ハイスクールD×D~Stand up to~ 作:ライダーマスク
ありがとうございます!
〔イッセーSIDE〕
さて、グレモリー先輩から最近不調の原因である不満というか現状を聞いた。
要約するとこうだ。
自分の意思が全くない状態で同じ元七十二柱の1つである[フェニックス家]の三男坊である“ライザー・フェニックス”との婚約―――人間で言うところの中学生時代に決まった。
本人としては本人の意思が関与していないのに勝手に婚約を決められて怒りを覚えたが、ここまで育ててくれた両親は家への恩から、相手を見定める為のお見合いだけを受けて婚約をするかどうか決める。
お見合いの際に自分の体を舐めまわす様に見て来た挙句、いきなり隣に座って体をまさぐるように触られる―――人間で言うところのセクハラと痴漢のダブルコンボと同じらしい。
しかも眷属悪魔は全員女性で、既に何人かの眷属とは体の関係を持っていてハーレムを築いており、グレモリー先輩もハーレムの一員として迎え入れると言われた。
同年代でもアレだが、常識が人間寄りなグレモリー先輩にとっては到底受け入れがたいものであり、そもそもいきなり他の七十二柱の令嬢へのボディタッチは非常識。
そんなことからグレモリー先輩は婚約を拒否。
そもそもグレモリー先輩は[日本神話]に出向して働いている身でありつつ[悪魔]がこれまで[日本神話]の管轄領域で好き放題やっていた際の外交問題での解決条件として、魔王の妹として人質として[日本神話]にいる。
そんな状況で実質[悪魔]の領域である[冥界]に帰り[日本神話]から離れる行為は、せっかく過去の外交問題が解決した[日本神話]と[悪魔]の外交に悪影響が出る。
それらを説明してもグレモリー卿―――グレモリー先輩の父親と婚約相手とその家である[フェニックス家]の現当主である“フェニックス卿”は婚約第一の姿勢を崩さず魔王にお願いする形でグレモリー先輩を強引に連れて帰ろうとしている。
「本当は人質としてお兄―――魔王様のご子息であるミリキャスが行くことになったのだけれど、あの子は私以上に幼いし家族と離れるのは可哀そうだと思ったの。だから私が自ら名乗りでて[日本神話]への人質として行くことにしたの」
「なんといいますか…グレモリー先輩って中坊のころから覚悟ガンギマリッスね」
「そうね。いえ…どちらかといえば逃げたかったのかもしれないわ」
「逃げたかった?」
「ええ…。私はね、生まれた物思いが芽生えた頃から貴族社会が好きじゃなかったの。才能と血統だけが重視されて、上流階級であればよほどの問題にならない限りは罪に問われることも無い。しかも、それを当たり前と…それで多くの者たちが傷ついて悲しむ姿を見て愉快と笑い飛ばす。そんな社会が気持ちが悪いの―――吐き気を催すようにね」
「そういう意味では人質はグレモリー先輩としても棚から牡丹餅だったわけッスか」
「そうね。当時は私の弟みたいなミリキャスを政治戦争や外交に巻き込みたくないって家族愛なものもあったのは確かよ。それでも今振り返ると、私は[悪魔]という社会から早くいなくなりたっかのかもしれないわね」
「………」
貧乏な家庭や金に困る環境…そういうのをひっくるめて恵まれない環境で生まれ、暮らしていた者たちから見ればグレモリー先輩のいう事は傲慢だの我が儘だの言うだろうな。
確かにそう思う一面はあるかもしれない。
だが、グレモリー先輩が抱える悩みや貴族社会という自分にとって最悪な環境。
なにより、裕福な分自由がないし恋愛相手も自分の意思を貫くことも許されない。
これも立派な不遇ともいえるのは間違いない。
勿論グレモリー先輩の悩みが些細だという奴もいるし、自分と変わってほしいという輩もいるだろう。
だが、そういう奴に限ってやっぱり元が良かっただの、こんなことになるとは思わなかったとクソみたいな後悔をするやつばかりだ。
結局隣の芝生は青く見えるって奴だな。
