ζ(Zeta)   作:AllZ:M

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【設定録集 第一部「槻御輿の不安」用語篇】

 

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【用語】

 

地震波観測所 NEO:GQ(ネオ・ジーク)

 

K県・阿蘇外輪付近に設置されている、前哨的な地震波の観測拠点。

約十四年前より頻発する日本列島の火山性地震の頻発、及び十一年前のS県・富士嶽(ふじのみたけ)の準破局的噴火による関東広域の甚大的被害を鑑み、政府の打診、及び政府学会の総出により設立。

列島各地の活火山地点に拠点が置かれており、第一次設置場所は富士嶽・宝永火口直近に在る。

本拠点は、十年前の南邦御威山(なんぽうおんたけやま)の噴火を鑑み、九州各地への注力的な拠点設置時に敷かれた基盤である。

 

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概念生物

 

伊藤 庵がクロッキー帳に書き留めている、高次元概念の筆致化である。

下記は、劇中で登場する概念生物の一例となる。

 

カメーバ / 老衰した巨大亀の姿を持つ概念生物。背部には巨大な十字架状構造を有しており、自壊寸前の肉体情報と引き換えに、極めて広域的な通信波送信能力を保持している。寿命収斂によって不要となった肉体位相を圧縮し、其れを観測通信へ転用することで、広域座標認識を可能としている。主な役割は「羅針盤」で、位相迷失した概念存在に対して進行方向を与え、“あらわれ”の際に発生する座標崩壊を抑制する。

 

スキュラ / 烏賊の如き軟体の頭蓋を振るいながら猛る、非常に獰猛な巨猪(エンテロドン)。事項の歪みを攪拌させ、掻き混ぜる役割を持つが、余りに攻撃性と位相侵食性が高い為、単独運用は不可能とされ、多くの場合はシーザによる繋ぎ止め処理を必要とする。

 

シーザ / 獅子の如き体毛と六の瞳を持つ、神聖なる()り役。主に、スキュラが「あらわれ」を果たさない為の、一種の繋ぎ止めの楔の如き役割を果たしている。役割としては、粗暴なスキュラに対する、後述のゴラス・データの能をより強化する為のものともいえる。

 

完全平面球体型暴竜・アン / 恐竜の如き外骨格を持つ、完全に球体型へと位相変換された存在。伊藤のクロッキー帳の中に存在する「概念」を確固とする為に、存在其の物が全ての筆致の実証を紙に押し込めている。

 

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ツナギの妖星(ゴラス・データ)

 

伊藤のクロッキー帳に散見される、小規模な丸点筆跡群。

役割としては、概念生物を筆跡外部へ漏出させない為の観測アンカー。

存在座標、重力方向、時間流、地表認識など、現世法則を逐次補強する役割を持つ。

 

特に凶暴性の高い概念存在ほど大量のゴラス・データを必要とし、不足時には筆致外漏出、部分顕現、或いは異常増殖を引き起こす。

シーザは、ゴラス・データの定着効率を大幅に高める補助楔として機能している。

 

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独立観測者

 

伊藤が自称している肩書きであるが、現時点に於いて公的記録・学術記録双方に該当名称は存在していない。

少なくとも、彼女の行動原理は『世界の理を超えた現象を、あらたな言語で確実なものとする』事であるようだが…?

 

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ζ(ゼータ)

 

特定の(あだ)の名、或いは「外部からの問い」。

 

一般的言語体系に於いてはギリシア文字のゼータ、或いはリーマンζ関数を連想させる記号であるが、本作に於けるζは遥かに広義的な意味を持つ。

 

其れは単なる名称ではなく、位相裂孔、観測不能領域、未定義数式、外部知性、及び“存在以前の問い”を包括した概念記号である。

 

ゼータの図の中央へ記述される「ζ」は、ある種の観測裂創であるとされる。

観測者はζを完全認識出来ず、認識の際には必ず脳内補完が発生する為、視認形状には個体差が生じる。

 

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あらわれ / 顕現

外部的な因が、此の世界に土着するプロセスを指した言葉。

単なる出現現象ではなく、“存在定義そのものが此岸側へ適応されてゆく工程”を意味する。

 

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