留思念あるいはNPCの様な存在となっていた彼女だったが、自己矛盾により消える寸前に夜の結晶を使用することによってプレイヤーデータが保存され、後にアファシス素体へと転送・起動し、完全再現された








次回辺りから原作時間軸に入る予定おそらく
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