ハイスクールD×D~Stand up to~ 作:ライダーマスク
ありがとうございます!
〔イッセーSIDE〕
さて、時間は流れてグレモリー先輩の婚約相手と立会人であるグレモリー家のメイド長が来る日。
「……やれやれだな」
「これは私も想定外だったわ…」
俺とグレモリー先輩、そしその眷属であるアーシア達が日本神話駒王町支部の来賓出迎え用の部屋に居るのだが―――花京院さんの支部長代理が当日胃腸炎起して欠席する事になった。
しかも、レイナーレ事クソアマが起した事件を切っ掛けに他の職員は多忙を極めて全員外出して仕事中。
そんなこんなで本部に問い合わせたら―――
―――「申し訳ございませんが、兵藤さんに支部長代理の代理を任せてもよろしいでしょうか?」
っと言われた。
俺自身は日本神話に所属していないフリーな身なはず―――なんだが3年前の事件で俺は有名人。
何よりここの支部の手伝いを何度かやっている実績から任せたいとのことだ。
よりにもよって、他の職員は全員即賛成をして俺も断るに断れなくなり泣く泣く引き受けた。
俺一応高校生っていう立場の事忘れ去られている気がするよな…。
まあ? 肉体年齢は20代前半だし、実際に過ごした時間は普通に数十年も経過している。
だとしてもなぁ…。
「俺、こういう事苦手なんだよなぁ~。普通に初対面最悪な奴とか普通に毒吐いちゃうしよぉ…」
「まあ、外交的立場は兵藤君側―――[日本神話]の方が上だし、向こうがかなり無茶なお願いをしている以上は問題ないわ……多分」
「多分って慰めの“な”にもなってないじゃあないですか…。ともかく本部からは俺の好きにやって良い事と、グレモリー先輩の冥界完全戻りは一切認めないって事は聞いているので」
「私もある程度聞いたけど、外交担当の人マジギレしていたわね」
グレモリー先輩が遠い目をしながら呟く。
因みに今回の事に関してのコメントはこんな感じだった。
―――「まだ[神の子を見張る者]との交渉で忙しいのに、グレモリーさんを嫁にしたいから[悪魔]に返せだ? 外交舐めすぎだろ。もし失うものがなければぶっ殺しに行くとこですよ」
っと目のハイライトを消しながらマジでキレていた。
もうすぐ沢山の後身たちが就く予定になっているが…大丈夫か?
「私も1回あったことがあるけれど、真面目な人だったわね?」
「そうッスね。ともかくやれるだけの事はやっておきます。向こうが実力行使に移ればそれ相応に対応しますがいいッスよね?」
「ええ。向こうが無茶な提案をしているのも。寧ろ大きな外交問題として取り扱わない様に内々にやってくれることに感謝しかないわ」
まあ、今の[日本神話]はあの時の戦いの影響で戦争している暇無いからそうしているだけなんだよな。
主に神ではなく職員の人達が管理体制の調整とか、いままで寛容というか放置してきた他の異形のやらかしの事後処理とかで。
まあ、過労死しない様に調整や回復手段などは神側が全面協力してくれているから何とかなっているけど。
「ま、とにかくやってみますよ。こうして何時もの仕事着に着替えましたし」
「仕事着というか独創的なデザインの服ね」
「まあ、趣味みたいなもんですよ―――さて、来るようですよ」
俺は例のグレモリー先輩の婚約者とその付き添い兼立会人のグレモリー家のメイド長が転移してくる予定の場所を見ながら立ち上がる。
すると、転移予定の場所からオレンジ色で中央に[フェニックス家]の家紋が描かれた転移魔方陣が出現するとともに炎がが溢れ出した。
一応ここ屋内なんだけど、実際の炎を出して転移してくるとか非常識過ぎないか?
