「親が変わったのは一回だけだけど、あの時からもう血の繋がりは全くなかったかな、それと一年半前に憑かれたというべきかな、産み出したという言葉も正しいんだろうけど。産み落としたって二人は言ってた。
「まずは、眼に対する防衛機能、刃翼異翼。
「異形の羽であり、刃の翼。天を切裂き異形を穿つ。一人称が儂で、おじいちゃんみたいだけど、一年五ヶ月の女の子。本人は翼の生えた猫らしいけど、猫としてのイメージがつよいのはもう一人かな。
「眼に対する防衛機能と言うことは、怪異、異形に対する絶対的な優位性を持つことで、その眼は怪異を見抜き、名前を黄泉取り、その意味を特性を想いを、白日にさらす。
「知識としての目だけじゃない、異形に対応する武術に、霊術も持っている。
「そして、家族に対する防衛機能、白猫障猫。
「【障り猫】、あるいは【しろがねこ】【白銀猫】、尻尾のない猫の怪異で、道端で死んでいる尾のない猫を供養した善良な人間の善性につけこみ取り憑き、善良であるはずの宿主の体を使い暴れまわるという性質を持つ猫である。故に障ってはいけない、触れてはいけない。
「障り猫は、招き猫と対極に位置づけられた、言葉遊びからなる低級怪異、そのはずだった。
「身体に刻まれた知識から他の技を扱う。吸った精を術に変えて攻撃に転ずる。
「異翼ですら知らなかった。怪異においては何でも知っている異翼が、知らなかった。最初はは障り猫としていたけれど、今は触り猫といった方が近いかもしれない。
「さらに、今を苛する者。誰が出てくるかは分からない、けど、多分近いうちに出てくると思う」
僕が知っている理由とは別に、今の僕の現状を説明する。この二人は魔女と戦うことにおいて重要だからだ。
「随分と顔色が悪かったけどそういった理由?」
「そんなに酷いですか?」
「ええ、」
「そうですか、自分じゃわからないものですね。
「では、魔女を、知った理由ですね、
「二ヶ月前、白猫障猫が三ヶ月分のストレスから産み落とされた時の事です。
「見滝原暴力事件があった日。見滝原全域、命に別状はなしだけど、体力の著しい消費により、倒れる人間が続出。その内訳は、真っ白の長髪をした子徒による、暴行。
「家族との関係性によるストレス、それを発散するために、障猫―――私は、一夜にして五十人、数日のうちに百数人から精を吸い続けた。
「初めまして、美国織莉子さん。私は白猫障猫、重兵衛つばさの三人目の人格、ここからは私が引き継ぐわ。
「その時に魔女に行き逢ったのよ。人を傷つけて絶望がたまっていたからか、魔女が増えていた。私には知ったことじゃないんだけど、魔女のせいでステレス発散が滞っていたのよね。
「私が対応してるものは、あくまで家族のこと、つまりは人間、魔女は管轄外。それは儂のすること。でもね、逢ったのなら、逃げられない、私は魔女と戦うことにしたの。ストレスの塊で、発散どころか余計にストレスに変わったけれどね。
「一般人に迷惑をかけるな?確かに僕はそういうだろうね。でも、ストレスで黒になるのは私も私達も避けたいのよ。本来の名前、使われることなく消えた名前、名は体を合わすというものだけど、苗字も含まれるのよ。
「伊吹童子みたいに、怪異にも苗字はある。姓名を失った状態で、黒いつばさは危険すぎる。
「今を苛すると言ったわね、当たり前よ白くて、白々しいほうが、安全なの。安全弁、解離性同一性障害における別人格が生まれる理由、その主な理由は外的要因だけど、つばさは違う、自分を切り捨て、本来の自分が墜ちないようにするための機能。
「だから、こういうのも悪いんだけど、あまり頼らないでね、隠世の問題は白を黒に染めるもの。無くした姓を取り戻すまではね。
「話を戻すわよ、魔女と戦っていたときにあった魔法少女、名前は伏せさせてもらうわ、私は貴方を信用しきれないから。
「魔女を倒そうとしていた魔法少女、もちろんぶつかっわ。当たり前よね、自己防衛とは言え、百数人に暴行魔女の増加に、関わっていたもの、魔女と戦っていたからその時は共闘ができた、助かったことは魔女に対する特効だったこと。
「魔法少女と魔女の異質さには最初から気づいていたわ。魔女と言うには形が歪すぎる異形に、魂が器の外にある魔法少女、つばさほどの眼は持っていないけど、それくらいはわかる、特にその時は完全なる怪異だったから。
「まぁそのおかげで異翼が出てこれなくて、魔女を倒すのに苦労したんだけどね。
「停滞どころか増えたストレスはグリーフシードで回復させた、全て戻すことは不可能だったけどそれでも重兵衛つばさと言う人格が出てきても問題ないくらいにはわなったわね。
「これが魔法少女を知った理由、魔法少女のシステムについては、願いが叶って叶わなかった、希望すら振りまけなかった魔女と出会ったから。
「魔法少女に成って間もなく、魔女に成っても間もない少女なら穢れを吸って、除き切れば、半魔女半人くらいには戻れることが発覚したわ。
「普通なら気づくこともなかったでしょうね、だってその魔女はあまりにも私に似ていたから。家族との関係性からなる問題から生まれたということだけ分かった、病院にいたのにも関わらず、家族問題が一番の絶望だった。吸ってどうにかなると思わなかったけど、それでも成功したから儲けものね。
「それで知ったわけだけど、貴方はどうするの?」
「私は、さっきつばさくんに言った魔法少女を探すわ、それを倒せばつばさくんの力になれる」
「……力に、ね、分かったわ、私はつばさが白くいられるようにする、くれぐれも人間に手を出さないでね、私達もつばさを白く捺せ続けるためなら、容赦しないから」
私は目を閉じてつばさに変わる。苛政は虎よりも猛し。多分気づいてないわね、虎が起きる前に、水母が作られる前にどうにかしないとね。
九割がつばさと障猫のセリフで終わってしまった。