弾倉に祈りを込めます   作:覚め

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春?知らない子だね…


春来不

「…何?」

 

「桜はいつ見られるので?」

 

「今年は冬が長引いてるから…まあ、時間が流れれば」

 

「そのことについて不満のある方が」

 

「…魔理沙?」

 

「ここまで長引いて異変じゃないは無理があるだろ?」

 

単純な疑問。我々のように空を覆うことなく気温を操り低温を続けさせ、春が来ないようにしているような者がいるのか、それともまた別の方法で春の訪れを遅らせている者がいるのか。私も新しく覚えた魔法で空を飛びながら神社に来ていた。正直言って疲れた。レミリアからも、桜というものが見たいと話されている。私としては従う義理もないが、利害の一致と言うものだ。寒くては。桜が見られなければ。原因がわかればそこに咲夜を連れて行かせるつもりらしい。咲夜がいない間は誰がメイドをするのやら。

 

「と言うわけで、殺しに行きますか」

 

「えっ」

 

「魔理沙から見れば異変なのでしょう?ならば直ぐに。」

 

「…変だよ、マレン」

 

猟銃とナイフをさっさと館から持ち出し、魔理沙に合流。実は私、紅魔館以外は魔理沙の家と神社しか場所を知らない。遠目に知ってはいても、まあ知らないことの方が多いわけだ。最近は魔法に没頭していた為、猟銃を握る感触が新鮮に感じられる。空を飛びながら魔理沙の後を追いつつ、怪しげな人影を探し続ける。案外いないものだ。と、眼前に飛び出してきた謎の妖怪。魔理沙曰く雪女と言う妖怪らしい。雪女、と言うのはあんなにもゆったりとした喋り方をしているのだろうか?どちらかと言うとまったりかな。まあいいか。

 

「ばん」

 

「や〜ら〜れ〜た〜…」

 

「ばん」

 

「追〜い〜討〜ち〜」

 

「ばん」

 

「流石に酷くない?」

 

「えっ、どうでしょう…?」

 

「は、なんで私を見るんだ?何もやってないだろ?」

 

魔理沙は関与を否定した。ついでに冬が長引いてる原因も聞いたが、本人はわからないと言った。雪女だから仕方ないのかも。が、雪女はこうも言っていた。春は訪れているはず、何故か訪れた春がどこかへ行っている、と。何を言っているかわからなかったため、とりあえずで腹を刺しておいたのだが、果たして良かったかどうか。そして恐らくは先ほどの妖怪と行動を共にしていたのであろう、妖精と呼ばれる存在が出てきた。氷の妖精らしい。確かに、先ほどは気づかなかったが雪女と同じように肌寒く感じる。

 

「その格好で寒いって言うのか?」

 

「自業自得ね!」

 

「まあ、結局火薬で少しは暖かくなりますから」

 

乾いた音が聞こえた。猟銃を握ると言う行動上、恐らくは構え方が悪いのだが、少し銃身から熱が加わる。私の感情のせいかもしれない。春が来ない、桜が見れない。それを見たいがために今こうして猟銃を持ち出している。もしかしたら怒っているだけかもしれない。息を吐く。白い息だ。魔理沙の後ろを追い続けていればあら不思議、魔理沙が消えた。…?つまり私は見失ったと言うことだろうか。途端に寒く感じられる。これもまた、異変の首謀者のせいなのだろうか?

 

「なにこれ」

 

「なにこれって…私の人形」

 

「そうですか」

 

「…ついさっきまで魔理沙といたでしょ?どこにやったの?」

 

「知らないです」

 

「マヨヒガかしら…ま、魔法の新作を試したいから巻き込ませてもらうけど。魔理沙の知り合いならそんなにヤワじゃないでしょ?」

 

「…成る程。」

 

つまりは実験体と言う話だ。気分の良い話ではない。人外を人が育てたらどうなるのかを試された私からすれば、心地の良い話になるわけもない。猟銃を構えて引き金を弾く。狙いは本人。金髪、カチューシャ、青を基調とした服。…魔法を使うと言う点では魔女なのだろうか。周りに多くいる人形は視界にも入れず、レバーを引く。一回目は人形が盾になったようだが、もうその人形が動くかどうか。盾にならず、確実に当てられる距離…なんてものは狙えるわけがない。

 

「危ないわね。人形が可哀想でしょ?」

 

「そうですか。」

 

近付いてナイフで無理やり人形を止める。片手で撃った試しはないが、それでも撃ってみる。なんか当たった。やれることをやりつつ有効打。咲夜がよくやる行動だ。ならば私もその真似事を。魔導書はないが、それでも簡単な魔法は扱える。ただまあ、扱いは難しいし面倒。現に、今放ったただの放出魔法でさえ私の後ろから現れた。そのまま目の前の魔法使いに直進、攻撃。面倒なことをさせてくれた。私も荒事が得意ではない。勿論人外にしては、の言葉が付く。

 

「…成る程、成る程。」

 

「あれ、何あいつ?」

 

「冬場は宴会ないからなぁ」

 

「お正月とか!」

 

「成る程…成る程…」

 

うるさく音を鳴らす騒音が三人。赤、黒、白の順で切り倒す。何かを察することはしない。考えるのがとても億劫になってきた。もう出会った人妖問わずに全員倒せば終わるのではないだろうか。少し彷徨ったところで、私は変なところに辿り着いた。目の前には大きく続いた道。もしや魔理沙も同じように移動しただけだったのでは?ただ面倒な考えに惑わされてただけか。目の前にいる白髪の少女。…ここが異変の本山かどうか尋ねてみるか。何か言っている気がするが、まあ私の知りたい言葉は種類が限られるので、尋ねるまでは聞く必要はないだろう。

 

「斬りますよ!」

 

「…」

 

「聞いてますか!?」

 

「春が訪れないのは、ここが原因ですか?」

 

「っ…御免!」




考えてる間の妖夢「それ以上入ったら斬りますよ。聞いてますか。斬ると言ってるんです。…聞こえてますか?あの、おーい!?斬りますよ!?」
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