The Elder Scrolls V: Skyrim Anniversary Edition発売記念プレイログ小説   作:裸男祭

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第17話

ウステングラブの湿った冷気を脱出し、俺たちはリバーウッドへと急いだ。背中に背負ったウースラドが、心なしか重く感じる。空っぽの祭壇に残されたメモ……「友」を自称する何者かが、俺の手の届かないところで糸を引いている。

 

「屋根裏部屋なんてない宿屋で部屋を借りろだと? 酔っ払いの冗談にしては手が込みすぎてるね」

 

ウスガルドが馬の鼻面を撫でながら毒突く。

だが、その疑問に答える暇はなかった。

 

 

 

リバーウッドを目前にしたホワイトランの草原で、大地を揺らす咆哮が響いた。

雲を割り、黒い鱗を持つ巨躯が急降下してくる。

 

「またドラゴンか! しつこい連中だ!」

 

俺は戦槌を構え、ウスガルドは盾を掲げる。だが今回の相手は、監視塔の時よりも遥かに狡猾だった。空中から氷の吐息を撒き散らし、俺たちの足を止めようとする。

 

「FEIM(フェイム)!!」

 

習得したばかりの「霊体化」を叫ぶ。俺の体から実体が消え、凍てつくブレスが体をすり抜けていく。その隙に懐へ飛び込み、ドラゴンの足に戦槌を叩きつけた。

 

「FUS RO(フス・ロ)!!」

 

衝撃波で体勢を崩したドラゴンの首筋に、ウスガルドの剣が深く突き刺さる。断末魔と共に光り輝く魂が俺の体へと流れ込み、力がみなぎる。だが、勝利の余韻に浸る暇はない。このドラゴンが現れたタイミング……まるで見張られていたかのようだ。

 

 

 

リバーウッドの宿屋「スリーピング・ジャイアント」の扉を蹴り開ける。

カウンターで平然とジョッキを拭いている女主人、デルフィン。

 

「……屋根裏部屋を借りたいんだが」

 

俺が低く告げると、彼女の動きが止まった。鋭い眼光が俺を射抜く。

 

「ここには屋根裏部屋なんてないわ。でも、左奥の部屋なら空いている。……入りなさい」

 

部屋に入ると、彼女はワードローブの隠しスイッチを押した。壁が動き、地下へと続く隠し階段が現れる。そこには、地図や古い書物が並ぶ、秘密の司令部があった。

 

「あんたが『友』か。角笛を返してもらおう」

「落ち着きなさい、ドヴァーキン。私はデルフィン。古代からドラゴンを狩り、ドラゴンボーンを護衛してきた組織……『ブレイズ』の生き残りよ」

 

彼女は角笛を机に置いた。

 

「あんたが本物かどうか確かめたかった。そして、本物なら頼みがある。……カイネスグローブで、ドラゴンが蘇ろうとしているわ。それを見届けてほしい」

 

デルフィンは古い羊皮紙を広げた。そこには、アルドゥイン……世界を喰らう者の再来と、各地で目覚めるドラゴンの墓所が記されていた。

 

「サルモールが裏で糸を引いている可能性がある。でも、まずはドラゴンを蘇らせている『何か』を止めるのが先決よ」

 

俺は角笛を手に取り、ウスガルドと視線を交わした。

同胞団の導き手、人狼、そして今度は古代の守護者「ブレイズ」の協力者か。肩書きが増えるたびに、スカイリムの運命という重荷がのしかかってくる。

 

「……いいだろう、デルフィン。カイネスグローブへ行く。だが、その前に一度ハイ・フロスガーへ寄らせてもらう。この角笛を、じいさんたちに返さなきゃならんからな」

「ええ、それがいいわ。正当な手続きは済ませておきなさい。……でも急いで。空の影は、待ってはくれないわよ」

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