【完結】私、ジャブローのモグラ志望って言いましたよね??? 作:むにゃ枕
ザビ家の復讐装置というものがある。中身はアスタロスと言われる植物兵器だ。
これをエゥーゴは手にしようとしているらしい。しかもジオン残党であるアクシズと組みはじめた。狂ったのか??
というわけでブライトを連れて、エゥーゴの拠点に乗り込んで会談を行う。撃ってきたら戦争だ!
「メラーラ。貴様がジャミトフ閣下とブレックス准将を殺したのだろう!! いかにもティターンズのやりそうなことだ。よくも私の前に顔を見せられたものだな!!」
「ジャミトフ閣下とブレックスが死んだだと??? 誰に殺された??」
「貴様が殺したのだろう! よくもぬけぬけと!」
会談に応じたシャアがブチ切れている。グラサンを捨ててオールバックになっており、総帥モードだ。このままだと、エゥーゴがネオ・ジオンになってしまうのではないか??
ジャミトフとブレックスの死に関して、私はまったく関与していない。なんで死んでいるんだ??? 事故死した??
「ティターンズの艦艇は動いていない。モビルスーツも人員もだ。私が連邦軍人を殺すような人間に見えるのか?」
ブライトの頬がピクピクと引き攣っている。なるほど、私がジャミトフとブレックスを殺害したとブライトも思ったようだ。
彼らの思想はどうであれ、同じ連邦軍人を殺すわけがない。殺して良いのはジオン残党だけだ。
「あくまでしらを切ると言うのか??」
「私は無実だ。エゥーゴは滅ぼしてやりたいが、それでも私はやっていない」
「動機があり実行能力がある。ならば貴様がやったと考えるのが普通だ」
「残念ながら証明することは出来ない」
「では我々は決別することになる。良い関係を築けたと思っていたのだがな」
「アムロに負けたくせによく言うよ。死んだララァの代わりはアムロ・レイか? 空虚な政治ごっこではなく、現実を見た方が良い。うかうかしていたら、赤い彗星が愚者の代名詞に変わってしまう」
「くたばれ。真相は貴様の死体に聞いてやる」
シャアが拳銃をぶっ放す。あって良かったニュータイプ能力。間一髪で銃撃を避け、こちらの護衛も応戦する。
というわけで、エゥーゴとティターンズの戦闘がはじまってしまった。
無事に脱出してから、モビルスーツに乗ろうとアルビオンの格納庫にいたら、アムロに見つかった。
「メラーラ中佐、あなたがこの事態を引き起こしたのですか?」
「まさか。私はたった今酷い目に遭った。アムロ。私は冤罪だよ」
「本当ですか? 返答次第ではあなたを撃ちますよ」
「本当だ。エゥーゴは嫌いだが仕掛けていない」
アムロによる感応チェックが入る。はい。無実です。
「……信じがたいですが、本当ですね。メラーラ中佐、疑って申し訳ありません」
信じがたいとは何だ?? 私ほど素直な人間はいないのに。
「包囲を突破する。撹乱は任せた」
「ええ。破ってきます」
こちらは寡勢だ。アルビオン単艦であり、エゥーゴとやり合ったら負ける。いやアムロ+アレックスがいるから負けないか?
「メラン・メラーラ。GP01-SP出る」
GP01-SPは高機動の遠距離射撃特化ガンダムである。私が乗っているので、近接攻撃しようとする敵機からは爆速で逃げる。それから遠距離で撃つ。敵からすると最悪だと思う。
例によってロングレンジビームライフルを装備しているので火力はあるのだ。
というわけで、エゥーゴのジムⅡを撃墜する。ジムⅡに混じってガザCなどのジオン系の機体がいるので、それも落とす。
10機くらい敵を落としたあたりで、シャアの赤いガンダムがこちらに向かってきた。
「アムロ援護しろ!? アムロ…?? アムロ……????」
「くたばれ! メラーラ!」
こいつぅぅ! しつこ過ぎる!!
「どうした? 逃げるだけか??」
「こちとら遠距離専用機だぞ! お前の相手なんかしてられるか!」
「逃がすと思うか?」
アムロぉぉ! 早く来てくれ! 助けてくれ!!
