転生特典が『SAO』なんですが上位互換機?があったのでアインクラッドを実装しようと思う   作:ケツ命騎士団

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リアルが忙し過ぎて書き方分からなくなってる
Replyかぐいろverとか絶対やばいやつですね……
感想感謝返せなくて申し訳ない。ありがたく読ませていただいております。




いくじ

 

 

翌朝目が覚めたら、明日奈はもう動いていた。室内には巨大な段ボールが鎮座しており、ベビー用品と思われる品々が顔をのぞかせていた。おねしょの処理をして着替えさせて、ミルクをあげている最中だった。

行動が早過ぎる。そんなのいつの間に頼んでたの? と思ったけど、明日奈のことだから昨日の夜のうちにこうなることを見越して発注してたんだろうな、という気もした。──というかお金!

慌ててスマホを取り出してかかった料金をふじゅ〜payで支払おうとしたのだが、明日奈は非常に強敵だった。

 

「良いよ、気にしないで」

「良くない。私が連れて来たんだから私が払う」

「いやいや。勝手に注文しただけだから……」

「必要なものを買ってくれただけでしょ!」

 

代金の話をひとしきりやりとりして、なんとか半分ずつという着地点に落ち着いた。──後で絶対払わないと。

赤ちゃんはといえば、昨夜あれだけ泣きじゃくってたのが嘘のように明日奈の腕の中でぱちぱちと瞬きをしながら機嫌よさそうにしていた。……あれ、大きくない? 昨日より、明らかに。

 

「え……?」

 

自分の口から間抜けな声が出た。じっと見つめて、見間違いかあるいは寝ぼけてるのかな? と頭を軽く振ってもう一度見る。やっぱり昨夜より大きかった。

 

「え、ちょっと待って。昨日ってこんな大きさじゃなかった、よね?」

 

明日奈が「うん」と静かに肯定する。その落ち着きっぷりが逆に怖かった。私がうろたえている間も淡々と背中を優しくリズミカルにトントンと叩いたり擦ってゲップをさせて、ミルクを飲み終えた赤ちゃんの口元を拭いていた。

どうしてそんなに平然としていられるの。と言いかけたところで、赤ちゃんが明日奈の指をぎゅっと掴んだ。

 

「あ」

 

思わず声が出た。笑っていた。小さい口の端をきゅっと持ち上げて、まっすぐに明日奈を見上げて、ころころとした声で笑っていた。赤いまるい瞳が、朝の光の中でやけに綺麗だった。

赤ん坊に明日奈があやすように声をかける。ただそれだけのことだったけれど、声がいつもよりもやわらかくて。優しげな表情を浮かべる彼女にいいなぁ。と思った。自分で思って、ちょっと照れくさくなってしまった。

 

「なんか、すごく懐いてるね明日奈に」

 

誤魔化すみたいに言ったら、明日奈が「そうかな」と返してきた。そうかなじゃないよ。めちゃくちゃ懐いてるよ。ぐずったりしてないし今だって楽しそうじゃん。

 

「明日奈の抱っこする姿かなり様になってるし、その子もなんだか嬉しそう。天性の母性ってやつ?」

「母性、かぁ……」

 

苦笑いを浮かべる姿に思わずくすりと笑ったら、赤ちゃんまでつられてきゃっきゃと嬉しげな笑い声を上げる。そんなこんなで時は流れ久々となる三連休の三日間は、ものすごい速度で過ぎ去った。

赤ちゃんの世話というのは思っていた以上に時間が溶ける。特にこの子は好奇心が強くて、はいはいで動き回り始めてからはまず目が離せない。勉強しようとテキストを開くたびに何かをひっくり返したり口に入れようとしたりするので、結局赤ちゃんが昼寝した隙を狙って数ページ進めるのが精いっぱいだった。成績維持のためにも三連休全部勉強に充てるつもりだったのに、という焦りはあったけど、なぜかそんなに嫌じゃなかった。

