【完結】私、ジャブローのモグラ志望って言いましたよね???   作:むにゃ枕

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22 エピローグ

 ハイロゥのコアから広がったサイコ・ウェーブは、途中でその輝きを増し、地球圏を覆った。

 それは、パプテマス・シロッコの生命と、メラン・メラーラのニュータイプ能力及び前世の記憶を燃料に生じた現象だった。

 

「あー、頭痛い。シロッコ、生きてる??」

「……死に損なったようだ。礼は言わんぞメラン」

 

 何かを失ったような気がする。とはいえ、私は生きているし元気だから問題はないだろう。

 

「メラーラ! 無事か!? 君の心の内を見た。俺は間違っていた。勝手に決めつけて、何がニュータイプだ…! すまない」

「パプテマス様……」

 

 アムロが何か言ってている。今さら助けに来るのか。何を言っているかさっぱりだ。

 

 蒼い光に包まれた後で、殺し合いをする気はなくなったようで、自然と停戦が成立している。

 

 毒気がなくなったようで、シロッコは素直に降伏に応じた。モビルスーツから引っ張りだされた彼は、髪を失い皺だらけで醜く縮んでいた。まるで老人のようであり、その生命の灯火は消える寸前であった。

 

「逝くならば、愛した女の胸の中で死にたい」

「はぁ……仕方ないな。それくらいなら叶えてやる」

 

 パプテマス・シロッコは私の胸の中で静かに息を引き取った。彼の死亡により、シャアの反乱から生じた一連の騒動は幕を閉じた。

 

 ちなみにジュピトリスは多少被弾したけど壊れていない。この連邦政府を割りかねない戦争は、極めて穏当に終戦を迎えたのである。

 

「…………知らん。私は軍を辞める。改革はしたい奴がすれば良い」

 

 連邦政府にカウンタークーデターを仕掛けたとか、知らん。なにそれ。こわい。

 私の与り知らぬところで、大変なことが起きていたが、私の責任ではない。今後のことは、全部やる気のある人に頑張ってもらおう。

 

 ということで、私はスパッと軍を辞めた。よく考えてみたら、これまで頑張ったのだからこれ以上頑張る必要はない。

 

 そもそも金も権力も十分にある。暇な時間は天下りで手に入れたオーガスタ・スクールの教員としての時間で潰せば良い。

 ニュータイプ能力はなくなったが、戦場での経験を伝えるくらいは出来る。このオーガスタ・スクールの子供たちが戦場に立つことのない未来が来れば良いな。

 

 連邦政府には、改革の嵐が吹き荒れた。文民統制が強化され、軍人が連邦議員を務めることは出来なくなった。

 連邦政府は、地方議会と連邦議会を設立し、各コロニーに予算を配分するような緩やかな地方分権をはじめていた。

 

 連邦議会は、あり得ないくらいの数の議員を内包する議会となった。スペースノイドを含めた各地域から、議員を選出するのだ。それは膨大な数となる。

 政党が乱立を繰り返しており、議会は大いに揉めている。私は隠居生活をしているので、全く関係ない。

 

 ティターンズは、私が解散させたのでなくなった。ブライトやアムロをはじめとする志のある将校がロンド・ベルというティターンズの後継組織を立ち上げたそうだ。

 

 金も権力も地位もあるので、私にはあんまり関係のないことだ。

 

 そういえば、私の拾ったリベとスカーはオーガスタ・スクールの教員となった。人間は成長するらしい。

 ちなみに、オーガスタではアミリアとリタがツートップである。2人とも仲良しだ。

 

 隕石が落ちてきたり、コロニーが降ってくるようなことは、そこまで無さそうである。私が頑張った成果だ。これで羽を伸ばせる。

 

 オーガスタ・スクールでの勤務を終えると、自宅にアムロとハマーンが遊びにきていた。

 

 ハマーンは、幸せそうに自身の下腹部を撫でている。

 

「おめでた?」

「はい! アムロと今度、結婚式を挙げるんです!」

 

 満面の笑みを浮かべるハマーンとは裏腹に、アムロの笑みはぎこちない。プレイボーイとして名を響かせたアムロだが、結局ハマーンからは逃げられなかったようだ。

 

 アムロのクローンであるアミリアは、そんなアムロにドン引きして、距離を置くようになった。

 

 世の中から戦争がなくなったわけではないが、手の届く範囲くらいは守れたのではないだろうか?

 

 アムロ・レイとハマーン・カーンの結婚式は盛大に行われ、連邦軍や連邦政府のお偉方がたくさん列席した。

 

 よく分からないまま改革の旗手となり、いつも胃薬を飲んでいるジョン・コーウェン大将。

 ちゃっかり、政治家に転身しゴップ派の重鎮となっているオルト・メラーラ議員。

 ロンド・ベルの責任者を務めるゴドウィン・ダレル中将など、元ティターンズメンバーの他にも、様々な場所から色々な偉い人が列席している。

 

 珍しい人物で言えば、木星船団の関係者が挙げられる。シロッコのハイロゥは地球圏に、特に何の損害も齎さなかった。

 しかし、彼が木星船団の資金を使い込んだことにより、木星船団が窮余の状態にあることが分かった。このことを契機に連邦政府は木星船団や外宇宙に多大な支援を行ないだした。地球連邦は、人類の生存圏を広げることに意欲的である。

 

 平和であるからこそ、戦争で失われなかった余力を伸ばせるのだろう。

 

 ズムシティを吹き飛ばされたジオン共和国も、なかなか頑張っている。そもそも一年戦争で無傷だったコロニーなのだ。アクシズが吹き飛んだ欠片で首都バンチがなくなっただけだ。

 他の毒ガスを流し込んだり、核弾頭を喰らわせたコロニーが頑張って復興しているのだから、ジオン共和国が沈んでいたらおかしい。

 

 アムロとハマーンの結婚式は、盛大な盛り上がりを見せ、無事に終了した。めでたい。

 色々あったけど、やるべきことはやった。そんな気がする。

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