「本当にごめんなさい…」
グレモリー先輩が申し訳なさそうに謝って来た。
まあ、施設内は簡単に火事とかにならない様に術式を施して在ったりしているから大丈夫だ。
だとしても他勢力の私設にはいるなら、その土地の必要最低限の礼儀を持ってほしいもんだな。
そんなことを想っていると、炎があふれる魔方陣から男1人と女1人が出現した。
男は金髪で顔はワル系のイケメン、服装はワインレッドのスーツにいかにも高級そうな革靴。
スーツのシャツは襟を全開に立てて、ノーネクタイにボタンは第三ボタンまで外している。
いわゆる繁華街に良くいるホストって感じの男だ。
女の方は銀髪の長髪を綺麗に纏めた凛々しい女性。
服もアキバにあるようなメイドの萌えな服装ではなくガチのメイド服を彷彿とさせる服装。
この悪魔がグレモリー先輩の実家のメイド長であり―――魔王サーゼクス・ルシファーの[女王]か。
「ふぅ、久々の人間界だ」
「お久しぶりです。リアス様、眷属の皆様」
男は独り言を、メイドの方はグレモリー先輩とアーシア達に挨拶をした。
「久しぶりね―――グレイフィア」
「お久しぶりでございます。それでこちらの方が駒王町支部長代理の代理の方ですね?」
「ええ。兵藤さ―――」
「存じています。グレモリー家メイド長の“グレイフィア・ルキフグス”殿。私は兵藤一誠。今回は代理の代理の身ですがよろしくお願いします」
「こちらこそ、我々の申し出に応えてくださりありがとうございます」
俺とグレイフィア・ルキフグスは軽く挨拶を交わす。
さて、例の婚約者は―――
「やあ、愛しのリアス。会いに来たぜ」
そう言いながら俺には目もくれず、グレモリー先輩の方に歩みを進めて彼女を見下ろす様に挨拶をした。
一応この場の立場は俺の方が上なんだが……やっぱりグレモリー先輩や俺があって来た悪魔の方がまれなんだろうな。
「ライザー。私に挨拶する前に最初に挨拶すべき者がいるでしょう?」
「ん? ああ。そこの人間か。別にたかが田舎神話の小さい街を管理している存在が、元七十二柱につらなる俺より上なはずないだろう? 挨拶は君の所のメイド長で十分だろう?」
「ライザー…ッ!」
「良いですよ。グレモリー殿。貴族悪魔は基本的に人間を見下すのが自然なのは承知しています。まあ、現四大魔王が外交に臨む際はきちんと礼儀正しく挨拶をしてくれたものですがね?」
「チッ…。お前、俺に喧嘩売ってんのか?」
「喧嘩を売る以前に過去の事例を言ったまでですよ? ともかく話が始まらないのでまずは此方にお座りください―――[フェニックス家]三男、“ライザー・フェニックス”殿」
「フン…。気に喰わないな」
そう言いながら俺が案内した上座に座るライザー・フェニックス。
この程度であれば軽い皮肉程度で済ませるで十分だ。
「グレイフィア・ルキフグス殿もこちらに」
「お気遣いいただきありがとうございます」
そう言いながらグレイフィア・ルキフグスもライザー・フェニックスの隣に座った。
◎
それから姫島先輩が来客用のお茶や茶請けを用意し、ライザー・フェニックスとグレイフィア・ルキフグス、俺の順番で配膳。
ライザー・フェニックスが早速姫島先輩が入れたお茶を飲んだ。
「リアスの[女王]が淹れてくれたお茶は美味いものだ。リアスと結婚した暁にはお前も俺のハーレムに入らないか?」
「痛み入りますわ」
ライザー・フェニックスの言葉に笑顔で返す姫島先輩。
表面上は笑っているが、ひしひしと嫌悪感を感じているのが伝わる。
「さて、今回御二方がこちらに来て交渉したり理由は存じています」
「ああ。さっさとリアスを此方に返してもらおうか?」
「ライザー!」
「こちらの要望を言って何が悪い。言っておくが俺と君の婚姻は悪魔の将来に関わる大切なものだ。こんな田舎神話で君を働かせたり、外交的人質として扱うお前たち[日本神話]の方が非があるぞ?」
「そういう問題ではないのよ! これまで私達悪魔や他の異形勢力が好き勝手に[日本神話]で動き回って、危うく一つの神話が滅びかけたのよ! 普通なら私達は[日本神話]と戦争してもおかしくはない状況なところを、私やソーナが職員として働き人質としている事で済んでいるこの状況がどれだけ奇跡なのか分かっているの!」
「猶更わからないな。所詮は小さな島国程度の活動範囲しかない神話と我々悪魔が戦争したところでこちらが圧勝。まったく、魔王様はこんな田舎神話程度に下に出る必要も無いことを」
「…ッ」
ライザー・フェニックスはいかにも悪魔って感じだな。