明日奈がいたからだと思う。家事、食事は全部作ってくれたし、私が勉強に集中している間や食事中などは赤ちゃんの面倒を見ていてくれたし、今年の夏も扇風機で乗り切ろうとしていたらエアコンをつけないとダメだと諭されて*1渋々つけたら体がすごく楽になった。一人だったら間違いなくもっと大変な三日間だっただろう。

 

「まーた沢山作ってる」

「食べきれないなら冷凍保存するなりして近い内に食べれば良いよ。何が起きるか分からないんだし」

 

作り置きまでしてくれて、本当に頭が下がる。赤子の唯一の手掛かりである腕輪の調査(・・・・・)で日中来られない日もあったけど、冷蔵庫にはいつも明日奈の作ったものが入っていたから食に関しては普段以上に楽ができた。いや赤ちゃんの世話をしないとだから楽では無いか。そうして穏やかに休日が過ぎていった。

三日目の晩。出汁の効いた味噌汁が心に沁みる。脂の乗ったアジの塩焼きにホカホカの白米ときゅうりと枝豆の浅漬け。旬の食材を使った和食を大いに満喫しているとお腹も心も幸福で満ち溢れつい、ポロリと思考が口から漏れ出てしまった。

 

「なんか家族みたいな感じやなぁ……」

「家族かぁ……ちなみにどっちがお父さん?」

「ぇ、あ。そりゃあ、明日奈でしょ。落ち着いてるし面倒見も良いし頼りになるし!」

「面倒見が良いのは彩葉だってそう変わらないでしょ。芦花と真実のテスト勉強に付き合ったりしてるしバイト先の後輩ちゃんのやらかしもしっかり対処してるよね」

「それは、そうだけど。私は…………うん。お姉ちゃんかな」

「この歳で2児の親は流石に無理! 彩葉お姉ちゃんは却下します」

「うーんダメだったかぁ。でも、いつもありがと明日奈」

「ん。どういたしまして」

 

なんだかおかしくて二人して笑っていたら赤ちゃんも楽しそうに笑い出した。この時間がずっと続けばいいのになんて考えてしまうほど幸せな日々だった。

学校どうしようかという話になったのは、夕飯の後のことだった。当たり前だけど赤ちゃんを連れていくわけにはいかない。かといって一人でお留守番は無理だろう。やはり休むしかないかと思ったところで、明日奈がさらりと「私が面倒見るから彩葉はちゃんと学校に行って」と言い出した。

 

「そんなのやっぱり、ダメだよ。ただでさえ明日奈に迷惑かけてるのに私のせいで学校休むなんて……」

「でも彩葉は成績維持しなきゃいけない理由があるよね」

 

息が一瞬止まった。返す言葉がなかった。そうだ。本来であれば赤ん坊の世話なんてしている暇なんてどこにもなかった。……明日奈は私がなんのために頑張っているのかを、ちゃんとわかっている。直接話したわけじゃないけど、察していながら深く突っ込まないでくれている。その上で何かと世話を焼いてくれるのが嬉しくもあり、申し訳なかった。

 

「頼ってくれると嬉しい。……それに、ひょっとしたらこの子が急成長して気兼ねなく学校に行けるようになるかもしれないしね」

 

その言い方がなぜか引っかかった。後から思い返せば急成長、という言葉の使い方が、なんだか予言めいていた気もする。

 

「ねーねー。お腹空いた」

 

深夜。私の部屋に突如として現れた見知らぬ美少女……否、元赤ん坊にゆすり起こされた。10歳ほどに急成長した少女は着古した私のTシャツを勝手に羽織ってお腹空いた~と要望を突き付けてくる。何、この状況。夢なら早く覚めてほしい。

 

 

 

 

*1
熱中症で病院にかかったり入院した際の費用や赤ん坊を保護していること等など他デメリットを並べ立てて説得

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