The Elder Scrolls V: Skyrim Anniversary Edition発売記念プレイログ小説 作:裸男祭
リバーウッドの宿屋「スリーピング・ジャイアント」の地下、秘密の作戦会議室。デルフィンから「ブレイズ」の生き残りとしての正体と、カイネスグローブでのドラゴン復活の知らせを受け、俺は決断を迫られた。
「……わかった。デルフィン、カイネスグローブへ向かう。だが、その前に一度ハイ・フロスガーへ寄らせてもらう。この角笛を、じいさんたちに返さなきゃならん。ドヴァーキンとしての義理ってやつだ」
俺は机の上に置かれた「ユルゲン・ウィンドコーラーの角笛」を手に取った。冷たく、ずっしりとした重みがある。
「ええ、それがいいわ。正当な手続きは済ませておきなさい。……でも急いで。空の影は、待ってはくれないわよ」
デルフィンは地図を片付けながら、鋭い眼光で俺を見つめた。
俺とウスガルドは、再びイヴァルステッドを経由して七千階段を登った。フロスト・トロールの死骸が凍りついたまま転がっているのを横目に、一気にハイ・フロスガーへ。
寺院の奥、アーンゲールたち四人の長老が待つ広間へ足を踏み入れる。
「……戻ったか、ドヴァーキン。見事、試練を乗り越えたようだな」
俺は黙ってユルゲンの角笛を差し出した。アーンゲールはそれを恭しく受け取り、祭壇へと捧げた。
「これで、お前は正式にグレイビアードに認められた『声』の継承者だ。我らの祖、ユルゲンの魂も安らぐことだろう」
長老たちが俺を取り囲むように並ぶ。
「最後の言葉を授けよう。『DAH(ダ)』……力だ。これで、お前の『揺るぎなき力』は、全てを粉砕する真の障壁となる」
床に浮かび上がったルーン文字を見つめ、魂に刻み込む。
「FUS RO DAH(フス・ロ・ダ)!!」
俺の発した叫びは、寺院の石壁を震わせ、天井の塵を舞い上げた。それは、これまでとは比較にならない、圧倒的な「力」の響きだった。
ハイ・フロスガーを後にした俺たちは、デルフィンと合流し、ウィンドヘルム近郊の小さな村、カイネスグローブへと急いだ。
村の裏手、古代のドラゴンの墓所がある丘に辿り着いた時、すでに手遅れかと思われた。
空を切り裂くような巨大な影。それは、監視塔やホワイトランの草原で戦ったドラゴンとは違う。もっと古く、禍々しいオーラを纏った存在――ドラゴンたちの王、アルドゥインだった。
「遅かったか……! 蘇生が始まっているわ!」
デルフィンが剣を抜き、叫ぶ。
アルドゥインが墓所に向かって、未知の「言葉」を叫ぶ。
すると、地中から轟音と共に、別のドラゴンの骨が這い出し、瞬時に肉体を纏って蘇った。
「サルロックニル! 我が忠実な下僕よ、目覚めよ!」
蘇ったドラゴン、サルロックニルが咆哮を上げ、俺たちを見下ろす。アルドゥインはニヤリと笑うと、そのまま空の彼方へと消え去った。後を追う暇はない。今は目の前の脅威を排除せねば。
「FUS RO DAH(フス・ロ・ダ)!!」
習得したばかりの完全な「揺るぎなき力」を放つ。
サルロックニルの巨体が衝撃でよろめき、地面に叩きつけられる。ウスガルドが叫び声を上げながら突っ込み、奴の足に剣を突き刺す。デルフィンもまた、驚くべき速さでドラゴンの懐へ飛び込み、ブレードを振るう。
俺はウースラドを構え、ドラゴンの脳天を目がけて振り下ろした。
ドォォォン!!
伝説の斧がドラゴンの頭蓋を砕く。奴は断末魔の叫びを上げ、崩れ落ちた。
光り輝く魂が、俺の体へと流れ込む。
「……見事ね、ドヴァーキン。これで、ドラゴンボーンの力は本物だと証明されたわ」
デルフィンが、返り血を拭いながら俺を見つめた。
カイネスグローブの宿屋で、俺たちは次の作戦を練った。
「ドラゴンを蘇らせているのは、やはりアルドゥイン自身だった。でも、誰が彼を導いているの? ……私は、サルモールが怪しいと睨んでいるわ」
デルフィンは地図上のホワイトラン近郊、サルモール大使館を指差した。
「近々、大使館でパーティーが開かれる。そこに潜入して、彼らの機密文書を盗み出すのよ。あんたが『ドラゴンボーン』だとは誰も知らない。……変装して、中に入るの」
「……潜入? 俺にそんな真似ができると思うか?」
俺は戦斧の柄を見つめた。ノルドの俺にとって、潜入や変装は最も苦手とすることだ。
「あんたには、協力者がいるわ。ホワイトランの宿屋にいる、マルボーンという男。彼が手引きをしてくれる。……ウスガルド、あんたは外で待機。もしもの時は、力ずくでこじ開けるわよ」
ウスガルドがニヤリと笑った。
「……そいつは頼もしいね。ヨルン、死ぬんじゃないよ。あんたが死んだら、私の契約も終わりだからね」