弾倉に祈りを込めます   作:覚め

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有効活用してくれる奴は多いに越したことはないからね、仕方ないね。
ええっ!?喘息持ち病弱魔女!?!?


襲撃

「じゃあ、留守は任せたわよ」

 

「分かりました」

 

「何かあれば妹様へどうぞ。台所も整えたから使いやすいと思いますよ」

 

私よりも高い身長の妖怪が揃えた台所は使いづらいだろう。レミリアと美鈴が何処かへ遠征に行った。以前フランから聞いた、使えもしないものを集めの遠征だろう。私は護身用なのかもわからない猟銃を押し付けられた。…手から滑り落ちる猟銃を持たされても、そこまでの意味はないと考えるが。丁寧に両手で持ちながら建物の中を歩く。私の足音だけが響く建物が、私とフランを除けば誰もいないことを表している。まあ、それも捉え方次第ではあるか。先日討伐隊と美鈴を見かけた場所に着く。そこから外を見た所、何やら人影。

 

「…あれは…?」

 

人か妖か、はたまた吸血鬼か。吸血鬼はない。この日の下を何もなしで歩く吸血鬼は流石にないだろう。…人はもっとない。微かに浮いているように見える。…であれば、妖か。玄関先の大広間まで降りる。こちらに向かっているのであればここで出会えるだろうし、向かっていなければその確認が出来る。猟銃をしっかりと持ちながら扉を見つめる。上から見ていた感じでは、ここまで来るのに時間がかかるはず。今は違えど、元は教会。荒らされるのは控えてもらいたい。…今更ではあるけれど。

 

「っ!?」

 

「…あら、さっき見てた人間ね?待ち構えていたなんて、良い従者じゃない」

 

「今はこの建物の主人が不在です。用件は?」

 

「確認して来てるから当然でしょ」

 

そう言うと、目の前にいる全体的に紫のような色をした妖の周りに歪な模様が並ぶ。眩い光を放つと同時に、模様から謎の光が放たれた。後ろで何かが壊れる音がした。確認するまでもなくこの建物の壁だろう。猟銃のレバーを引く。構えようとしてまた模様が光る。走って避ける。構える暇がない。こういう時はフランを頼るのが一番だろうけど、彼女は今寝ている。レバーはもう引かれている。構えて妖に向けて引き金を引く。乾いた音がよく響いた。

 

「いっ…った」

 

「当たっ…た…?」

 

「人間風情に…屈辱よ」

 

「えっ」

 

並んでいた模様の数が倍に増える。何かされる前にしなければ。息を吸い胸に力を込めて無理やり体を固定、乾いた音が鳴り響く。眩い光が此方に迫るのが遅く感じる。レバーを引いて引き金を引く。光が迫る前に、魔女が倒れるように。倒れろ。倒れろ。眩い光が視界全てを覆うほどに近づいて来たところで、猟銃を庇うように背を向ける。背中が火傷をするように熱くなった後、暗転。いったい何があったのかと周りを見るが、目が見えない。少しの間を置いて後ろから轟音。何事なのか。目が少し見えて来た。

 

「…っ!?」

 

「何か、用事?」

 

「ここにあるはずの魔導書を撮りに来ただけよ。吸血鬼が持っていても意味はないでしょう?」

 

「…それはどういう意味?」

 

「今の言葉の意味を聞き返す奴が魔法なんて扱えないでしょ」

 

「死ね」

 

訳がわからないが、ここに来た妖は魔導書が欲しいらしい。私が十分に騒いだおかげか、フランが辿り着いたという訳だ。助かった、で良いのだろうか。しかし、これで私に対し目を向ける余裕は無くなったと考えて良いと思える。猟銃を構えて妖を狙う。面影はなくてもここは皆が祈っていた広間だ。そこで暴れることは私が許さない。猟銃をしっかりと持ち、妖に狙いを当てて引き金を撃つ。レバーを引き、もう一度。反動が大きい。私も疲れているのだろうか。無理やり持ち堪えようとするも、それでも倒れてしまう。

 

「はぁ…はぁ…っ」

 

「お見事。私が気を引いた途端に撃つから驚いたわ」

 

「へ…?」

 

「全弾命中だなんて、大した物だと思うけど。違った?」

 

「っふー…っ…!」

 

どうやら当たっていたらしい。奇跡だろうか。私はもう一度レバーを引こうとしたが、フランに阻止される。処罰に関しては館の主人が決める決まりがあるらしい。私にはよく理解できないことだ。私個人の感情で言えば、今すぐにでも頭を撃ちたい。構えた猟銃の引き金を、そのまま引きたい。フランの目がそれを許さないのは分かっている。猟銃を床に置いて、隅に蹴飛ばす。こうでもしなければ撃ってしまいそうだった。広間に座り込む。大きくため息を吐く。さて、その館の主人はいつ帰って来るのか。

 

「…多分三日くらい帰って来ない…」

 

「今すぐ撃ち殺す許可を。現館主様?」

 

「お姉様に観てもらって判断しないと」

 

「そうっでしょ…未来を見る吸血鬼の持つ魔導書だから取りに来たのよ。こうなることを考えての…っぶ」

 

「あれ、腕は撃っても?」

 

「腕を消しても魔法は使える。」

 

だからやめておけ、か。猟銃を拾い、妖に顔を向けることなく広間を出る。この館を改築したのは誰なのか。美鈴なのか、レミリアなのか、フランなのか。誰にしろ、崩壊寸前のような大穴だらけになった広間を直してもらうように頼まなければならない。素材の殆どは確か石レンガだったはず。私だけでは直せない。だから頼むしかない。…全てはレミリアが帰ってからになる。自室に戻って服を着替える。別の普段着を着てから広間を通って台所に着く。食材もある。粗雑な食事をすることにした。

 

「…マレン、私は血液ジュース」

 

「直でどうぞ」

 

「なんて態度の従者なの」




直でどうぞ(肩出し)をするシスター!?!?!?
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