The Elder Scrolls V: Skyrim Anniversary Edition発売記念プレイログ小説 作:裸男祭
漆黒の「ナイチンゲール」の鎧に身を包んだ俺は、もはや雪原を駆ける勇猛なノルドの戦士には見えなかった。影に溶け込み、音もなく死を運ぶ、伝説の守護者の姿だ。
「似合ってるよ、ヨルン。……でも、その格好でいつもの戦斧を振り回すのは、ちょっとシュールだね」
ウスガルドが複雑そうな顔で俺を見上げる。彼女はギルドの闇には深入りせず、盾の乙女として俺の背後を守り続けてくれている。
俺たちはカーリアと共に、裏切り者メルセル・フレイが逃げ込んだドゥーマーの巨大遺跡「イルクンサンド」へと向かった。
ドゥーマーの自動人形が蒸気を吹き出し、歯車が軋む音だけが響く遺跡の最深部。
「……いたぞ」
カーリアの声が低く響く。巨大なファルメル像の両目に嵌め込まれた、伝説の宝石「ファルメルの目」を盗み出そうとしているメルセルの姿があった。
「メルセル! 貴様の運賃(ラック)もここまでだ!」
俺は戦斧を構えず、影の力を解放した。
「FEIM(フェイム)!!」
霊体化した俺は、メルセルが放つ不可視の刃をすり抜け、一気に距離を詰める。
「ドヴァーキンか……! しぶとい奴め!」
メルセルは「不壊のピック」の力で空間の理を捻じ曲げ、瞬間移動を繰り返す。だが、俺の中にはドラゴンの魂がある。奴の「気」の乱れは、手に取るように分かった。
「逃がさねぇ……! FUS RO DAH(フス・ロ・ダ)!!」
衝撃波が広間を揺らし、メルセルを壁際へと吹き飛ばす。追い打ちをかけるようにウスガルドの突進が奴の体勢を崩し、最後は俺の戦槌がメルセルの胸当てを粉砕した。
「……バカな。不壊のピックがあれば……私は……」
メルセルは血を吐き、水浸しになり始めた床に崩れ落ちた。その手からこぼれ落ちたのは、どんな鍵をも開けるというデイドラの秘宝、不壊のピック。
「ヨルン、急いで! 遺跡が崩れるわ!」
像の頭部から大量の水が噴き出し、俺たちの退路を断とうとする。俺はピックを掴み取り、間一髪で上昇する水位を泳ぎきり、地上へと脱出した。
2. 黄昏の墓所:不壊のピックの返還
リフテンに戻り、俺はカーリアと共に「黄昏の墓所」へ向かった。
不壊のピックは強大な力を持つが、それを持ち続ければノクターナルの加護は失われ、ギルドは再び腐敗する。
「……これを返せば、俺たちの役目は終わりか?」
「ええ。影の道は開かれ、リフテンに再び幸運が戻るわ」
俺は「巡礼の道」の試練を乗り越え、最奥の「エボンメア」にピックを差し込んだ。
空間が歪み、影の女王ノクターナルがその姿を現す。
「よくやった、我がナイチンゲールよ。お前たちの影は、永遠に私のものだ」
契約の重み。だが、それと同時に、リフテンを覆っていた澱んだ空気が晴れていくのを感じた。
リフテンの地下、ギルドの本拠地へ戻ると、ブリニョルフたちが俺を「ギルドマスター」として迎えた。
だが、俺は首を振った。
「マスターの座はブリニョルフ、あんたが継げ。俺にはまだ、空から降ってくる『破滅』を止める仕事が残ってる」
ウスガルドが俺の肩を叩く。
「いいのかい? 泥棒の王様になれば、一生酒に困らないよ」
「……ハチミツ酒なら、ハイ・フロスガーのじいさんたちの方がいいのを持ってるさ」
俺はナイチンゲールの黒い鎧を脱ぎ、再び愛用の革鎧とウースラドを身に纏った。
影の力を得て、ギルドの闇を払い、今や俺の手にはアルドゥインを討つための「竜墜とし」のヒントがある。
「行くぞ、ウスガルド。山登りの再開だ」