「どう? 学園では気丈に振る舞いお姉さまなんて呼ばれているけど、本当は自分の現状を満足に解決できない我が儘お嬢様な私は」
そう自虐しながら言うグレモリー先輩。
そうだな。
「別に我が儘って感じじゃあないと俺は思ってますよ?」
「え?」
グレモリー先輩が驚いたような様子を見せる。
「だってグレモリー先輩が人間界―――[日本神話]の職員兼人質として来た理由は家族を護るためじゃあないですか。それに婚約に関しても明確に断れる理由がある―――というか娘がそういうセクハラ行為を受けてはっきりと嫌がっているのに婚約させようとしている両親の方が俺にとって印象最悪ッス。グレモリー先輩には悪いですが」
「で、でも、私は貴族の責務を放棄しているのよ?」
「
「なんでそんなことを…」
「だって花京院さんが全幅の信頼を置いていますから。あの人は人見る目は確かッス。どんなに取り繕っても100%善人の演技をしようにも、そいつが根まで腐り果てた吐き気を催す邪悪であれば直ぐに関係を斬るか、敵なら容赦なく殺します」
「花京院さんが…。でも貴方の目には―――」
「確かに客観的に見れば、貴族令嬢としてのグレモリー先輩は我が儘に見えなくもないッス。でも、1人の存在として―――リアス・グレモリーとしての先輩はちゃんとしていますよ」
「そうなの?」
「ええ。クソアマ―――レイナーレの時だって自分が日本神話の職員として出来るところまでやりきたじゃあないですか? 俺はあくまで補助であり保険として扱ってくれた。何より学園での日常生活じゃあちゃんと普通の学生としている時点で好印象ッスよ」
「そんなこと…初めていわれたわ」
「姫島先輩とか木場とか塔城、アーシアとかには言われなかったんッスか? 特に姫島先輩はグレモリー先輩とは親友ッスよね?」
「朱乃に関しては親友であるがゆえに気を使わせてしまっているの。祐斗や小猫、アーシアにはなかなか言い出せないのよ…」
上に立つものとして眷属には下手に弱みを出せないって感じだな。
グレモリー先輩って我が儘とか言っているけど、常識的な範囲で貴族令嬢としての責務は確りしているから我が儘じゃあないな。
婚約とかそういうのは貴族社会にありがちだが、グレモリー先輩って悪魔としては未成年みたいなもんだ。
そんで[フェニックス家]の三男坊は既に成人した悪魔。
ていうか大人である[フェニックス家]の三男坊が未成年であるグレモリー先輩に出合い頭に近づいてセクハラと痴漢に等しい行為をやるとか、貴族として問題大ありじゃあないか?
そんな相手をグレモリー先輩の父親であるグレモリー卿は良い人だと言っている。
こういっちゃなんだが、この婚約ってもしかして―――グレモリー卿とフェニックス卿がノリで結んだ契約な気がするな。
そんで行くところまで行って、貴族としての顔とプライドでやらないと周りの家に恥として見られる見たいか感じだな。
悪魔ってデフォでプライド高いし、平気で他種族見下すわ、人間ならほぼ奴隷扱い。
そう考えるとクレーリアさん、グレモリー先輩、生徒会長、ロイガンさんってそういうの無いから本当に良い意味で貴族で悪魔らしくないよな。
あ、そういえば最近[日本神話]に正式所属して、今は異形世界専門の水族館の宣伝ガールになった“リリティファ”さんも一応は元七十二柱だったな。
まあ、あの人祖先の家は古の大戦で家が傾いていたところに新魔王派・旧魔王派の争いが勃発。
そんでどちらの派閥にも与することができず人間界の海に隠れ住んでいたから違うか。
「まあ、こうして色々吐き出しましたけど……少しはすっきり出来ましたか?」
「そうね。少しは溜めていた者を吐き出せたわ。ありがとうね、兵藤君」
「いえいえ。同じ学園に通う者同士ですし異形世界の立場で知り合った以上は助け合いッスよ」
「そうね。でも明後日に私の婚約相手と婚約に関する話し合いがあるの。立会人として私の家のメイド長が来ることになるけれど、このままだと向こうの意思が押される可能性があるわ」
「グレモリー先輩のお兄さんはどういった立場で?」
