【完結】私、ジャブローのモグラ志望って言いましたよね???   作:むにゃ枕

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04 終わり! 終戦! 以上みんな解散!

 我らがレビル将軍とその麾下の艦隊が、コロニーレーザーで吹き飛ばされた。レビル将軍が水面下で行っていた和平交渉も水の泡である。

 

 というわけで、ジオン本国を守る最後の要であるア・バオア・クーを攻略しにきた。

 ホワイトベース隊のパチモンみたいな扱いをされていることが判明したグレイファントム隊だが、その役割は明確に違う。

 

 ホワイトベース隊はニュータイプ部隊でありエース部隊。グレイファントム隊は参謀本部のポチであり、お使い部隊だ。

 ドーベルマンとチワワを比べるレベルで性質が違う。

 

 うちは参謀本部直属だが、オーガスタ基地やオーガスタのニュータイプ研究所とも仲良しなので、そちらの都合も汲んで行動する。

 今回のア・バオア・クー攻略戦での目標は、ジオンのサイコミュ技術だ。

 

 宇宙世紀の人間の屑ことマンハンター。そう呼ばれることもあるエコーズの隊員たちをグレイファントムに載せている。キャタピラ部を兵員輸送車に換装したガンタンクもエコーズが用意している。

 エコーズの隊員こと人間の屑を突っ込ませて、ア・バオア・クーにあるサイコミュ関連のデータや物品を確保する作戦だ。

 

「エコーズのハイマン少佐です。今回の作戦にご協力していただきありがとうございます」

「メラン・メラーラ大尉です。こちらこそよろしくお願いします。必ず成果を出しましょう」

「はい。メラーラ大尉はとても物分かりが良い方で助かります」

 

 ハイマン少佐はイケオジですごく丁寧な人だった。この一瞬で彼の信頼できるオーラに負けそうになった。しかし人間の屑予備軍である。騙されんぞマンハンターめ!

 

「グレイファントムでの強化人間の方はどうなっています?? オーガスタ研究所の方が様子を気にされていましたよ」

「自由にやらせています。今のところ大きな問題は生じていません」

 

 公衆の面前で性交していたり、アムロと3pしていたことが頭に浮かんだが、それは些細な問題だ。大きな問題は生じていないというのは嘘ではない。

 

「あの2人は強化人間としての予想を上回る成果を出しているそうですね。それにまだ壊れていない。消耗せずに使えているのは見事な運用です」

「はは。それほどでも」

 

 廃棄品だからほぼタダだったし、壊れたら買い換えれば良いかな〜って感覚で貰ってきたんだがまだ壊れていない。

 特に追加での調整もしていない。というか調整する設備もないし人員もいないので放置している。なのでメンタルが悪化したらケアできる人間がいないのだ。メンタルは悪化していないらしい。なんだか分からんけどヨシ!

 

 共依存させてセックスさせてるのが良かったのかもしれない……私は強化人間運用の専門家じゃないから分からないけど。

 

 ハイマン少佐と仲良くお話をし、ブリーフィングを行った後に、ア・バオア・クー攻略戦が始まった。

 

 とは言え、やることはない。グレイファントムは戦闘がはじまってからも後方でチマチマとミサイルを撃ったりビームをぶっ放したりしている。

 うちのモビルスーツ隊も強化人間2人が突っ込んでいって補給に戻ってくるぐらいしかしていない。

 

「ジャス中尉、どうせ後方まで大した敵は来ない。警戒を第一に優先し、味方モビルスーツの補給支援にあたれ」

「はっ、分かりました」

 

 スカーレット隊が補給支援をしている間、私はぼんやりしていた。戦略的ぼんやりだ。過集中よりも適度にぼんやりしていた方が、敵を見つけやすい。

 

「ん? げっ……ジオング……」

 

 嫌な気配がしたと同時に前方のサラミス級が、艦の中ほどからポキリと折れる。インコムの高出力ビームがサラミスの船体をへし折ったように見せたのだろう。

 

「全機、グレイファントムの護衛に戻れ!」

 

 アムロは何をしてるんだアムロは…! そしてシャアが出てくるのが早い!

 

「とは言え、インコム程度なら落とせる」

 

 超遠距離から、ロングレンジビームライフルを使用しジオングのインコムを落とす。加熱により1つの銃身につき1発だけしか撃てないので、再装填がダルい。

 

 うへぇ!? マジかよ!? ジオングで突っ込んでくるのかよ!?

 

「また貴様か!!」

「ほげぇ……」

 

 クソ! これだから速い奴は嫌いなんだ!! あとシャアの部下もちゃっかり援護してやがる!

