相棒はウルトラマンゼロでした 〜学園を守りつつ、お姉ちゃんに勝ちたいあたしの最強育成計画〜   作:あぶくま

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作者は初投稿です。文章など拙い部分があるかもしれません。
ウルトラマンメビウス、およびウルトラゼロファイトの内容と、花海咲季と佑芽のSTEP1の内容のネタバレを含みます。また、初星コミュの一部シーンも含める可能性がございますので、双方のネタバレにご注意ください。


あたしたちの「日常」

 分厚い雲が空を覆っている。

今にも雨が降り出しそうな天気の下で、あたしはその背中を追い続けている。

必死に腕を振って全力で走っているのに、距離は縮まるどころか遠ざかっていく。

生まれたときから何度も競い合って、ずっとそばにいたのに、ずっと遠い場所にいる人。

15年間、あたしは一度もその人に追いつけずにいる。

 

「はぁ……はぁ……!」

 

 心の中で、待って!って叫んだ。

また置いていかれる、そう思って胸が苦しくなる。

その背中はとても大きくて、星のように輝いている。

あたしが一番尊敬する人だから、いつか並びたくて何度も手を伸ばすけれど……その手が届いたことはなかった。

 ゴールテープが見えてきたけど、たどり着く前にテープは切られた。

あたしは──花海佑芽は、最愛の姉である花海咲季に負けてしまった。

ゴールしたあたしの首にタオルがかけられて、コーチや選手の人達が声をかけてくれる。

でも、周囲の声が今のあたしには全然聞こえなかった。

 

 悔しい気持ちで、胸がいっぱいになった。

あともう少しで勝てると思っていた。だけど、全然そんなことはなくて、想像よりもお姉ちゃんがいる場所は遠くて、眩しかった。

 

「また、置いていかれちゃった……」

 

 そこにいるはずのお姉ちゃんが、ものすごく遠い人のように感じる。

この勝負はこれで終わり、次はきっと別の競技になる。そうやってあたし達はいつも、色んな種目で対決してきた。

 今度はいつになるだろう。次もあたし達はいい勝負をする。

そして、最後にはお姉ちゃんに負けてしまうような気がする。

 

「ぐぬぬぬぬ!また一位になれなかったぁ~!!」

 

 悔しくてたまらないけど、それでも、お姉ちゃんと勝負できる日々が楽しかった。

お姉ちゃんも同じ気持ちを感じていると確信している。だからこそ、負け続けている自分に腹が立つし、自信だってなくしてしまいそうになる。

憧れのお姉ちゃんだからこそ、一度でいいから勝ちたい。いつも満面の笑みで、あたしの悔しがる姿を見つめるお姉ちゃんの悔しそうな顔を見てみたい。

 

「佑芽、今回も私の勝ちよ!」

 

「わざわざ言いに来なくていいよぉ!いっつもお姉ちゃんが勝つんだから!」

 

「当然でしょ!だって私は、あなたのお姉ちゃんなんだもの!」

 

「ぐぎぎぎぎ……!」

 

 勝ち誇った笑みを浮かべるお姉ちゃんの前で、敗北を噛み締める。

悔しい、でも、楽しくて、幸せな気持ち。ずっとこんな日々が続いたらいいなって心の中で思っていた。それでも、一度は……

 

 

「お姉ちゃんに、勝ちたぁぁぁい!!」

 

 あたしは胸の前で手をぎゅっと握り締めて、空に向かって大声で叫んだ。

その手の中はからっぽのままで、まだなにも掴めなかった。でも、必ずこの手でお姉ちゃんの手を掴めるくらい強くなりたい。

 そう思ったあたしの気持ちが届いたのかな。曇った空に隙間ができて、そこから太陽の光が差し込んでいた。

 

 

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