The Elder Scrolls V: Skyrim Anniversary Edition発売記念プレイログ小説 作:裸男祭
リバーウッドを後にし、手に入れた金貨の重みとドラゴンの石版の冷たさを背負った俺は、北へと続く街道を一人歩み進めた。
雪解け水が流れるホワイトラン川を渡ると、視界が開け、黄金色に輝く広大な平原が姿を現した。その中心にそびえ立つホワイトランの城壁を目指していた、その時だった。
「死ね! この忌まわしき化け物め!」
怒号と共に、巨大な地響きが聞こえてきた。農園の向こう側で、身長の三倍はあろうかという巨人が、棍棒を振り回して暴れていた。そこには三人の戦士が、鮮やかな連携で巨人を追い詰めていた。
俺は無意識に剣を抜き、加勢しようと駆け寄ったが、俺が辿り着く前に、褐色肌の女戦士が放った最後の一撃が巨人の膝を折り、巨大な体躯が土煙を上げて沈み込んだ。
「……遅かったな、旅人。だが、加勢しようとした勇気だけは認めてやるよ」
彼女の名はアエラ。伝説の戦士団「同胞団」の一員。
「貴様、腕に自信があるならジョルバスクルへ来い。コドラクが新しい血を求めている」
彼女たちは巨人の死体を一瞥もせず、誇り高く去っていった。
「同胞団か……。このスカイリムで、剣一本で名を成した連中。俺のような狩人が、果たしてあの中に入れるのか?」
俺は自分の粗末な鉄の剣を見つめ、決意を新たにホワイトランの城門へと向かった。
城門の前では、緊張した面持ちの衛兵が二人、槍を交差させて立ちはだかった。
「止まれ! 街は封鎖されている。ドラゴンの目撃情報があり、許可なき者の入城は厳禁だ」
俺はリバーウッドでの出来事、そしてルーカンから託された信頼を思い出した。
「リバーウッドのジャルデュルからの伝言がある。ヘルゲンを襲ったドラゴンの件だ。首長に直接話さねばならない」
「……リバーウッドからか。わかった、通れ。だが真っ直ぐドラゴンズリーチへ向かえよ」
重い鉄の門がゆっくりと開き、活気ある街の喧騒が俺を迎え入れた。だが、首長に会う前に、俺の体は悲鳴を上げていた。空腹と疲れ。そして、ヘルゲン以来のまともな休息が必要だった。
街の市場のすぐそば、暖かな光を漏らす宿屋「バナード・メア」の扉を開けた。
中はハチミツ酒の甘い香りと、パチパチと弾ける暖炉の火の音に包まれていた。
「いらっしゃい、旅の方。一杯やるかい?」
店主フルダの明るい声を聞きながら、俺は部屋の隅、最も影の濃いテーブルに目をやった。
そこには、周りの喧騒を拒絶するように一人で座り、大きなジョッキを煽っている女戦士がいた。鋼鉄の鎧に身を包み、赤髪を無造作に束ねた、岩のように頑丈そうな女。
「……何を見てるんだい、あんた」
彼女――不屈のウスガルドは、俺の視線に気づくと、ジョッキをドンとテーブルに置き、俺を睨みつけた。その瞳には、退屈と、どこか深い焦燥が混ざり合っていた。
「あたしと殴り合いでもしたいのかい? それとも、ただあたしの鎧の傷でも数えに来たのか?」
「……いや、ただの旅人だ。休息が必要なだけだ」
「フン、旅人ねぇ。ヘルゲンから逃げてきた鼠の一人かい? あんたみたいな奴が、このスカイリムで生き残れるとは思えないね」
彼女の言葉は棘だらけだったが、その奥に「強者」を求める渇望があるのを俺は見逃さなかった。
「……あんた、そんなに腕に自信があるなら、試してみるか? どちらが先に膝をつくか」
ウスガルドの口角が、吊り上がった。
「いい度胸だ! 気に入ったよ、名もなき狩人さん。金貨を賭けな。あたしを負かせたら、あんたの力を認めてやるし、望むならホワイトランの案内でも何でもしてやるよ!」
店内の客たちが、はやし立て始めた。
俺は剣を置き、拳を固めた。
これが、後にスカイリム全土を震撼させる「ドヴァーキンと不屈の相棒」の、最悪で最高な出会いだった。