自分の種族が至上であり、他は奴隷かペット同然。
こういう場でかなりの問題発言だが、こういった場でマナー違反を即座に指摘する方がマナー違反だ。
ここはあえて調子に乗らせて、軽く一線を越えた発言を引き出してから少しだけわからせようか。
どうやら、付き添いで来たグレイフィア・ルキフグスもそれを狙っている可能性が高いか、だんまりしているようだしな。
「なるほど。つまりライザー・フェニックス殿は我々日本神話と戦争しても悪魔が圧倒的に勝ち滅ぼせると自らの悪魔を誇りに思っているのですね?」
「ああ。お前なぞ俺が簡単に魔力を振るえば確実に跡形も無く燃やし尽くせるぞ?」
そう勝ち誇った様子でいるライザー・フェニックス。
こうも実力差を見れてないのは悪魔のプライドや傲慢さ故なのかもな。
因みに俺ならこの場で、グレイフィア・ルキフグスの妨害か護衛有でもライザー・フェニックスを一瞬で滅ぼせるがな。
「まあ、お戯れはそこまでにして、そちらの要望はあらためて聞きましたが―――残念ながらリアス殿を本格的に[悪魔]に返す事は出来ません。これは四大魔王と[日本神話]の主神たる“天照大御神”様との契約によるものです。たとえ悪魔の未来に関わろうが、貴方の意志があろうが意味はありません」
「随分ないい用だな? 言っておくがこれはまだ交渉の段階になっている事に感謝して欲しいものだな。こちらが本気を出せば無理やりにでもリアスを連れ戻すぞ」
「残念ですが、貴方がそのような事を実行すると我々も相応の対処をせざる負えません。それと常々感じていますが、上級悪魔ならこの土地の必要最低限のマナーくらい勉強して欲しいものですね」
「あん? 俺に喧嘩売ってるのか?」
「喧嘩ではなく忠告です。貴方が目の魔にしているのは[悪魔]でも[眷属悪魔]でも[只の人間]でもなく一時的ですが[日本神話]に属し、町の管理の長を任されている者。そして貴方は当主でも次期当主でもない貴族社会の三男。そのような態度をしていい相手ではない事だけは言っておきます」
「たかが田舎神話の分際でフェニックス直系の三男である俺にそんな口を利くとはな。それなりの覚悟は出来ているんだろうな?」
「その言葉はそっくりそのままお返しします。それに貴方のこれまでの言動は[悪魔]の外交的立場をを悪くしているのも同然です。ですがすぐに喧嘩腰になる貴方とは違って我々は寛容です。この場でリアス殿を連れて帰る事を諦めて[冥界]に帰れば貴方が起した無礼の数々は無しにしましょう」
「そうか…。なら決めた―――この俺を愚弄した罪は、貴様の苦痛の叫びをもって精算するとしようか?」
そう言いながらライザー・フェニックスは炎の悪魔の翼を羽ばたかせると同時に全身から炎の魔力を放出し脅す様に向けて来た。
この程度の炎で脅しか。
アブドゥルさんの炎の数万分の一程度って感じか。
「おやめくださ―――」
「大丈夫ですよ。グレイフィア・ルキフグス殿」
「ですが―――」
「問題ありません。それにこちらも外交的に下に見られるのは問題があるので軽く分からせます。大丈夫です。自分に万が一のことがあっても責任は私にあるので」
「わかりました。ですが危険と判断すれば介入します」
「はい。問題ありません」
俺はライザー・フェニックスに向き直る。
ここまで向こうが無礼を働いた以上は此方も敬う態度は止めて素で行こうか。
「さて、ライザー・フェニックス。その魔力を引っ込めてとっと冥界に帰って婚約を無しにしろとフェニックス卿に伝えろ。そしたらこの場での無礼な態度と言動は無しにしてやる。言っておくがこれが本当の最後通告だぞ?」
「フン、調子に乗るな人間!」
ライザー・フェニックスが脅しをかけるように右手を俺の前に翳し、そこから魔力を炎に変えた魔力弾を生成する。
脅しで一発撃つつもりのようだが―――俺の方が早い。
俺は右腰にあるホルスターから[鉄球]を取り出すと同時に[回転]をかけてライザー・フェニックスの右肩に放った。
「な、なんだこれは!?」
ライザー・フェニックスが鉄球が当たったことに驚きつつ、奴の右肩に当たった部分の服部分が弾けると同時に奴の皮膚が奇妙な模様のように渦巻いた。
そして役目を終えた鉄球は俺の元に戻り右手でキャッチ、右腰のホルスターに鉄球をもどした。
「なんだ…この気持ち悪い感覚は…!?」
鉄球が離れても奇妙な渦巻き模様が消えない現象と、鉄球が当たったダメージの感覚に驚きっぱなしのライザー・フェニックス。