「多分…いえ、確実にこの縁談を否定する側なのは間違いないわ。でも、魔王という立場がある以上は公平―――何より悪魔の未来を担う以上は婚約に口を出す事は不可能だし、私を連れ戻す交渉もしないといけないわ」
「難儀ッスね」
「ええ。最悪なのが[レーティングゲーム]*1に持ち込まれる事ね」
「ああー、そういえば[レーティングゲーム]は非公式であれば未成熟のあくまでもできますね。という事は最終的にグレモリー先輩とフェニックス家の三男坊でゲームして勝者の意見が通る流れッスよね」
「ええ。そうなったら私の負けは確実よ。レイナーレで対ライザーの戦略を試したけどアレでは私たちの体力と魔力が尽きて負けるわ。それに他の眷属を相手にすることも踏まえると勝てないわ」
あの[屍生人]したクソアマに善戦していたのはそういう事だったのか。
確かに[フェニックス家]の悪魔は全員[不死身の再生能力]を持っているから、その研究の成果があの戦闘タクティクスなら納得がいくな。
まあ[フェニックス家]の血筋が持つ特殊体質である[不死身の再生能力]っといっても神や魔王級の攻撃を当てるか、精神を屈服させる、または聖なる力や浄化系の力という悪魔にとって特攻の攻撃を当たれば勝てる。
俺の場合はその全てができるしな。
しかし、このまま[レーティングゲーム]でグレモリー先輩の縁談の行方を決めるとなると、確実にグレモリー先輩側が負けるな。
こういっちゃなんだが[屍生人]化したレイナーレを倒せていないのが良い例だ。
勝利確実の[王]が[不死身]というグレモリー先輩にとっては逆ハンデもいいところだ。
しかもフェニックスの三男坊はロイガンさんに[レーティングゲーム]について教えてもらった際にゲームにかける熱意は本物であり、懇意にしている家相手への接待ゲーム以外での勝率は100%だったな。
うん、多分グレモリー卿とフェニックス卿は確実にグレモリー先輩を[レーティングゲーム]で婚約解除チャンスちらつかせて、そのまま負けさせる気だな。
だったら―――
「グレモリー先輩。万が一[レーティングゲーム]でアンタが抱えるこの婚約問題を解決を迫られた際に、それを逆手に取った言い解決方法がありますよ」
俺はにやりと表情を悪だくみするような感じでグレモリー先輩に問いかけた。
「え!? そんな方法があるの!?」
「えぇ。今回限りしか使えませんが[レーティングゲーム]になった際はグレモリー先輩が絶対的に不利。だからこそゲームに挑む際にハンディキャップを仕込んだ上に、勝利条件を婚約破棄からより効果がいいものにアップグレードさせるんッスよ」
「それは…一体―――」
俺は即席だが、グレモリー先輩が抱えるこの婚約を巡る案件を解決できる方法を教えた。
そして―――
「確かに向こうが[レーティングゲーム]を仕掛けて来る上で参加資格のない私が参加する非公式であれば行けるわね。でも兵藤君が―――」
「ここまで聞いちゃ男兵藤一誠、力を貸しますよ!まあ、俺だけ活躍ってのもアレなのでこういう風なのはどうでしょうか?」
俺はさらなる提案をグレモリー先輩に伝えた。
「確かにそれは良いわね。これなら私の能力もある程度は担保されるわ。まあ、この提案を行う異常は私への評価が下がるけど、これはいくらでも挽回できるから良いわ」
「そんじゃ決まりでってことでいいッスね?」
「ええ。改めてありがとう兵藤君。貴方のお陰で希望が持てたわ」
「それは良かったッス。そんじゃ当日は俺も同席しますが、交渉自体はグレモリー先輩が頑張って通してください」
「ええ。貴方がくれたこのチャンス。絶対に無駄にしないわ。早速眷属達とも話し合うわ―――またね」
「ええ」
とりあえずグレモリー先輩が抱えている問題を解決できそうで良かった。
ていうか、また自ら首を突っ込んでしまったな。
まあ、何とかなるか―――
一応ぼかしていますが、この作品のイッセーが提案した解決方法は皆さんある程度は察しているのは確信しています。
では!
感想お待ちしております!