「チッ、初恋拗らせ野郎がよぉぉ!! やってやろうじゃねぇかこの野郎!!」
「敵うと思うなよ!」
え〜、シャアは強かった。私のガンダムは犠牲になったのだ。足止めの犠牲にな……
機体は全壊しましたが、私は元気です。生き延びたけどシャアに殺されかけました。もう前線に出るのやめようかな。
機体スペックでは十分に渡り合えるはずなのだが、近接戦におけるセンスが私に無いのだ。
逃げ延びたアルビオンは、ティターンズ艦隊と合流する。そこで、アムロが謎のピンク髪少女を連れてきていた。
「私を助けなかったアムロ大尉。その子は誰だ?」
アムロ・レイが連れてきたツインテは、ベッタリとアムロの腕を握っている。私がシャアと戦っているときに、彼女と戦闘していたらしい。
「ハマーンというそうだ。ニュータイプだよ。シャアに幻滅したらしい」
これがハマーン??? ツインテールだし、涙袋メイクしてるよ。服装とか完全に地雷系のメンヘラじゃん。
「アムロはシャアとは違う。あの人はずっとララァのことしか見ていない。でも、アムロの中にキラキラが見えた。それでアムロは優しい人だって分かったの。私ね、アムロに一目惚れしたんだと思う」
「レイ大尉。君たしか今、フリーだったよな?」
「そうなの!? じゃあ、アムロ、私を恋人にしてくれる? 私、アムロのためならなんでもするから!」
「やすやすとそういうことを言うもんじゃない。君は子供だ。ここで即答するようなヤツを信じるべきじゃない。もっと自分の頭で考えろ」
「理屈じゃなくて、私の心がアムロを求めてる。多分、シャアがララァを求めているのもそう。ヒトの感情って、理屈を越えてもっと生々しい生物的なものなのよ。私の心もおっぱいも子宮も全部がアムロを欲しいって言っている」
「はぁ……シャアのところに帰れとは言わないが、君は現実を広く知るべきだ。もしくは近くに信頼できる大人はいなかったのか?」
「今はアムロがいる」
無敵と化したハマーン。アムロはハマーンをあしらっている。しかし、なんやかんやで面倒見の良いアムロは結局、彼女の世話を焼いている。
エゥーゴにハマーンを捜索する動きは見えないし、通信も送ってこない。これは完全に見捨てられたようだ。
エゥーゴには普通の連邦軍人も属していたため、シャアに従いたくない連中が降伏してきたりもした。
ジャミトフやブレックスが死んだため指導者がシャアとなり、エゥーゴも混乱しているようだ。ティターンズに対して戦端を開く合意をエゥーゴは形成しきれていないようである。
エゥーゴは、親スペースノイド組織である。スペースノイドのために連邦政府を改革しようという、現在の状況下では極めて異端の勢力なのだ。
デラーズ・ショックにより地球圏全体が冷え込んでいる中で、親スペースノイドを名乗るのはかなりの蛮勇だ。月航路を吹き飛ばしたテロリストのせいで、皆が苦しんでいる。
連邦政府は、各コロニーのために復興予算を組み、実際に復興を進めている。
確かにスペースノイドには参政権がないし、空気税を払わなければならない。スペースノイドからしたら、連邦政府高官が裕福な暮らしをしていることに反感を覚えるかもしれない。
でもそこそこの生活は出来ているだろう。そこそこの生活が出来るのに何が不満なのだ?
ブライトは、私の謎に対する答えを持っているようだ。
「希望が持てないからですよ。ずっと搾取され続けては、人は萎縮してしまいます。ジオンという燈火は、スペースノイドにとって希望なのでしょう」
「その希望は、コロニーに毒ガスを注入しコロニーを破壊したぞ。フォン・ブラウンに核攻撃をしたあげく月航路をめちゃくちゃにした。それでもスペースノイドにとっては信じたいものなのか?」
「間違った燈火でも、ジオンシンパが威勢のいいことを言えば人々の耳には入りますからね。一部のスペースノイドはそれを信じるでしょう。また、一部の民衆は、ジオン狩りのメラーラを恐れています」
「私はコロニーに毒ガスを注入したり、コロニーレーザーを使っていないが?」
「スペースノイドの間には、連邦政府に弾圧されてきたというナラティブが成立しています。だから、過激なことをメラーラ中佐がすれば、それが自分に飛んでくると恐れるのです」
「バカバカしい。まあ、それは良い。エゥーゴは自滅した。アクシズが地球圏へ動いているようだが、奴らの到達を待つ必要はない。我々ティターンズで叩き潰す」
現状を整理しよう。エゥーゴはジャミトフとブレックスを乗艦ごと失った。シャアがティターンズに宣戦布告し、エゥーゴから降伏してくる部隊も出ている。
エゥーゴにはアクシズの先遣部隊がいるが、数は少ない。
つまり、エゥーゴとアクシズを潰せば私の勝ちだ。ジャミトフとブレックスの死については、マンハンターやエコーズのツテを伝って調べるとして、まずはこの好機を活かしジオン残党を潰す。地球に隕石やコロニーは落とさせない。