「俺は優しくないぜ。右手の魔力を放たずに消して置け。さもないと屈辱を味わう事になる」
「黙れ!!人間如きが!!」
ライザー・フェニックスが俺に向けて魔力を放とうとした瞬間。
ライザー・フェニックスの右腕の皮膚全体が渦巻くように回転し、俺に向けていた魔力が奴の顔面へと方向が変わると同時に発射。
そのままライザー・フェニックスは自分の魔力を受けて頭部を吹っ飛ばし倒れた。
「「「「「!?」」」」」
突然の現象に驚くグレモリー先輩たちとグレイフィア・ルキフグス。
「兵藤君!?これは一体!?」
「まあ、ちょっとした技術の応用だ―――そんで俺は忠告したのにやっちまうとはな? まあ、お前自身の攻撃でお前がダメージを追ったな。
それにちゃんと忠告したから問題ない。
それに[フェニックス家]なら魔力で頭を吹っ飛ばされたくらいで死なないしな。
「グッ……何だ…俺はあの人間に…向かって確かに魔力を撃ったはずなのに…ッ!?」
立ち上がりながら呟くライザー・フェニックス。
「お前はつくづくチャンスを無駄にするんだな。まあいい、今はお前が自分の魔力で自分を攻撃したんだ。何も問題はない」
「人間如きが調子に乗る―――」
ライザー・フェニックスが反撃しようとした瞬間―――
「おやめください、ライザー様」
グレイフィア・ルキフグスがライザー・フェニックスに向けて魔力で圧をかけながら制した。
「グレイフィア殿。奴は俺を侮辱―――」
「
「最強の女王と称されるあなたに言われたら俺も止めざるをえないな」
「私に忠告される前に止めて欲しい者です。申し訳ございません、兵藤殿」
「いえいえ―――っと言いたいところですが、このままでは埒があきません。ですのでここはそちらの流儀でリアス殿とライザー・フェニックス殿の婚約問題を解決―――もとよりそちらはそのつもりなのでしょう?」
「やはりお見通しでしたか。流石は代理の代理を任される御方ですね」
「恐縮です」
まあ、本当はグレモリー先輩の予想だけどそうしておこう。
「ですが、リアス様を[悪魔]に返すとなると―――」
「大丈夫です。そこらあたりは天照様に話は通してあります」
一応、昨晩にこの話を通して俺が提案した方法を実行するにあたって天照さんに許可は得ている。
まあ、グレモリー先輩は日本神話に居てもらう前提での話だけど。
「そうでしたか。そうなるとこの縁談を[レーティングゲーム]で決めるという事で良いのですね?」
「ええ―――ですがそのゲームは非公式で行われる。ですからゲームで婚約の有無を決める際に、
本当は俺が考えて、グレモリー先輩がある程度清書して天照さんが認可した流れだけど。
「それはどのようなハンデと確約事項でしょうか?」
「まず、ハンデはリアス殿側に私―――兵藤一誠を今回限りの助っ人として参戦させること。ゲーム前に2週間ほどの修業兼連携強化期間を設ける事です」
「わかりました。こちらも今までの無礼の事を考えれば妥当です。必ずそうなるように取り計らう事を立会人として誓いましょう」
「ありがとうございます。そしてリアス殿陣営がゲームに勝った際に確約事項ですが―――今後のリアス殿の本人意思が無い第三者の縁談や婚約の永続的廃止です」
「それも可能でしょう。おなじように取り計らいます」
「ありがとうございます」
ふぅ…ここまで泳がせてこちらの要望を飲ませる状況に持ってこれて良かった。
本当は支部長代理の人に作戦を伝えてやらせるつもりだったが、俺がその立場で事が思ったよりも早く進んだ。
「リアス様。兵藤殿の言葉で状況がすすみましたがよろしいでしょうか?」
「ええ。問題ないわ」
「わかりました。ライザー様もよろしいですね?」
「ああ、またとない機会だ。リアス、2週間後のゲームで合おう。そしてそこの人間―――俺というフェニックスの恐ろしさを刻み込んでやるぞ!」
「まあ、
「チッ!」
そんなこんなでグレモリー先輩の将来がかかったレーティングゲームが行われることになった。
元々この流れでグレモリー先輩を負かせてライザー・フェニックスと婚約を確定させるつもりでいる両家。
だが、それは叶わない。
この俺がグレモリー先輩の味方として不死鳥殺しを魅せるからだ。
なにより、
多分初期ライザーは相手が人間なら、こういう態度をとるんじゃないかと思います。
ハイスクールD×Dの異形って殆どが人間は下等種族扱いがデフォですからね。
マジでリアスやソーナ、サイラオーグや四大魔王様はいい意味で悪魔らしくないですよね。
では!
感想お待ちしております!