弾倉に祈りを込めます   作:覚め

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ええっ!?
人間がフランドールに挑む、ですって!?
馬鹿か???


旧友

「はぁ、そうですか」

 

「…緊張感全くないわね。」

 

「まあ、ほとんど私に関係ありませんし。」

 

「…そう言うところは好きよ。」

 

なんか、知らないうちにフランが出て来るらしいと言う情報が回っていた。パチュリーに確認したところ事実だと言われた。…それってすごく面倒では?レミリアは神社へ出掛けており、咲夜も先日の傷が完全には癒えていない。パチュリーも今日は調子が良さそうではあるが、動き始めたら悪くなることもあるだろう。肝心なところで役に立たないのだ、この魔女は。魔女の癖に喘息を患うとは何事か。猟銃を担ぐこととする。が、直ぐにその心配がなくなる。博麗神社の巫女、博麗霊夢が来たからだ。

 

「何故通したの?」

 

「あの人間なら大丈夫でしょう。問題は次ですよ」

 

「…いや、侵入者の撃退って、貴女も同じ仕事のはずでしょ?」

 

「…あ」

 

博麗霊夢が戻って来た。そもそも地下室とはどこだと話しかけたいらしい。地下室とは何か。パチュリーを見てやれば、どうやらパチュリーも知らなさそう。地下室とは何か。まあ、出て来るのであればここで待っていた方がいいはずで。私は咲夜に茶を用意させてから席に座った。先日の巫女が放ったよくわからないアレについて聞きたいが、もう一度ぶっ放されても困るので、黙っていよう。…そういえば、フランは起床時間を私たちに合わせたことはなかったはずだ。いつ出て来るんだ?夜?

 

「でしょうね」

 

「今来なくても良かったじゃない」

 

「まあでも、その起床時間も地下室暮らしで狂ってるかもとレミィが言うのよ。だから予防策として雨を降らせてるの。」

 

「面倒ですね」

 

「でしょ。」

 

「ったく、あの吸血鬼…自分が帰れないからって私に押し付けないでほしいわ」

 

猟銃を手に持ち、博麗霊夢へ向ける。霊夢は視界に映すだけに終わり、何も反応を示さない。悪くは思うが仕方ない。足を撃つ。乾いた音の後には、反響する巫女の悲鳴だけが響いた。そんな騒音の中、パチュリーに治療を頼む。久しぶりにやる気になったと言えばまだ良いが、そんなものではない。ただ、トラウマと重なりそうだったから撃った。不遜なあの吸血鬼。神父が招いた吸血鬼。二人に従い食い荒らした妖怪。レバーを引く。雨でレミリアは来れない。不遜な吸血鬼を討つとする。気まぐれで。

 

「アンタね…こう言うことされて、黙ってると思う?」

 

「黙ってる他ありますか?私には飛ぶこともままならなさそうに見えますが。」

 

「っ…」

 

「マレン、無謀よ。満足させるだけに留まりなさい。」

 

魔女も撃っておく。レバーを引く。窓が割れる音、何が来たかと思えば魔理沙だった。箒を撃つ。腕前が衰えているようではなく、ちゃんと当たった。魔理沙が箒なしでも飛べると言うのは知っているが、その速さはお世辞にも速いとは言えない。何なら走ったほうが早く見えた。尚、そのあとは疲れたと言って寝ていた。そこを考えれば霊夢の厄介さは良くわかる。単体で飛べて速い。本当に厄介。猟銃を背負い、魔理沙の落下地点に行き落ちてくるのを待つ。

 

「よっ」

 

「はぇあ…え、何?何これ?」

 

「私が撃ち落としました。ここは危険ですから、咲夜のそばにでもいなさい」

 

「あ、そう…???」

 

「諦めなさい。私もやられたわ」

 

「霊夢も!?パチュリーも!?」

 

「マスタースパークとやらを使っても良いですが、無意味だと思いますよ。」

 

「そ、…それはどうかな!」

 

変なのが向けられる。あの時の小道具だ。猟銃の引き金に指を付ける。眩い光が小道具に集まる。そこで引き金を引く。乾いた音、短い悲鳴、弾かれる音。レバーを引く。魔理沙の出した小道具は私の銃弾に当たって手元から飛んだようだ。何かが怖かったらしく、頭を抱えてうずくまっていた魔理沙に小道具を取ってやり咲夜を呼ぶ。介抱とかを頼み、猟銃とナイフを確認する。猟銃は勇敢な男の印だったが、こちらでは違うのかもしれない。霊夢は妖怪に立ち向かうような狂人だから除外だとして、確かに猟銃の類を背負う人間を見てない。会った数が少ないだけかもしれないが、どうだろう?

 

「…さて、出て来たようですね」

 

「ところでマレン、貴女飛べないのにどうするの?」

 

「飛んだからなんですか?」

 

「…はぁ?」

 

不遜な吸血鬼が出て来た。四方八方めちゃくちゃに飛び回る。引きこもってて運動ができなかったからここぞとばかりに運動でもしているのだろうか。ナイフの持ち手で頭を叩き、思考を切り替える。不遜な吸血鬼が食い荒らした跡を思い出す。腹を食い破られていた子供、頬の肉だけが食われてそのままだった死体、村の皆が集まる焚き火で体を焼かれていた死体。怒りだけが込み上がる。対象はあの吸血鬼。猟銃を構えて引き金を引く。本棚から煙が上がり、パチュリーの悲鳴も聞こえる。レバー引き、声を張り上げるための息を吸う。

 

「出て来なさい!」

 

「無粋な歓迎ね…でも気に入った」

 

「本棚が…!」

 

「アレがアイツの妹ねぇ」

 

「私に当てるなんて…随分とまあ、偉くなったのね」

 

引き金を引く。レバーを引く。引き金を引く。レバーを引く。放たれた弾丸が全て吸血鬼に当たるが、吸血鬼は何でもないといった顔をしている。吸血鬼が接近する。ナイフで顔を斬りつける代わりに吹き飛ばされる。…吸血鬼の突進に反応できている時点で、ただのシスターが身に付ける身体能力じゃなくなっている。人外を嫌悪していた私が。元々老いていない時点で察してはいた。ここまで露骨に人外だったとは。少し悲しくもなる。

 

「良いナイフね。もっと気に入った」

 

「性格が定まっていませんね。神に祈るのもお勧めですよ」




Q.そもそもなんでシスターの弾丸はほとんど当たってるの?
A.感情の矛先が決まってるのに、放たれた感情が外れるわけないだろ。
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