 

「くたばれ、連邦のスナイパー!」

 

 突っ込んできたジオングが、こちらに思い切り体当たりをする。おい! 口からビーム撃つな!! あっ……大破したんだけど! こちとらお前に壊されたからピカピカの新車なのに!

 

「赤い彗星! 俺と戦えぇ!」

「チッ、邪魔が入ったな……」

 

 流石に2個小隊のモビルスーツ相手にジオングで近接戦を行うことは避けたらしい。明確に私だけ狙って落としに来るのめっちゃ嫌い。

 

「ジャス中尉、助かった」

「いえ、俺は奴に相手にもされなかった…!」

 

 されない方が良いだろ。雑魚を狩ったほうが良いじゃん。学徒兵のゲルググ狙おうぜ。ゲルググ。

 

 ボロカスにされたのでグレイファントムで予備機に交換した。あったのは作業用のザニーだけだ。仕方がないのでロングレンジビームライフルだけ担いで艦の上で待機することにする。

 サボっているのではない。有線で艦からエネルギー供給を受けているためここから動けないのである。ザニーの出力は低い。ビームを撃つようには作られていない。

 

「敵モビルアーマーに注意しろ。特にビグロに気をつけろ」

「了解です…!」

 

 ジャス中尉が気合いを込めた声で返事をする。シャアにガン無視されたことを気にしているらしい。

 

 アムロが乗ったアレックスが化け物みたいな速さで戦場を行き交っている。光の線が通った後に爆発の光が広がる様子は、ある種の花火のようだ。

 その大きな光に沿うように、2つの小さな光が寄り添っている。あれ、うちの強化人間じゃん……

 

 どうやら、ジオングは撃退されラストシューティングはキャンセルされたようだ。強い……アムロのアレックスあまりにも強すぎる……

 

 敵空母が沈んだので、グレイファントムは前進することにした。ペガサス級は戦艦と強襲揚陸艦の間の子のような存在なので、その本分を果たす時が来たのかもしれない。

 

 申し訳程度に防御についていた敵を、スカーレット隊のジムスナイパーⅡが排除する。それからタンクが降下し、ア・バオア・クー要塞の隔壁に穴をぶち開ける。

 グレイファントムは、要塞に着陸せず浮いているだけなのでこちらとしては特にやることがない。戦果を待つだけの係となっている。

 

「ジャス中尉、要塞内部の様子はどうだ?」

「制圧完了しました。味方の損害はありません。エコーズも順調に制圧しているようです」

「分かった。そちらは任せる。ジオンは崩れたようだ。これなら味方が抑えられる」

 

 エコーズは問題なくサイコミュ関連の資料を手に入れたようだ。ジャス中尉率いる護衛モビルスーツ隊にも損害はない。

 グレイファントム隊に課せられた任務は成功したと言えるだろう。

 

 それからしばらくして、オープンチャンネルで停戦命令が出され、戦場の光が少なくなっていく。完全に光が消えるまで少しの時間は掛かったが、無事に停戦はなされたようだ。

 

「勝ったか」

「やれやれ終わったな」

「死ななかったですわ〜!」

「……良かった。これで故郷に帰れる」

 

 ポツポツと戦争が終わったことに安堵した声や、疲れた声が漏れ聞こえてくる。

 一年戦争の一番美味しいところだけ掻っ攫って手柄を立てた。これで、私は出世ルート間違いなしだ。

 

 尻で椅子を温めるだけの仕事がこれから先に待っている。

 

 しかし現実は甘くなかった。宇宙からすぐに引っ張られ、グレイファントムは地球に降り立った。それからジオン残党のお掃除だ。

 

「…………これでは、便利屋です」

「メラン、何か不満でもあるのかな??」

「本音を言わせて頂きます。お父様、私、ジャブローのモグラ志望って言いましたよね??」

「確かにそんなことを聞いたかもしれない。だが叶えるとは言っていない。娘可愛さに査定に手を抜くようなことはしないよ」

 

 クソ親父め。大尉から少佐に昇進したのは良いが、少佐への将校課程も修められていない。それどころか、グレイファントム隊の一員として酷使されている。

 

 おかしい……私は出世してジャブローのモグラになっているはずなのに、どうして前線指揮官をやっているのだろう。

 

 確かに私の乗艦であるグレイファントムは、大気圏内も宇宙空間も行けるフネだ。非常に便利である。遊ばせておくには勿体ない。

 でも、連邦政府はそんな合理的なことしないはずじゃん…! もっと腐敗してて命令系統が頭でっかちのウスノロの巨人のはずだ。

 

 もしやバタフライエフェクトでも与えているのだろうか? 私が自分の欲求のために行動していることで歴史が変わっている?

 だからといって特に自重しようとは思わない。私は私のやりたいようにやる。

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