The Elder Scrolls V: Skyrim Anniversary Edition発売記念プレイログ小説 作:裸男祭
黄金の霧が地を這い、死せる英雄たちが集う約束の地、ソブンガルデ。
だが、その静謐をアルドゥインの邪悪な咆哮が引き裂いている。
「ドヴァーキンよ、ついに来たか!」
霧の中から現れたのは、かつてアルドゥインを時の彼方へ追いやった伝説の三人――黄金のゴルムレイス、古きフェルディル、片目のハコンだ。
「奴は霧の中に隠れ、魂を喰らっている。我ら四人の『声』を合わせれば、この呪われた霧を晴らせるはずだ!」
俺たちは一列に並び、空に向けて同時に吠えた。
「LOK VAH KOOR(ロク・ヴァ・クール)!!」
一回、二回……三回。
四人のドヴァーの叫びが共鳴し、アルドゥインの隠れ蓑となっていた闇を完全に消し飛ばした。
「貴様ら……! 運命に抗うか!」
霧が晴れ、逃げ場を失ったアルドゥインが急降下してくる。
俺は一歩前に出た。今、この瞬間のために、俺はハチミツ酒を飲み、巨人と戦い、影の鎧を纏い、そして「声」を磨いてきたのだ。
「JOOR ZAH FRUL(ジョール・ザ・フル)!!」
俺が放った「竜墜とし」が、アルドゥインを黄金の芝生へと叩きつける。
三人の英雄が左右から斬り込み、俺は正面から戦槌を構えた。
「これで終わりだ、アルドゥイン!」
ドラゴンの火炎ブレスが俺の鎧を焼き、衝撃波が大地を揺らす。だが、俺の足は止まらない。
最後の一撃。
俺は全身の力、そして同胞団の誇りとブレイズの使命、何よりスカイリムに生きる全ての者たちの願いを込めて、戦槌を奴の脳天に叩き落とした。
ドガァァァァァァン!!
アルドゥインの巨体が激しく痙攣し、その肉体が内側から溢れ出す光に呑まれていく。
奴の魂は俺に吸収されることはなかった。神にも等しいその魂は、天へと昇り、宇宙の理へと還っていった。
「……終わったのか」
静寂が戻ったソブンガルデ。三人の英雄が俺を称え、ツンが再び俺の前に立った。
「見事だ、ドヴァーキン。お前の名は、永遠にこの『勇気の間』で語り継がれるだろう。さあ、生者の国へ帰るがいい。お前を待つ者たちの元へ」
眩い光と共に、俺は再び「世界のノド」の頂上へと戻ってきた。
そこには、無数のドラゴンたちが集まり、かつての王の死を惜しむように、そして新たな勝者を讃えるように、一斉に叫び声を上げていた。
「……戻ったんだね、ヨルン」
聞き慣れた声に振り返ると、そこにはウスガルドが立っていた。彼女は少しだけ安心したように笑い、それからいつものように不敵な表情を作った。
「スカイリムは救われたよ。……さあ、これからどうするんだい? 導き手様」
俺は山頂から見下ろせる広大な大地を眺めた。
内乱の火種はまだ燻っている。
同胞団の仕事も溜まっているだろう。
リフテンの影も、俺の手助けを待っているかもしれない。
「……まずはホワイトランへ戻る。そして、バナード・メアで最高に高いハチミツ酒を頼む。あんたの分もな」
「ははっ! そいつはいい。奢りだよ、英雄様!」
俺たちは、夕日に染まるスカイリムの山道を一歩ずつ下り始めた。
一人の戦士として。一人のノルドとして。
そして、この大地を守り抜いた、最後のドラゴンボーンとして。